facebook

【2024】Revitとは?価格や機能・基本知識を徹底解説

3Dを活用して建築設計やインフラ設計を行える「Revit」は、建築・土木設計のプロセスを効率化できるほか、アイデアを素早く形にできる便利なBIMソフトです。

しかし、現在利用している設計ソフトとRevitの違いが分からず、導入すべきか判断できないとお悩みではないでしょうか。それならぜひ、本記事で紹介するRevitの特徴を参考にしてみてください。

この記事では、Revitとは何なのか、他ソフトとの違いは何なのか、そして基本機能についてまとめました。BIM設計を行うなら、Revitが欠かせません。Revitの基礎知識を身に付けて、BIMプロジェクトに活用していきましょう。

Revitとは?

Revitとは?
出典:AutoDesk公式ページ

Revit(レビット)とは、建築・土木設計を2D・3Dで作図できるBIMソフトのことです。
まずはRevitがどのようなソフトなのか、詳しい概要を紹介します。

建築・土木業界で使えるBIMソフト

Revitは、設計・施工ソフトを提供する「オートデスク株式会社」が開発したソフトです。

2Dの図面を作成して設計図をまとめるのが一般的だった従来のCADソフトとは異なり、3Dのモデルを手軽に作成でき、平面図や立面図、断面図等を自動で出力できます。

また、Revitを活用すれば、建築物・建設物を含むモデリングやプロジェクト、チーム連携等をまとめて管理できるのが魅力です。設計したモデルには属性情報を付与できるほか、各種モデルに寸法情報が与えられているため、数量表や集計表の作成を自動化できます。

Revit LTとの違い

Revit LTとの違い
出典:AutoDesk公式ページ

Revitとは別に「Revit LT」というソフトが提供されているとご存じでしょうか。
Revit LTは、個人設計事務所や高規模建築事務所を運営する企業向けに提供されているBIMソフトです。Revitとは次の違いがあります。

  • 機能が少ないため費用が安い
  • 設計およびドキュメント作成のみ利用できる
  • 構造モデリングに一部制限がある
  • MEPモデリングを行えない
  • 施工モデリングを行えない
  • コラボレーション・シミュレーションに制限がある

Revitに比べて対応できる範囲が狭いことから、一部の設計を担う企業向けのソフトです。
設計業務の検討・分析・管理などを網羅的に実施する場合にはRevit LTではなくRevitの導入が必要だと覚えておきましょう。

【2023】Revit LTとは?主な機能や他ソフトとの違いを分かりやすく解説

AutoCADとの違い

AutoCADとの違い
出典:AutoDesk公式ページ

Revitと比較すべきソフトとして、もうひとつオートデスク株式会社から提供されている「AutoCAD」があります。AutoCADとは、2D設計を行う際に利用するCADソフトのことです。1982年に提供が開始され、現在でも2D設計のメインソフトとして利用されています。

Revitとの大きな違いは、3D設計ができるか否かということです。
AutoCADでは一般的に3D設計が行えません。3Dモデリングできなくはないですが、2D用のソフトとなっています。

Revitの主な機能

Revitでできることとは?主要機能を紹介
出典:AutoDesk公式ページ

Revitは、建築・土木設計の3D設計に役立つBIMソフトです。
例えば、次のような主要機能が搭載されています。

  • 建築設計
  • プロジェクト管理・コラボレーション
  • ビジュアライゼーション
  • データ解析

これらのRevitでできることについて詳しく解説していきます。

建築設計

建築設計

Revitは、構造物・建築物の設計モデリングや、各種モデルに属性情報を付与しながら設計検討を行える「建築設計」の機能が搭載されています。

平面図や側面図、立面図といったデータを連携させながら図面を作成することにより、各図面の整合性を維持しながら設計できるのが魅力です。また、現況情報などをもつ点群データを読み込ませることによって、より現場状況に近い設計検討を実施できます。

作成した図面は3Dデザインビジュアライゼーションの機能を用いることによって、3Dモデルの表示も行えるため、建築設計のメインBIMソフトとして役立ちます。

プロジェクト管理・コラボレーション

Revitには、設計に関わる図面データ、ドキュメントデータ、数量データなどをまとめて管理できる「プロジェクト管理機能」が搭載されています。
また、管理するデータを複数人の関係者と共有できる「コラボレーション機能」が便利です。

各種データはオンライン上で紐づけられているため、誰かがデータに変更を加えたらリアルタイムで別の編集者のデータも自動で更新されます。離れた場所にいる人物とデータを共有できるので、意思疎通を図りながらチーム設計するプロジェクトで役立ちます。

ビジュアライゼーション

Revitは、設計ツールとしての機能だけでなく「ビジュアライゼーション」に優れたBIMソフトです。

2D図面を利用した場合、構造物・建築物の全体像をイメージしにくいのが問題でした。
一方、Revitを活用すれば、
3Dデータとして図面情報を素早く可視化できます。

作成した3Dモデルをレンダリングしてクオリティの高いビジュアルに変更できるため、プレゼンテーションの資料として活用可能です。また、AutoDesk360のシステムを利用することによって、出力した3DデータをRevitをもたない人にもデータを見てもらえます。

データ解析

データ解析

Revitには、別ソフトを用いて計算が必要だった「データ解析機能」が搭載されています。
例えば、以下に示す解析が可能です。

  • 配筋の自動配置
  • 構造物の構造解析
  • コンクリート補強解析

また解析したデータは数量集計表として自動算出されます。設計図書への自動図化も含め、作成と修正に時間のかかる解析業務を効率化できるのがポイントです。

Revitのライセンス価格はいくら?

Revitのライセンス価格は、その契約期間によって異なります。
各種ライセンス価格を表にまとめてみたので、契約したい期間によって価格を確認してみてください。

契約の種類 価格 6年間利用した場合の合計金額
1ヶ月契約 53,900円/月 3,880,800円
1年契約 427,900円/年 2,567,400円
3年契約 1,283,700円/3年 2,567,400円

上記からも分かるように、1年契約・3年契約の場合は各年の費用が変化しません。
一方、
1カ月契約の場合は、1年契約・3年契約と比べて価格の差が大きくなります。

お試しとして利用するのなら1ヶ月契約でも問題ありませんが、長期的な利用を検討しているのなら1年契約・3年契約を選択するのが良いでしょう。

Revitと他のソフトの価格を比較

Revitと同様の機能をもつBIMソフトおよび各種費用を整理しました。

BIMソフト名称 契約金額(月契約の場合)
Revit 53,900円/月
Archicad 31,667円/月
BLOOBE 650,000円(買い切りのみ)

上記からも分かるように、Revitは他ソフトに比べて費用が割高です。
ただし、他ソフトよりも広い範囲の業務に適用できることはもちろん、AutoDeskが提供する次のBIMソフトなどと連携できます。

  • Civil3D
  • Infraworks
  • Navisworks Manage など

また、各種AutoDesk製品をまとめて利用する必要があるのなら、Autodesk AEC Collection(AECC)を契約するのがおすすめです。建築・インフラ・施工に役立つ豊富なソフトをすべて利用できます。参考として、以下に各種契約料金を整理しました。

契約の種類 Revitの契約金額 AECCの契約金額
1ヶ月契約 53,900円/月 64,900円/月
1年契約 427,900円/年 522,500円/年
3年契約 1,283,700円/3年 1,567,500円/3年

ほとんどRevit単体の利用と価格が変わらないまま、十種類のBIMソフトを利用できます。
お得に利用したいなら、ぜひAECCを契約してみてください。

Revitの動作環境

Revitは毎年バージョンの更新が行われているので、動作環境も少しずつ変化しています。
そこで2023年7月現在における
最新バージョンのRevit2024の動作環境を以下に整理しました。

項目 内容
オペレーティングシステム 64 ビット版 Microsoft® Windows® 10 または Windows 11
CPUの種類
  • Intel® i-Series
  • Xeon®
  • AMD® Ryzen
  • Ryzen Threadripper PRO

(2.5 GHz 以上)
※最大 GHz の CPU を推奨

メモリ 16 GB の RAM
ビデオ ディスプレイの解像度
  • 最小:1280 x 1024、True Color 対応
  • 最大:超高解像度(4k)モニター
ビデオ アダプタ
  • 基本的なグラフィックス:24 ビット カラー対応のディスプレイ アダプタ
  • 高度なグラフィックス:Shader Model 5 搭載の DirectX® 11 対応グラフィックス カードおよび 4 GB 以上のビデオ メモリ
ディスク空き容量 30GBのディスク空き容量
ポインティング デバイス マイクロ ソフト互換マウス、または 3Dconnexion® 互換デバイス
.NET Framework .NET Framework バージョン 4.8 以降
ブラウザ Chrome、Edge、または Firefox
接続 インターネット接続(ライセンス登録および必須コンポーネントのダウンロードに必要)

動作環境ギリギリのスペックのPCを利用すると、バージョンアップ時に対応できなくなる恐れがあります。上記の動作環境は「Revitを操作できる最低限の条件」と理解し、なるべくハイスペックなPCを用いるのがおすすめです。

Revitの基本的な使い方

Revitの基本的な使い方

Revitは基本的に下記のような流れで使います。

  1. プロジェクトを新規作成する
  2. BIMモデルの作図をする
  3. レンダリングをする
  4. 設計図の作成完了

このように設計図を作成し、データを完成させます。
Revitのさらに詳しい使い方に関しては下記記事で詳しく解説しています。

【2023】Revitの使い方を分かりやすく解説!基本操作や独学方法も

Revitに関するよくある質問

Revitについて、まだよく分からない項目も多いのではないでしょうか。

最後に、Revitに関するよくある質問を5項目まとめました。
気になる項目をチェックし、Revitの不安を解消してみましょう。

Revitでサポートされている拡張子は何?

Revitでは「RVT、RFA、RTE、RFTDGN、DWF、DWG、DXF、IFC、SAT、SKPBMP、PNG、JPG、JPEG、TIFODBC、HTML、TXT、gbXML」の拡張子に対応しています。Revitの独自拡張子はもちろん、CADデータや画像・テキスト形式のデータ読み込みが可能です。
Revitの押さえておくべき問題点は何?

Revitは、建築設計に役立つ豊富な機能が搭載されたBIMソフトですが、多機能である分、ソフトの知識・技術がなければ、思うように操作できません。また、直感的な製図操作が少ないことも含め、従来のCADソフトと操作性に違いがあることに注意してください。

もし操作性や各種機能の知識を高めたいのなら、AutoDeskが提供するトレーニング教材等を利用するのがおすすめです。

AutoCADからRevitに移行しても大丈夫?

RevitおよびAutoCADは、それぞれオートデスク株式会社から提供されているソフトですので、拡張子の連携が可能です。

ただし、AutoCADで用いるDWGファイルがRevitに読み込まれないといったエラー・トラブルが発生しているため、事前確認を行った後に移行することをおすすめします。
もしプロジェクトの途中で移行を検討しているのなら、プロジェクト完了後のタイミングに移行するのがよいでしょう。

Revitの最新版はどれ?
2023年8月時点で、最新版としてRevit2024がリリースされています。

Revitについてまとめ

今回は、BIMソフト「Revit」の特徴や価格情報、動作環境といった基礎知識についてご紹介しました。

Revitは製図作業を効率化できるほか、3Dモデル作成など、現代の建築設計に欠かせないBIMソフトです。チームで共有しながらプロジェクトを管理できることから、設計・施工業務の効率化・生産性向上に役立ててみてはいかがでしょうか。

【2023】Revitとは?価格や機能・基本知識を徹底解説
最新情報をチェックしよう!