AutoCADを無料で導入できると耳にした人もいるでしょう。
高性能かつ豊富な機能を搭載したCADソフトを無料で利用できれば、業務コストを大幅に抑えられます。では、無料というのは事実なのでしょうか。
そこでこの記事では、「AutoCADは無料で使えるのか」をわかりやすくまとめました。
また、無料で使える条件や契約時の価格、お得に購入する方法も解説しているので、AutoCAD導入の参考にしてみてください。
AutoCADは無料で使えるの?
結論として、AutoCADは無料でずっとは利用できません。
AutoCADを含むAutodesk製品は、2016年よりサブスクリプション契約を提供しており、製品利用のために月額費用、年額費用の支払いが必要です。
中でも、一般企業や個人建築会社など商用として用いる場合には、必ずサブスクリプション契約を結ぶ必要があります。ただし、一部条件にあてはまる場合にはAutoCADを無料で利用できるのも事実です。
そこで「無料で使い続ける方法」「ライセンスの価格」「AutoCADと互換性のあるフリーソフト」も含めて詳しく紹介します。AutoCADの無料条件や金額を知る参考にしてみてください。
また、AutoCADの概要から学びたいという方は、以下の記事がおすすめです。
AutoCADの特徴や導入事例を詳しく解説しています。
AutoCADを無料で使い続ける方法
AutoCADを無料で使いたい方は、以下の条件にあてはまるか確認してみてください。
- 1ヶ月の無料体験版を利用する
- AutoCADの学生版を利用する
1ヶ月の無料体験版を利用する
AutoCADには、1ヶ月間の無料体験期間が設けられています。
誰でも無料体験期間を利用できるのはもちろん、機能をフルセットで利用できるのが特徴です。
ただし、1ヶ月無料体験版はきっちり1ヶ月間だけ無料です。
1ヶ月以上使い続けることができないのはもちろん、何度も繰り返して利用できません。
無料体験期間の申し込みには電話番号による登録が必要であるため、1人で複数契約するのも難しいと覚えておきましょう。
AutoCADの学生版を利用する
もし教員・学生など、教育機関に従事しているのなら、Autodeskが提供する学生版の契約プランを利用しましょう。
学生版は、Autodesk製品すべてを1年間無料で契約できるお得なプランです。
また、教育機関に従事している間は何度でも契約を更新できます。
学生としてAutoCADのスキルアップを目指している、教員として授業や研究に使いたいのなら、ぜひ無料の学生版を契約してみてください。
AutoCADの最新契約方法と価格
企業や個人としてAutoCADを利用する場合には、有料で利用しなければなりません。
AutoCADの最新契約方法や価格情報を整理しました。
AutoCAD契約の参考にしてみてください。
AutoCADはサブスクリプションとして契約できる
AutoCADは毎月・毎年の支払いを行う「サブスクリプション」が採用されています。
指定口座から料金が自動で引き落とされるため、継続的に費用がかかると覚えておきましょう。
ちなみに、サブスクリプション契約がスタートした2016年以前は、買い切り型の永久ライセンスも販売されていました。現在は永久ライセンスの契約プランが消滅し、サブスクリプションのみで提供されているので以前との購入の違いにお気を付けください。
弊社ではソフトウェア製品の新規販売を、永久ライセンスの提供から期間限定ライセンスの提供へと段階的に移行する予定です。
この移行の第1段階として、2016年2月1日以降、特定のソフトウェア製品における最新版の提供は利用期間に応じたお支払いができるDesktop Subscriptionでのみのご提供となり、対象となる製品の永久ライセンスの新規販売は終了いたします。
引用:Autodesk
AutoCADの価格は月額制・年額制から選べる
参考として、AutoCADの価格を以下に整理しました。
契約期間 | AutoCADの契約価格 |
1ヶ月契約 | 8,800円/月 |
1年契約 | 71,500円/年 |
3年契約 | 214,500円/3年 |
上記からもわかるように、AutoCADでは「1ヶ月」「1年」「3年」の3タイプから契約方法を選べます。1ヶ月の料金に対し、1年、3年の契約はどちらも1ヶ月あたりの単価が安いのが特徴です。
少しでもお得に利用したい、長期的な利用を考えているとお考えなら、年間契約をおすすめします。
複数のAutodesk製品を使うならAECCがおすすめ
将来的にCADソフトだけでなくBIMソフトの導入も検討しているのなら、以下のソフトがパッケージ化された「AECC(Autodesk Architecture, Engineering & Construction Collection)」を導入してみてください。
- Revit
- Civil3D
- AutoCAD
- Navisworks Manage
参考に価格表を整理しました。
契約期間 | AECCの契約価格 |
1ヶ月契約 | 64,900円/月 |
1年契約 | 522,500円/年 |
3年契約 | 1,567,500円/3年 |
通常、複数のライセンスを個別で契約すると、月額10万円近くになってしまいます。
一方、パッケージプランとして契約することにより、大幅に費用を抑えられるのがAECCの魅力です。
Autodesk製品の費用を見比べて、単体契約・パッケージプランの利用のどちらが良いか検討してみてください。
AutoCADの価格や契約ライセンスの情報をより詳しく知りたい方は、以下の記事がおすすめです。契約後のライセンス確認方法や導入スペックもまとめています。
AutoCADは永久ライセンスとして購入できるの?
2016年以前まで提供されていたAutoCADの永久ライセンスを今でも購入できると聞いた人もいるでしょう。ここでは、その答えと料金、永久ライセンスを利用するリスクについて解説します。
AutoCADの永久ライセンスは中古版も販売されている
AutoCADの永久ライセンスは、フリマアプリやオークションサイトで「中古版」として販売されています。
すでにAutodeskおよび代理店からの販売ではなく、永久ライセンスを所有する個人が販売している状況です。そのため、価格も出品物によって大きく異なります。
永久ライセンスを中古として購入できますが、個人間のやり取りであるためトラブルが起きた際の保証が利かないことに注意してください。
AutoCADの中古版を購入するリスク
AutoCAD中古版を購入することには、次のリスクがあります。
- Autodeskからのサポートを受けられない
- 最新機能を利用できない
- 購入したソフトが壊れていても保証がない
永久ライセンスの保守プランも2021年で終了しているため、完全にサポートから切り離されている状態です。安く購入できるほか、永続的に操作できる永久ライセンスですが、業務向けではないと覚えておきましょう。
AutoCADと互換性のある便利なフリーソフト
中には、CADソフト導入の目的がAutoCADではなく、AutoCADで利用できる拡張子だという方もいるでしょう。それなら、無理にAutoCADを導入するのではなく、無料で利用できるCADのフリーソフトを利用するのもひとつの手段です。
参考として、AutoCADと互換性のある便利なフリーソフトを以下に整理しました。
無料で使えるCADソフトの名称 | 対応する拡張子 |
Root Pro CAD Free | DWG、DXF |
Solid Edge 2D Drafting | DWG、DXF |
QCAD | DWG、DXF |
AR_CAD | DXF |
LibreCAD | DXF |
ただし、無料のCADソフトであるため、機能性やサポート面に劣るのも事実です。
業務において作図や編集、チームでの共有を行いたいのなら、すべての機能が揃っているAutoCADを契約しましょう。
AutoCAD無料に関するよくある質問
最後に、AutoCADを無料で利用できることに対する、よくある質問を整理しました。
多くのユーザーが疑問に思うポイントです。無料利用の参考としてぜひチェックしてみてください。
同じソフトを何度も無料体験利用できるわけではないので注意してください。
1ヶ月間の無料体験期間が終了すると、ダウンロードしたソフト自体を操作できなくなります。
AutoCADの無料版についてまとめ
今回は「AutoCAD」を無料で利用できると聞いたことがある人向けに、本当に無料利用できるのか、無料利用するための条件とは、といった契約にかかわる情報を分かりやすく解説しました。
2024年現在、AutoCADは月額制・年額制で支払いが発生するサブスクリプション契約で提供されています。永久ライセンスの販売もAutodesk公式から提供されなくなっているので注意してください。
また、AutoCADの価格や無料利用以外にも、使い方や初歩的な知識をしっかり学びたい方も多いでしょう。それならまずはAutoCADのセミナーを受講して、AutoCADのノウハウを学んでみてはいかがでしょうか。気になるセミナーをリサーチしてみてください。
AutoCADでは、プログラミング言語やスクリプトを活用して操作を自動化することができます。業務をより効率的に進めたい方には、このAutoCAD自動化セミナーの受講をお勧めします。
自動化の知識を身につけることで、作業時間の短縮やミスの削減が期待できるでしょう。