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【2023】AutoCADの3D作図方法!基本操作や使いにくい時のコツを紹介

AutoCADは2D作図ができるCADソフトだと思われがちですが、ほかにも3D作図という便利な機能が搭載されています。しかし、AutoCADの3D作図を使ってみたいけれど、使い方が分からないと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、AutoCADの3D作図方法を詳しくまとめました。
また、3D作図のコツやAutoCADの3D作図が使いにくいといわれている理由も解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

AutoCADの3D作図が使いにくいといわれる2つの理由

実は、AutoCADの3D作図は使いにくいといわれているとご存じでしょうか。
理由としては以下の2項目が挙げられます。

  • 2Dから3Dを起こす作業が必要
  • BIMソフトのひとつ「Revit」の登場

まずは、なぜAutoCADの3D作図が使いにくいといわれているのか、具体的な根拠を紹介します。

2Dから3Dを起こす作業が必要

AutoCADで3D作図を行う際には、一般的に「2D→3D」という手順で図面を起こす必要があります。まずはXY座標のある2D図面を作成して、Z座標を加えた3D図面を作成するため、いわば二度手間が発生しているのです。

特に業務の中で2D→3Dという手順を踏むためには、大幅な時間と労力が必要になります。
時間のかかりやすい作図方法なので、使いにくいといわれているのです。

BIMソフトのひとつ「Revit」の登場

Revitのイメージ画像
出典:Autodesk公式サイト

AutoCADの3D作図が使いにくいといわれだした大きな理由として、BIMソフトの登場が挙げられます。BIMソフトとは、3D作図をベースとした作図ソフトのことであり、事前に2D図面を作成する手間がかかりません。

また、AutoCADを提供するAutodeskから「Revit」というBIMソフトが登場したのもひとつの要因です。同メーカーから提供されている便利なソフトに移行するユーザーも出ており、次のような違いがあります。

AutoCAD Revit
作図方法 2D→3D 3D(2D出力も可)
図面作成の手間 図面ごとに整合性チェックが必要 3Dモデルを編集すれば出力する2D図面の情報も書き換わる

BIMソフトのRevitについては、以下の記事で詳しく解説しています。どのようなソフトなのか知りたい方は、あわせて確認してみてください。

【2023】Revitとは?価格や機能・基本知識を徹底解説

AutoCADの3D作図の基本操作と作図方法

AutoCADの3D作図の知識を深めていただくため、基本操作・作図方法を整理しました。画像付きで解説しているので、使い方が分からない項目をチェックしてみてください。

プリミティブ

ソリッドにある円柱を選択

プリミティブとは、長方形や円柱といった簡単な3Dモデルを生成するAutoCADの3D作図機能です。例えば、次のようなソリッド(固体)を作成できます。

  • 直方体
  • 円柱
  • ポリソリッド
  • トーラス

ここでは円柱を作成してみましょう。
まずは画面上部のツールバーから「ソリッド>プリミティブ>円柱」を選択してください。
作業画面上に作図できる状態になったら、まずは「底面の中心点を指定」して作図する位置を決めましょう。

底面の中心位置を決める

次に「底面の半径を指定」「高さを指定」をそれぞれ入力しましょう。
入力した数値通りの円柱が完成します。

円柱の作成

押し出し

サーフェスによる断面の配置

押し出しは、作成した断面データを押し出して立体にするAutoCADの3D作図機能です。
まずは、作図画面上に「サーフェス>作成>平面」を使って任意で断面データを配置します。

次に「サーフェス>作成>押し出し」を選択し、任意の数値を入力して押し出す長さを決めてください。(マウスカーソルでも長さを任意で決められます)

押し出し機能による立体化

プール演算

円柱と立体の配置

プール演算とは、ソリッドとソリッドを「合成」するAutoCADの3D作図機能です。
ちなみにプール演算では次に示す2つの合成方法を利用できます。

  • 和演算:2つのソリッドの重なっている部分を丸ごと合成する
  • 差演算:2のソリッドの重なっている部分を丸ごと削除する
  • 交差演算:2つのソリッドの交差した部分だけ残る

まずは、2つのソリッドを用意しましょう。参考として上記の画像のように円柱と直方体を準備してみました。「ソリッド>プール演算>和演算」を使った場合は次のように2つのソリッドをまとめて合成します。

和演算による2つのソリッドの合成

一方「ソリッド>プール演算>交差演算」では重ねた部分だけが以下画像のように残ります。

高差演算によるソリッドの残物

スライス

立方体の準備

スライスは、3Dモデルを切断して分割するAutoCADの3D作図機能です。
参考としてZ軸を基準に、直方体を切断してみましょう。
まずは、上画像のように任意の直方体を用意し、ツールバーから「ソリッド>ソリッド編集>切断」を選択してください。

切断するオブジェクト(用意した直方体)を選択したら切断する始点・終点を選択してエンターを押しましょう。すると、以下のようにひとつだった直方体が2つに分かれました。

切断による立方体の分割

スイープ

円とポリラインの準備

スイープとは、用意したパスに沿ってソリッドを作成できるAutoCADの3D作図機能です。
自由な線形のパスに沿ってソリッドを作成できるため、蛇行したソリッドも作成できます。
まずはツールバーにある「ポリライン」「円」から次のような図を準備してみてください。

次にツールバーの「ソリッド>ソリッド>スイープ」を選択し「円→Enter→ポリライン→Enter」をという順番で進めましょう。すると次のように、ポリラインにあわせて円柱が完成します。

ポリライン状の円柱

3D回転

円柱の選択

3D回転は、作成した3Dモデルを自由に回転するAutoCADの3D作図機能です。XYZ軸に自由に回転できます。まずはツールバーにある「ホーム>修正>回転3D」をクリックしましょう。
次に回転したいオブジェクトを選択してください。ここでは参考として円柱を選びます。

回転させたいオブジェクトを選んだら、オブジェクト上に赤・青・緑のラインが表示されます。
それぞれ色の方向に回転できるのが特徴です。
好きな色をクリックしてAutoCAD上で3Dモデルをぐるぐると回転してみてください。

円柱の3D回転

ロフト

面積の異なる断面の準備

ロフトは、作成した2つの断面データを接続して3DモデルにするAutoCADの3D作図機能です。
異なるサイズの断面に合わせて自動でソリッドデータを作成できます。
まずは、上画像のような2つの断面データを用意してください。
分かりやすいように、2つの断面サイズを変えています。

次に「サーフェス>作成>ロフト」を選んだら、接続させたい2つの断面を選択してEnterを押しましょう。ロフトでは複数の設定項目が用意されていますが、ここでは設定不要として、もう一度エンターを押してください。すると次の3Dモデルが完成しました。

ロフトにより接続された断面

シェル

円柱の準備

シェルとは、ソリッドの中身をくり抜くAutoCADの3D作図機能です。
例えば、コップのような形状のモデルを作成できます。
まずは円柱を上画像のように配置して「ソリッド>ソリッド編集>シェル」を選択しましょう。

準備した円柱をクリックしたら、そのまま一番上の面だけクリックしてください。
クリックした位置はくぼませる場所を決めるために行います。

頂点だけクリックして削除する

最後に「シェルオフセット距離を指定」を任意で設定します。
この設定は、くり抜く厚みを決める項目です。任意で数値を決めたらエンターを押しましょう。
すると次のように中がくぼんだ3Dモデルが完成します。

シェルによってくぼんだ図形

また、3D作図だけでなく、2D作図の使い方を知りたい方もいるでしょう。それなら以下の記事がおすすめです。初心者向けのAutoCAD操作方法を解説しています。

【2023】初心者向けAutoCAD基本操作!図面の書き方も解説

AutoCADの3D作図のコツ

AutoCADの3D作図を仕事に活用したいと考えている方向けに、2つのコツを紹介します。
効率よく使いこなす知識として、ぜひ参考にしてみてください。

  • 練習を重ねてすべての機能に触れる
  • ショートカット機能を活用する

練習を重ねてすべての機能に触れる

まずは、AutoCADの3D機能に触れて慣れることが重要です。
とにかく練習を重ねないことには、機能を効率よく使いこなせません。

例えばAutoCADを提供するAutodeskでは、練習教材として「AutoCAD 3D モデリングチャレンジ」という課題を無料で提供しています。複数の課題が用意されているので、3D作図を練習する参考にしてみてください。

ショートカット機能を活用する

効率よくAutoCADの3D作図を行いたいなら、ショートカット機能を覚えるのが便利です。使いたい機能をキー操作で呼び出せるように設定しておけば、必要最小限の操作で3D作図を行えます。

すでに設定されているショートカットもあれば、自身で設定を追加できるのが魅力です。AutoCADの操作に慣れてきたらぜひショートカット機能を活用してみてください。

AutoCADの3D作図に関するよくある質問

AutoCADの3D作図について、初心者が疑問に思うポイントをよくある質問として整理しました。
初心者がAutoCADのどんなポイントに悩んでいるのか、参考にしてみてください。

AutoCADで扱う3Dデータのファイル形式・拡張子は何?
AutoCADでは一般的に「DWG」が用いられています。
ほかにもIGES、STEP、PARASOLID、SAT、JT、VDAといった複数の3Dデータ拡張子に対応しているため、他ソフトで作成された3Dモデルの読み込みも可能です。
AutoCADを3D表示するためにはどこを操作すればいいの?
AutoCADの3D作図は、画面下に表示されている歯車マークから実施できます。
一般的な2D作図の画面から3D作図の画面に切り替え可能です。

AutoCAD3D作図についてのまとめ

今回はAutoCADの3D作図の操作方法とコツを紹介しました。
RevitといったBIMソフトの登場により、AutoCADの3D作図は使いにくいといわれるようになりましたが、現在でも人気のあるCADソフトです。
業務活用も可能なので、ぜひ3D作図をマスターしましょう。

ただ、AutoCADを利用者の中には、3D作図の操作が不安な人もいるでしょう。それならまずはAutoCADのセミナーを受講して、3D作図の機能の知識を集めてみてはいかがでしょうか。
豊富なAutoCADセミナーがあるので、ぜひセミナーをリサーチしてみてください。

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