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【2024】Lumionとはどんなレンダリングソフト?強みや機能を解説

レンダリングはモデリングソフトを使って製作したモデルのポテンシャルを高め、正しく関係者に情報を共有するために欠かせない工程です。レンダリングに特化した専用のソフトを使うことで高いパフォーマンスを得られますが、中でも人気が高い製品の一つにLumionが挙げられます。

この記事では、そんなLumionとはどんなレンダリングソフトなのかについて、独自の強みや機能、そして価格プランなどに触れながら紹介します。

Lumionとは

lumionの操作画面

Lumionは2010年よりオランダのACT-3D社が提供してきた、建築設計に特化したレンダリングソフトです。3Dモデルはただモデリングを行うだけでは情報としては不十分で、実際にどのようにその建物が現場で機能するのか、どのようなビジュアルでたたずむことになるのかといったイメージは、製作者以外には伝わらないこともあります。

そんな情報共有の悩みを解決するのがレンダリングソフトで、Lumionもまたその一種です。Lumionは様々な3Dモデリングソフトからモデルデータをインポートし、多様なマテリアルを必要に応じてモデルへ適用することで、製作者のイメージを関係者へ具体的に伝えることができます。

3Dモデル本体のレンダリングはもちろん、周囲の背景や植栽など、直接3Dモデルとは関連のない部分についても細かく仕上げることができるため、イマジネーション豊かなプロジェクトに仕上げられるでしょう。

ACT-3D社は元々ゲームエンジンの開発に携わっていた経歴を持つ会社ということもあり、多くの工程が発生し負荷の大きいゲーム開発の現場でも活躍できるよう、Lumionでは操作性にこだわりが見られる点もポイントです。

Lumionの強み

Lumionが多くのプロフェッショナルから評価を得ている理由としては、主に以下の3つの強みが挙げられます。

高い互換性を備えている

Lumionの最大のメリットの一つが、高い互換性です。レンダリングソフト選びの際、注意しなければならないのが3Dモデリングソフトとの相性で、場合によっては互換性がなく、併用が難しい場合もあります。

一方でLumionは第一線での導入が豊富ということもあり、大抵のポピュラーなモデリングソフトとは互換性を確保できている製品です。AutoCADやVectorworksといったCADソフト、ArchiCADやRevitといったBIMソフトに至るまで、多くのモデリング製品のデータを直接インポートし、レンダリング作業をスムーズに進めることが可能です。

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上記のいずれのモデリングソフトではLumionの無料プラグインソフトが導入可能なので、シームレスにLumionを運用することもできます。他にも多数のモデリングソフトとの互換性が保たれていることから、導入前に一度対応ソフトを確認しておくことをおすすめします。

品質とスピードの両立に特化している

レンダリングは3Dモデルのポテンシャルを引き出す上で重要な役割を果たす工程ですが、実施には多くの時間がかかることから、負担の大きい業務としても知られています。時間を優先するためには品質を犠牲にしないといけないこともあり、現場の人間を苦しませることもあるでしょう。

一方でLumionでは、そんな品質とスピードを両立したレンダリングを実現できる性能を備えています。データの大きさにもよりますが、レンダリングの実行は大抵数分程度で完了するので、スペックに自信がないマシンを使っている場合でもすぐに出来上がりを把握し、修正というトライアンドエラーを繰り返すことが可能です。

何度も処理が発生することで時間的な制約に見舞われるレンダリングですが、Lumionではそんな制約を緩和して柔軟な作業を実現できるでしょう。

トレーニング負担が小さい

Lumionは高品質なレンダリングが行えるソフトでありながら、使いこなすためのスキルも最小限で済むのがメリットです。新しいソフトを導入する際、基本的な機能を使えるようになるにも時間がかかり、最大限のパフォーマンスを得るのに時間がかかったものですが、Lumionはその必要がありません。

豊富なチュートリアル機能とシンプルなユーザーインターフェースのおかげで、Lumion導入から15分もあれば、レンダリングの基礎を身につけられます。

これからモデリングやレンダリングの基礎を身につけたい初心者にとっても、やさしいソフトがLumionです。

Lumionは誰が使うべきレンダリングソフト?

このように、Lumionは利便性や導入のしやすさに大きな強みを持つレンダリングソフトとなっており、標準的なマシンがあればいつでも使い始めることができるのが特徴です。

このような特徴を踏まえると、Lumionはプロレベルで活躍する人たちにとって便利なソフトであるのはもちろんですが、初心者にも勧められる製品と言えます。

中でもあまり3Dモデリングに詳しくない関係者との情報共有が多く発生するユーザーや、修正やフィードバックが多く割り当てられる現場での活躍が期待でき、試行錯誤に伴う負担をLumionが解消し、品質の向上とスキルアップを確実に進められるでしょう。

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Lumionの主な機能

lumionの操作画面

上述した強みを最大限発揮するべく、Lumionでは以下の機能を備え、ユーザーの生産性向上に努めています。

直感的な3Dレンダリング

Lumionは直感的な操作によって3Dレンダリングを実行できる設計を採用しています。3Dアセットやマテリアルについてははじめから付属する巨大なコンテンツライブラリから自由に利用ができるので、あらゆるシチュエーションをLumion上で再現が可能です。

また、複数のエフェクトも自由に施せるようコンテンツが揃っており、モデルの周囲に世界観を与え、フォトリアルに構築できます。マウス操作やコマンド操作はすぐに身につけられる設計となっており、操作に悩む心配はありません。

画像・アニメーションを問わずLumionは演出を与えられ、それらはすべて360度パノラマで展開されます。一枚のシーンを切り取っただけのハリボテではない、奥行きのある世界を自由に構築できるでしょう。

レンダリングの微調整やウォークスルー映像の撮影など、高度なレンダリング機能を最大限活かすためのツールも揃っています。

効率的なワークフロー

レンダリング速度に優れるLumionは、プロジェクト全体で効率的なワークフローを構築するのに役立ちます。レンダリング結果をすぐに出力してフィードバックをもらい、改善するというフローを高速化して、PDCAサイクルを加速させ品質向上が実現します。

また、Lumion LiveSyncと呼ばれる機能を使えば、リアルタイムレンダリングを実行してその場ですぐにレンダリングが行えるという環境も利用できるので、さらに生産性を高めることが可能です。

カメラの位置を自由に設定して動画にしたり、好きな角度のシーンを切り取って画像にしたりと、プロジェクトの共有方法もゲーム感覚で多様に楽しめるのもLumionの強みと言えます。

Lumionの価格・プラン

Lumionには大きく分けて

  • Lumion Standard
  • Lumion Pro

という2つのサービスがあり、それぞれで提供されている機能が異なります。

Lumion Standardはその名の通りLumionの標準的なプランで、基本的なLumionの機能やライブラリを広く使うことができます。価格は1年間と3年間のどちらかでサブスクリプション契約を結ぶもので、3年間の契約を結んだ方がややお得に利用できる点を覚えておきましょう。

Lumion Standardで満足できなくなった場合には、Lumion Proの利用がおすすめです。こちらはLumionで提供されているすべての機能を利用可能なハイエンドプランとなっており、ライブラリやレンダリングエフェクトなどの利用制限はありません。

複雑なプロジェクトに携わる機会が増えてきた場合、こちらの使用が良いでしょう。ただ機能が増えた分価格も倍近くまで跳ね上がるため、予算の都合も踏まえることが大切です。

基本的には1ユーザー1ライセンスの利用方法ですが、複数のデバイスに一つのアカウントでインストールすることができるので、様々なマシンを使って作業をしたいという人も便利なレンダリングソフトと言えます。

Lumion Standard Lumion Pro
1年間サブスクリプション料金 12万7,600円/年(税込) 25万5,200円/年(税込)
3年間サブスクリプション料金 34万450円/年(税込) 68万900円/年(税込)
機能 1/3のコンテンツライブラリと一部のレンダリングエフェクトが使用可能 全てのコンテンツライブラリとレンダリングエフェクトが使用可能

Lumionの無料体験版利用方法

lumionの操作画面

Lumionには2週間の無料体験版が付属していて、起動から14日間は無料ですべてのLumion Proの機能を使用することができます。この期間の間にLumionの使い方を確かめたり、Lumionのパフォーマンスを評価したりすることが可能です。

Lumionの無料体験版を使用するには、まず公式サイトからLumionのアカウントを開設する必要があります。メールアドレスかGoogleのアカウントがあれば誰でも作れるので、あらかじめ作成しておくと良いでしょう。

続いて、Lumionの体験版の利用申し込みを行います。会社情報や個人情報を入力してフォームから送信すると、返信を待つように言われます。

返信が返ってくると、そこにライセンスのアクティベート方法が書かれているので、それを参考に起動しましょう。すでにアカウントを持っている場合、Lumionのサイトからアカウントにログインしてダッシュボードを開くと、アクティベート可能な無料体験版のLumionがダウンロード可能な状態で待機しています。あとはこれをクリックしてダウンロードすれば、利用の準備は完了です。

Lumionについてのまとめ

この記事では、Lumionの概要や主な強み、機能について解説しました。Lumionは高速化つ質の高いレンダリングができることで有名な製品であり、多くのプロの現場でも採用されています。

Lumionは無料体験版の利用もできるため、まずは14日間の体験版から利用をスタートしてみると良いでしょう。

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