VRとは「バーチャルリアリティ」の略称で、「仮想現実」を意味します。自身が仮想空間に実際に存在するかのような深い没入感を提供する画期的なテクノロジーであり、新たなエンターテイメントの提供から社会課題の解決に至るまで、その使い方は多種多様です。
本記事では、VRの基本知識や分かりやすい使い方、人気のVRアプリケーションについて詳しく解説します。
本記事が、理想的なVRの使い方を発見する一助となれば幸いです。
まず「VR」とは?
VRは、最先端のコンピュータ技術を駆使して創り出される仮想の世界を表します。VRに対応したデバイスを使い、現実の世界とは異なる環境へと自身を没入させることができます。
専用のVR用デバイスはもちろん、皆さんがお持ちのスマホやPC等、様々なデバイスや使い方でVRを楽しむことが可能です。また、VRの活用範囲は多岐にわたり、ゲームや教育など、使い方は様々です。使い方次第で、VR体験は一段と深まり、その可能性は大きく拡がります。
VRゴーグルの種類別の基本的な使い方
VRをしたい時には、基本的にVRゴーグルを持っていなくてはなりません。そんなVRゴーグルの種類は大きく3つに分けられます。
ここでは、それぞれの使い方とメリット・デメリット、おすすめのモデルを紹介します。
- スマホ+スマホ用VRゴーグル
- スタンドアローン型VRゴーグル
- PC・ゲーム機+据え置き型VRゴーグル
スマホ+スマホ用VRゴーグル
最も安価なVRの体験方法です。スマホ専用のVRゴーグルを用意し、そのゴーグルにスマホをセットするだけで仮想空間を楽しむことができます。
ビギナーの方におすすめの使い方ですが、他の使い方と比較すると映像の精細さにやや欠ける等のデメリットも存在し、高度な使い方を求められる方にはあまり適していないかもしれません。
モデル名 | 特徴 | 価格帯 |
---|---|---|
Google Cardboard | 低価格で手軽に始められる | 1,000円 – 2,000円 |
エレコム VRゴーグル スタンダードタイプ |
スマートフォンのサイズに合わせて調整可能 | 2,500円 – 4,500円 |
Aesval VRゴーグル | 耐久性のある柔らかい素材で快適な着用感 | 3,000円 – 5,000円 |
スタンドアローン型VRゴーグル
他のデバイス(スマートフォンやPC、ゲーム機)との接続が不要で、ゴーグルのみでVRを楽しむことが可能な使い方です。日本でも知名度の高い「Meta Quest」は、スタンドアローン型VRゴーグルの一種です。
「スマホ+スマホ用VRゴーグル」よりも性能が高く豊かなVR体験を実現でき、後述の「据え置き型」よりもリーズナブルな価格で楽しめるため、バランスの取れた使い方です。
モデル名 | 特徴 | 価格帯 |
---|---|---|
Pico4 | 軽量で長時間の使用に適している (ストラップを除いて295グラム) |
40,000円 – 60,000円 |
Meta Quest 2 | ワイヤレスで独立したVR体験が可能、 高性能なハードウェアでコンテンツが豊富 |
50,000円 – 80,000円 |
HTC Vive Focus 3 | 法人のビジネス用途向けに開発されており、 ハイエンドなVR体験が可能 |
140,000円 – 180,000円 |
PC・ゲーム機+据え置き型VRゴーグル
PC接続型VRゴーグルとも呼ばれる据え置き型VRゴーグルは、PCやゲーム機と接続して使用します。高性能なハードウェアと連携することにより、非常に高画質かつ快適なVR体験を実現します。ゴーグルも高価なため、ビギナーの方にはあまり適していない使い方かもしれません。
モデル名 | 特徴 | 価格帯 |
---|---|---|
PlayStation VR2 | PlayStationゲーム機との互換性が高く、 綺麗なグラフィックでゲームや映像作品を観ることが可能 |
65,000円 – 75,000円 |
VIVE Cosmos Elite | 「ベースステーション」と呼ばれる装置を室内に設置することで、 ユーザーの位置を正確に認識することが可能。PC-VRゲーマー向け |
80,000円 – 120,000円 |
VIVE Pro Eye | 眼球の動きや焦点をトラックするアイトラッキング技術が搭載されていることで、眼球の動きや瞬きを認識することが可能 | 150,000円 – 200,000円 |
VRゴーグルのおすすめの使い方
ここまでVR体験に必要なデバイスと使い方についてご紹介しました。VRはさまざまな用途で楽しむことができ、特に以下の使い方は多くのユーザーから支持されています。
以下でご紹介するすべての使い方において、基本的にはVR対応アプリのダウンロードが必要です。例えば、遊びたいゲームアプリをスマホ / PC / スタンドアローン型VRゴーグルにアプリストアからダウンロードする必要があります。
ゲーム
現実世界では不可能な体験をリアルに感じることができる点が、VRゲームの大きな魅力です。特にアクションゲームやアドベンチャーゲームでは、プレイヤー自身が主人公となり、高い没入感をもって物語に身を投じることが可能です。
一人で楽しむだけでなく、オンラインを通じて世界中のプレイヤーと共に冒険を進めるなど、使い方を工夫することでさらなる楽しみ方が広がります。
動画視聴
VRを使った映画や音楽動画の視聴は、まるでその場にいるかのような圧倒的な臨場感を感じることができます。また、360度動画も魅力的な使い方の一つです。
視聴者自身がカメラアングルを選択し、見たい方向を自由に変えることが可能なため、一つの動画を何度でも新鮮な視点で楽しむことができます。VRならではのリフレッシュ時間としての使い方も人気を集めているようです。
SNS
従来の文字や画像、音声のみで展開されるコミュニケーションを超え、仮想空間ならではの交流を体験することができます。例えば、自身のアバターを作成し、VR空間で開催されるイベントに参加したり、他のユーザーと交流するなど、多様な使い方が可能です。
遠く離れた友人や家族、同僚と近くにいるかのように交流したり、共同作業を行ったり、社会課題の解決や生産性の向上に繋がるような使い方にも期待や注目が集まっています。
VRを簡単に使えるソフト・アプリ
本章では、人気のVRアプリをご紹介します。本章で取り扱うもの以外にも、技術の進歩やVR市場の拡大により日々様々なアプリが登場しています。趣味嗜好や解決したい課題に応じたアプリの発見・選択・使い方により、より豊かで楽しい生活の実現に繋がるでしょう。
Beat Saber
「Beat Saber」は音楽とアクションを組み合わせた、全身を使ったVR体験が可能なゲームです。リズムに合わせて刀を振るという直感的な使い方で、まるで実際に音楽と対話しているかのような没入感を体験できます。運動不足の解消等を目的とした使い方も人気を集めています。
バイオハザード4
「バイオハザード4」は、VRの高い没入感を最大限に活かした、一人称視点で進行するホラーゲームです。VR酔いにも配慮した機能も実装されており、Best VR/AR部門のGame Awards 2021を受賞しています。ストレス発散を目的とした使い方も人気があるようです。
Youtube VR
「YouTube VR」は、360度のパノラマ映像をVR空間で視聴することができるアプリです。映像の中に立って周囲を見渡すという、新たな動画視聴の使い方により、視覚的な情報量が増加し、一段とリアルな新しい体験が可能となります。
VR動画によって視聴者に強く働きかけることができるため、強力なマーケティングツールとしての使い方も注目を集めています。
Netflix VR
「Netflix VR」は、映画やドラマを自分だけのプライベートシアターで鑑賞するという、VRならではの使い方を可能にするアプリです。これにより、劇場にいるかのような視覚体験が実現され、映像の世界に深く没入することができます。
自宅にいながらラグジュアリーな時間を過ごせることから、ストレス解消目的での使い方も人気なようです。
Facebook Spaces
「Facebook Spaces」は、VR空間内でアバターを通じてコミュニケーションをとることが可能なアプリです。音声やアバターの表情、ジェスチャーにより、従来のテキストベースのコミュニケーションよりも、より一層豊かな表現が可能となります。
また、仮想空間での会話はリアルタイムに行われ、より直感的なコミュニケーションを可能にします。Messenger等との連携により、Meta社ならではの価値・使い方を提供しています。プライベートでの利用はもちろん、仕事における生産性向上等を目的とした使い方も有効です。
VRChat
「VRChat」では、自分だけのアバターを作成し、世界中のユーザーとVR空間で交流することが可能です。言葉だけでなく、音声やボディランゲージを用いて意思疎通するという、新たなSNSを体験することができます。VR空間を自身で作成可能な点にも特徴があります。
使い方によってはVR空間での人々との交流が一層深まり、新しい所属コミュニティとして安心感を与えてくれるかもしれません。
VRゴーグルの使い方での注意点
VRは、我々に新たな体験と視点を提供する一方で、使い方によってはリスクも存在します。
ここでは、豊かで楽しいVRの使い方を実現するための注意点を取り上げます。
ゴーグルを長時間使用するのはやめよう
まず一つ目の注意点は、VRの長時間連続使用です。VRは非常に魅力的な体験を提供しますが、それゆえについ長時間使ってしまうことがあります。
しかしながら、頭部や眼に負担を与える可能性があるため、定期的な休憩を挟みつつ、適切な使い方を心掛けましょう。また、特にVRゲームでは、活動的な動きが求められることもあるため、適度な体調管理も必要です。
ライターの私自身も長時間(1〜2時間)のVR使用後、軽度の眼精疲労を感じ、休憩を取ることの重要性を痛感しました。定期的に適切な休息を取ることを心がけています。
VRゴーグルは画面酔いしやすい
VR使用時の画面酔いにも注意が必要です。VRは現実世界とは異なる視覚体験を提供しますが、その使い方によっては、ユーザーの平衡感覚を狂わせ、画面酔いを引き起こすことがあります。もし不快感を覚えた場合は、すぐにVRの使用を中止し、休息をとることが重要です。
画面酔いを軽減するためには、動きのスピードを緩やかにしたり、VR体験に慣れてくるまでの間は穏やかなコンテンツを選ぶことが有効です。
VRを使い始めた頃は私も画面酔いに悩まされましたが、VRゴーグルのリフレッシュレートを上げることで、酔いを軽減することができました。リフレッシュレートが高いほど画面の動きがより滑らかになり目や脳への負担を減らします。これによりVR酔いが起きにくくなるのです。
ただし、リフレッシュレートの設定可否や設定方法は、デバイスによって異なるため個別に確認が必要です。VR酔いに悩んでいる方は、この方法を試してみると良いかもしれません。
VRでの怪我に注意しよう
さらに、VR使用時は仮想空間に深く没入するため現実世界への認識が薄れ、使い方によっては周囲の物に衝突する危険性もあります。障害物の無い広い空間を確保するなど、安全な使い方に配慮することが重要です。
VRゴーグルの使い方についてまとめ
本記事を通じて、VRの魅力と体験のために必要なデバイス、主なVRの使い方についてご紹介しました。VRは、高い没入感や仮想空間と現実空間の相互作用、他者との仮想空間上の交流等を実現し、全く新たな体験を提供する革新的なテクノロジーです。
スマートフォンとスマホ用VRゴーグルのみを使用する手軽な使い方から、PCと据え置き型ゴーグルを有線接続した高度な使い方まで、様々な方法でVR体験を楽しむことができます。
VRはゲームや動画視聴、SNSなど多種多様な領域で展開されており、ご自身の趣味嗜好や解決したい課題に適したアプリやコンテンツ、使い方を発見することができるでしょう。
ただし、使い方によっては体調不良や怪我を招く可能性もありますので、適度な休憩や周囲の確認を怠らず、安全に楽しむことが重要です。
VRの世界は日々進化を続けており、新しいコンテンツや技術、使い方がこれから次々と登場することは間違いありません。是非この記事でVRの基本的な使い方をマスターし、VRを使ってより豊かで楽しい生活を実現しましょう。