「AutoCADに関連する資格を取得したいけど、どの資格を取得すれば良いかわからない」という方もいるのではないでしょうか。CAD関連の資格は様々で、それぞれの難易度や用途が異なるため、選ぶ際に悩む方も少なくありません。
そこで本記事では、AutoCADに関連する資格を難易度別に紹介。また、資格取得のメリットや勉強方法、おすすめのセミナーも紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
AutoCADの資格取得は難しい?
AutoCADの資格取得は、目指す資格の種類やスキルレベルによって難易度が異なります。
初級レベルの資格であれば基本的な操作や機能を理解していれば合格可能ですが、中・上級レベルの資格や専門的な内容を含む資格では、実務経験や深い知識が求められることもあります。
ただし、多くの資格は独学でも十分挑戦可能です。公式の参考書やセミナー、練習問題を活用すれば効率的に学習を進められます。資格によっては試験範囲が明確に示されているため、学習するべき内容を絞り込め対策もしやすいでしょう。
AutoCADの利用方法については以下の記事を参照ください。
AutoCAD資格を取得するメリット
AutoCAD資格を取得するメリットは以下の3点です。
- 知識やスキルの証明になる
- 就職・転職活動で有利になる
- 資格の勉強を通して知識が身に付く
メリット①知識やスキルの証明になる
AutoCAD資格を取得するメリットは、自分の知識やスキルを第三者に証明できる点です。資格を取得するにはAutoCADの知識やスキル、操作など理解しておく必要があります。
例えば、CADの実務経験が浅い場合でも、資格を持っていればスキルがあることを証明できます。クライアントなどと仕事をする際に、スキルを求められる場面で資格を持っていれば安心感を与えられるでしょう。
メリット②就職・転職活動で有利になる
AutoCAD資格は、就職や転職活動で有利になります。特に、建築、製造、インテリアデザインなど、CADスキルが必要とされる職種では、資格を持っていることで他の応募者と差別化できるからです。
例えば、採用担当者に対して「自分はAutoCADの操作ができます」とアピール言っても、面接官は自分がどのレベルまでCADソフトを扱えるかはわかりません。ですが、資格を取得しておくことである程度のスキルや知識があることを証明できます。
メリット③資格の勉強を通して知識が身に付く
資格取得を目指す過程で、実際の仕事に役立つ知識やスキルを効率よく学べるのもメリットです。
資格試験の勉強ではAutoCADの操作だけでなく、あまり使う機会がない機能や効率的な作業方法を学ぶことができます。実務での課題解決力や設計効率が向上するだけでなく、自分自身のスキル向上にもつながるのです。また、試験勉強で得た知識はすぐに実務に応用できるため、学びが無駄になることはありません。
資格の勉強は取得をゴールではなく、学習のステップと考えましょう。
AutoCADの資格が生かせる業種
AutoCADの資格は、主に設計や図面作成を必要とする以下の業種で活かすことができます。
業種 | 特徴 |
建設業界 | 建築基準法に基づいた正確な図面作成が求められるため、資格はスキルの証明として有効 |
製造業界 | 機械部品や製品設計における詳細な図面作成が必要 |
インテリア・デザイン業界 | 家具や室内空間の設計、レイアウトの提案において、AutoCADの資格は必要になる |
土木・設備業界 | 道路や橋梁の設計、配管や電気設備の設計で、正確な図面が求められる |
上記の業界では資格を持つことで就職や業務が有利になるだけでなく、業務の幅を広げることも可能になります。
AutoCADに関連する資格を難易度別に紹介
資格名 | 取得難易度 | 資格階級 | 概要 |
CAD利用技術者試験 | 易しい |
|
CADソフトを利用して設計や製図業務を行うために必要な知識と技能を評価する試験 |
建築CAD検定試験 | 普通 |
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建設業界でのCAD利用に特化した資格試験 |
オートデスク認定資格プログラム | 普通 |
|
AutoCADを開発したAutodesk社が開催する国際的な資格 |
Vectorworks操作技能認定試験 | 普通 |
|
Vectorworksソフトウェアの操作スキルを証明できる資格 |
3次元設計能力検定試験 | 普通 |
|
3DCADを使用した設計業務の知識があることを証明できる試験 |
CADデザインマスター | 難しい |
|
設計やデザイン分野での総合的なスキルを評価する資格 |
CAD実務キャリア認定制度 | 難しい |
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日本CAD協会が実施する認定資格制度 |
機械・プラント製図技能士 | 難しい |
|
厚生労働省が実施する機械設計やプラント設計における製図業務に必要な資格 |
①難易度易しい CAD利用技術者試験
CAD利用技術者試験は、CADに関連する資格の中でも認知度の高い資格で2級、準1級、1級と難易度が分かれています。
2級では基本的な操作や知識が求められる一方、1級では設計図面の作成や実務的な応用スキルが試されます。CAD利用技術者試験はAutoCADに限らず多くのCADソフトに対応しており、建築、製造、土木など幅広い分野で活用可能です。難易度は比較的易しいため、初心者がまず挑戦するのに適した資格と言えるでしょう。
②難易度普通 建築CAD検定試験
建築CAD検定試験は建築図面の作成スキルを評価する資格で、4級から1級まで分かれています。4級は高校生のみ受験可能で基本は3級からの受験です。
特に建築基準法に基づく正確な図面作成や設計能力が求められる1級は難易度が高いですが、取得している人も少ないため取得できればスキルが高いことを証明できるでしょう。
試験内容は主にAutoCADや他の建築向けCADソフトを使用した実技試験が中心で、建築業界での就職などに直結する資格です。
③難易度普通 オートデスク認定資格プログラム
オートデスク認定資格プログラムは、AutoCADを開発したAutodesk社が開催する国際的な資格です。基本操作を認定する「AutoCADユーザー試験」と、実務レベルのスキルを証明する「AutoCADユーザープロフェッショナル試験」があり、難易度が明確に分かれています。
特にプロフェッショナル試験は、企業が信頼できる人材を評価する際の基準となるため、世界中で通用するスキル証明として活用されています。
④難易度普通 3次元設計能力検定試験
3次元設計能力検定試験は3Dモデリングスキルを評価する資格で、建築や製造業において需要があります。試験の種類は「3次元CADコース」「図面作成コース」「プロ設計者コース」があり、AutoCADを含む3DCADソフトの操作スキルが試されます。
試験内容には、3Dモデリング、アセンブリ、図面生成が含まれ、実務に直結した内容となっています。
⑤難易度普通 Vectorworks操作技能認定試験
Vectorworks操作技能認定試験は、AutoCADとは異なるCADソフト「Vectorworks」のスキルを証明する資格ですが、設計や建築分野で併用される場合も多いため、両方のスキルを持つことで強みになります。
試験では、2D図面の作成から3Dモデリングまでの操作能力が評価され、難易度はそこまで高くありません。特に建築やインテリアデザインの分野での実用性が高く、スキルアップに役立つ資格です。
⑥難易度普通難しい CADデザインマスター
CADデザインマスターは、設計やデザイン分野での総合的なスキルを評価する資格です。試験では、AutoCADを含むCADソフトの高度な機能を使いこなし、効率的に設計を行う能力が求められます。
難易度は非常に高く、実務経験や深い設計知識が必要です。そのため、CADデザインマスターを取得できればデザインや設計プロジェクトなどのリーダーとして活躍できる可能性が広がるでしょう。
⑦難易度普通難しい CAD実務キャリア認定制度
CAD実務キャリア認定制度は実務で役立つCADスキルを評価する資格で、実践的な知識と操作技術を試験します。
設計図面の正確さや効率的な作業フローを構築する能力が求められるため、実務経験があると有利です。3次元CADトレーサー、3次元CADアドミニストレーター、CADアドミニストレーターの3種類があり、どのコースも実務試験で難易度は高めです。
⑧難易度普通難しい 機械・プラント製図技能士
機械・プラント製図技能士は、製造業やプラント設計分野において必須となる製図スキルを評価する国家資格です。
3級・2級・1級・特級があり、3級と2級では基本的な製図能力、1級では複雑な設計図面の作成や詳細設計能力、特級は管理者または監督者が通常有すべき技能が必要です。特に特級は難易度が高く、AutoCADの他にも手書き製図の知識が必要な場合があります。製造業やエンジニアリング分野での専門性をアピールできます。
AutoCADの資格に関する勉強方法
AutoCADの資格を勉強する際の方法について以下3つ紹介します。
- 参考書やテキストを使用する
- 公式動画を活用する
- セミナーを受講する
参考書やテキストを使用する
参考書やテキストを使用した学習は、自分のペースで進められることがメリットです。AutoCADは人気のCADソフトであるため、AutoCADの基本操作を詳しく解説する書籍が豊富にあり、基礎から応用まで体系的に学べます。
しかし、操作を実際に試す際に時間がかかることや独学では間違った理解に気づきにくい点が挙げられます。また、最新のソフトウェアバージョンに対応していない場合もあるため、選ぶ教材には注意が必要です。
ここではおすすめの参考本を2つ紹介します。
はじめて学ぶAutoCAD 2025 作図・操作ガイド
引用:Amazon
「はじめて学ぶAutoCAD 2025 作図・操作ガイド」はAutoCADをこれから学習する方向けで、作図の基本操作を無理なく習得できるように構成されています。まずは線や円の描き方から、図形の編集、オブジェクトスナップやズーム機能、画層など作図を楽にする補助機能を順を追って覚えます。
また、練習問題や平面図作成例を通じて、覚えた機能を組み合わせた描画に挑戦できます。初心者向けのスクールでも採用されている1冊です。
AutoCAD 2025 操作の基本(総集編):みんなにやさしいCADの超入門書
引用:Amazon
「AutoCAD 2025 操作の基本(総集編):みんなにやさしいCADの超入門書」は、AutoCADをこれから学びたい方や実務で使用している方に向け、わかりやすく解説した入門書です。学習者のニーズに合わせて、タブレットやスマホを活用して学びたい方向けにAmazon Kindle版の電子書籍、紙の本で手元で練習したい方向けにペーパーバックもあります。
本書の特徴は実務で役立つ機能を厳選し、初心者でも理解しやすい丁寧な説明と豊富な練習問題で実践的な操作が身につく点だと言えるでしょう。
以下の記事ではおすすめの本を詳しく紹介していますので、併せてご覧ください。
公式動画を活用する
引用:Autodesk
Autodesk社が提供する公式動画は、実際の画面操作を見ながら学べます。インターフェイスの使い方や実践的な図面作成のプロセスを視覚的に学べるのが大きなメリットです。また、無料で利用できることも魅力と言えるでしょう。
ただし、基本的な操作の動画が多く中・上級者には少し物足りないと感じることも。理解度を深めるためには、自分で操作を繰り返す時間を確保することが必要です。
セミナーを受講する
セミナーを受講すれば専門家から直接指導を受けられるため、疑問点をすぐに解消できるのがメリットです。特に、AutoCADの実践的な活用法や資格試験の攻略ポイントを学べるセミナーは、試験対策だけでなく実務にも役立つでしょう。
ここではProskilllが運営するセミナー「AutoCAD自動化セミナー」を紹介します。
AutoCAD自動化セミナー
Proskilllが運営する「AutoCAD自動化セミナー」は未経験でも2日間でAutoCAD自動化について理解することができます。AutoCADの操作スキルだけでなく、業務の効率化に重点を置いた内容で本記事では紹介した資格の取得にも役立つ内容です。
受講形式は会場受講とライブウェビナーが選べるため、全国どこに住んでいても受講が可能です。詳しくは以下の表を参照ください。
受講形式 |
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料金(2日間) | 38,500円(税込) |
持ち物 | 特になし |
講義内容 |
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会場住所 | 東京都千代田区内神田3-18-2 アドミラル神田ビル4階 |
AutoCADを基礎から学びたい方にはAutoCAD基礎セミナー講習をおすすめします。
こちらのセミナーは、2日間でAutoCADの基本操作や初期設定からはじまって、オブジェクトの作成、選択、編集から図面の使い方、データの管理や活用の方法といったところまで幅広く知識を習得できるカリキュラムとなっております。
AutoCADの資格に関するよくある質問
ここではAutoCADの資格に関するよくある質問についてまとめています。
AutoCADの資格についてのまとめ
AutoCADの資格を取得することで実務での知識やスキルを証明でき、就職や転職活動において有利になります。AutoCADに関連する資格は数も多く難易度もさまざまなものがあるため、自分の目指す分野に応じて適切な資格を選ぶことが重要です。
本記事を参考にAutoCADに関連する資格の取得を目指してください。
また、紹介したセミナーでは短期間で実務レベルまでAutoCADを自動化できるスキルが身につきます。ぜひ、受講を検討してみてください。