CADソフトにはいくつかの種類がありますが、国内で人気の高いソフトの一つにJw_CADが挙げられます。Jw_CADが人気であるのにはいくつかの理由があるのですが、その一つにMacでも動作可能な点が挙げられます。
今回はJw_CADはMacで動かせるのかどうかや、Mac版の有無を解説していきます。
Jw_CADとは
Jw_CADは日本の開発者が提供している、フリーの2DCADソフトです。CADソフトの大半は有料のものが占めていますが、Jw_CADについては完全無料でフル機能を利用することができます。
3DCAD運用はできないものの、2Dの図面設計に必要な機能は一通り揃っており、2Dに限って言えば他の有料ソフトと変わらない活躍を期待できるソフトです。
2Dに限定されている分ソフトも軽量であり、迅速なダウンロード、および活用を進められるでしょう。
Jw_CADはMacで動かせる?
スペックについてもう一つ気になるポイントが、Jw_CADはMacで動作するのかどうかについてです。近年はWindowsだけでなくMacを導入する個人や法人が増加しており、CADソフトにもMacへの対応が進んできました。
結論から言うと、Jw_CADはMac版の提供があるものの、環境によっては動作しない可能性があることに注意が必要です。もともとJw_CADはWindowsでの運用を想定しているソフトであり、アップデートなどもWindows版を中心に行われてきました。Mac版についても存在こそしていますが、2023年11月現在ではアップデートが2016年で終了しており、最新のOSへの対応についてはサポートされていません。
そのため、MacでJw_CADを使用するには、方法としてはMac版のものをダウンロードするだけで良いのですが、ダウンロードしたものが正しく動くかどうかは別途確認が必要というのが現状です。
Jw_CADをMacで動かすメリット
Jw_CADはWindows版とMac版で動作環境が異なるソフトですが、Windows版よりも待遇が劣るMac版を使用するメリットとしてはどのようなものが考えられるのでしょうか。ポイントとしては
- マシンを買い替える必要がない
- 普段使いの環境でJw_CADを利用できる
- 無料でCADソフトを利用できる
の3点が挙げられるでしょう。まず、Jw_CADをMacで動かせる場合、CADソフトのためにわざわざWIndows機を購入するような手間を省くことができます。CADソフトのMac対応が進んでいるとはいえ、無料で使えるような製品はまだまだ数が限られているので、ありがたいメリットです。
また、Jw_CADをそのままMacで使うことができれば、Jw_CADのために新しい環境を構築する手間も省くことができます。WindowsとMacではOSの勝手が大きく異なるため、一つのOSに慣れ親しんでしまうと、片方のOSが使いづらいと感じることもあるでしょう。
一方でMac版を継続利用できるJw_CADであれば、不慣れなWindows機を利用する手間がなくなり、必要に応じてマシンを使い分ける手間もかからないので、業務効率化につながるでしょう。
また、Mac対応のCADソフトの中で完全無料で使用できるCADソフトはごくわずかであり、Jw_CADは貴重な選択肢の一つです。MacでJw_CADを動かすことができれば、CADソフトの導入コスト削減にも役立つでしょう。
Mac版Jw_CADのダウンロード方法
Jw_CADのMac版をダウンロードする際の手順は、至って簡単です。リンクサイトにアクセスして、最新バージョンのリンクをクリックするだけで、後は自動的にダウンロードが開始します。
ダウンロードが完了したら、そのままダウンロードしたファイルを展開し、アプリを起動しましょう。この際問題なくJw_CADを展開することができれば、利用準備は完了です。
Mac版Jw_CADが動かない時は
Jw_CADをMacにダウンロードしても正しく動作しない場合は、以下の原因が考えられます。それぞれのトラブルに対しての対処法を記しておきますが、必ずしも解決につながるとは限らない点には注意が必要です。
OSが非対応 | セキュリティソフトによるブロック | その他ソフトそのもののトラブル | |
対処法 | OSをダウングレードする | セキュリティソフトをオフにするか権限を変更する | ソフトを再インストールする |
OSが対応していない
Jw_CADのMac版を利用するにあたり、最もよくあるトラブルが導入OSとの互換性が失われている問題です。Jw_CADのMac版は2016年にリリースされているMac OS Sierra対応が最新となっており、Sierra以降のOSを使っている場合、起動しない場合があります。
ここ5年ほどでMacを導入した、あるいは最近アップデートを行ったという場合、Jw_CADが対応していない可能性が高いです。Jw_CADを利用するには、OSをダウングレードして対応バージョンに適応させる必要があるでしょう。
セキュリティソフトが起動を阻害している
PC搭載のセキュリティソフトがMac版Jw_CADの起動を阻害している可能性も考えられます。セキュリティソフトが原因で起動できない場合、信頼できないソフトであることが理由で展開できない旨がポップアップで表示されます。
その場合はセキュリティソフトを一時的に停止するか、Jw_CADに権限を与え、起動できるよう設定を変更しましょう。
正しくソフトをダウンロードできていない
ソフトが起動しない場合は、一時的にインターネット回線が切断されたなどの理由で、ダウンロードしたファイルが破損していることも考えられます。ダウンロードしたJw_CADを一度削除し、再度ダウンロード・展開を行ってみるのも有効です。
Jw_CADの強み
Jw_CADが高く評価されている理由には、主に以下の導入メリットが挙げられます。
組織的な導入を無料で実現できる
Jw_CADは無料で使える2DCADソフトですが、無料であることは個人利用はもちろん、法人利用の場合でもありがたいメリットです。CADソフトの多くは有料であり、いずれも高価なサービスであるため、複数ライセンスを取得するとなると、膨大な初期費用や継続的なライセンスコストがかかってしまいます。
一方でJw_CADであれば何台でも無料で導入ができるため、有料ソフトを導入する場合と比べて圧倒的にコストパフォーマンスは小さく抑えられます。
予算の都合でCADソフトを導入できないという事業者にとっては、ありがたいソフトです。
建築設計特化の機能が充実している
Jw_CADは、建築設計に特化した機能を備えているため特定領域での活躍が期待できる製品です。CADソフトにもいくつかの種類があり、Jw_CADは設備設計や土木インフラにはあまり適していないものの、建築設計においては有料ソフトと同等の活躍が期待できるでしょう。
他ソフトとの互換性を備えている
Jw_CADは他のCADソフトとの互換性も備えているので、すでに別のCADソフトを導入している場合でも安心して併用することができます。
複数のCADソフトを活用する場合はファイルに互換性がなく、共同作業が行えないというデメリットが出てきてしまう可能性もあるものですが、Jw_CADはDWGファイルやDXF、P21といった形式に対応し、展開・編集が可能です。
Jw_CADの主な機能
Jw_CADは単に無料であるから人気というわけではなく、有料ソフトに劣らない機能性を備えていることも評価されています。ここではJw_CADの主な機能について、解説します。
クロックメニュー
Jw_CADの代表的な機能として抑えておきたいのが、クロックメニューの存在です。クロックメニューはその名の通り、時計盤を模したようなデザインになっているショートカットツールで、クロックメニューを選択してマウスを使用し文字盤を操作することにより、感覚的にショートカットコマンドを呼び出すことができます。
クロックメニューには最初からショートカットコマンドが割り当てられているものの、コマンド割り当てについてはユーザーが自らカスタマイズすることもできるため、自分の作業環境に最適な形でコマンドを入力することも可能です。
2.5次元CAD
2.5次元CADとは、Jw_CADで描いた図面に対して擬似的に立体感を与え、図面の感覚的な理解を促せるツールです。通常、立体的図面作成のためには3Dモデリング機能を使用する必要がありますが、Jw_CADにはそのような機能は搭載されていません。
その代わり、Jw_CADでは2.5次元CADを使って立体感を付与することができます。2次元図面に奥行きや質感を与え、通常の2D図面では得られない表現をJw_CADでは可能です。
Mac版のJw_CADについてのまとめ
この記事では、Jw_CADの特徴やMacで動作するのかどうか、そしてMacで動作しない時の対処法について解説しました。
Jw_CADはWindows向けに開発されたソフトですが、OSのバージョンさえ対応していればMac版を利用することができる製品です。ただ、利用に当たっては正しい動作がサポートされているわけではなく、最新OS対応はMac版では行われていないため、信頼性については有料ソフトには劣る点に注意しておきましょう。