AutoCADでテキストを入れることで、設計図や製図が見やすくなったりわかりやすくなったりします。
しかし、テキストに関する機能や装飾方法は多岐にわたるため、使い方に悩んでいる方もいるでしょう。
そこで、本記事では、AutoCADでのテキスト入力の基本から応用まで解説していきます。
AutoCADのテキスト入力について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
AutoCADのテキストとは
AutoCADのテキストは、図面に文字情報を追加する機能です。
設計図や製図に欠かせない要素として使われています。
また、テキストには主に2種類あり、一行テキストと段落テキストが挙げられます。
一行テキストは簡単な注釈や寸法表示、段落テキストは長文や複数行の説明文にそれぞれ使います。
また、AutoCADのテキストは、フォントやサイズ、色、スタイルなどを自由に設定することが可能です。
それぞれを調整することで、図面の見やすさや情報の伝わりやすさが格段に向上するでしょう。
AutoCADでテキストを入れるメリット
AutoCADでテキストを入れると、図面の質が大幅に向上します。
その主なメリットを見ていきましょう。
- 情報の明確化
- プロ仕様の仕上がり
- 編集の容易さ
- 標準化と一貫性
- 多言語対応
- 検索と参照の容易さ
- データ連携も可能
情報の明確化
図面に適切なテキストを追加すると、情報がクリアになります。
部品名や寸法、注意事項などを明記すれば、図面を見る人が迷わず内容を理解できます。
複雑な機械部品の図面でも、各部の名称を入れるとわかりやすくなり、作業効率アップにつながるでしょう。
プロ仕様の仕上がり
テキストを効果的に使うと、図面がプロが制作したような仕上がりになります。
たとえば、フォントやサイズを適切に選ぶと、見た目もきれいになります。
クライアントへのプレゼンテーションなどでも好印象を与えられるでしょう。
編集の容易さ
AutoCADのテキストは後からの修正が簡単であり、図面の変更が必要になっても編集をスムーズに行えます。
手書きと違って消しゴムは不要なので、スペルミスも一発で直すことが可能です。
こういった編集の簡単さは、締め切り間際の作業において重宝する要因でしょう。
標準化と一貫性
AutoCADでは、同じプロジェクト内で統一したテキストスタイルを使えます。
そのため、複数の図面間で一貫性を保つことが可能です。
大規模なプロジェクトで見た目の統一感をだせるため、共有にも苦労しないでしょう。
多言語対応
国際的なプロジェクトでは、言語の切り替えが必要になることがあります。
しかし、AutoCADのテキストであれば、簡単に多言語対応ができます。
日本語で作った図面を英語に変換するのも難しくありません。
検索と参照の容易さ
テキストを入れた図面は、後から特定の情報を探すのも容易です。
たとえば、「ボルト」という単語を検索すれば、ボルトに関連する部分へすぐにアクセスできます。
大規模な設計図であっても必要な情報をスムーズに見つけられ、時間の節約につながるでしょう。
データ連携も可能
AutoCADのテキストデータは他のソフトウェアとの連携も可能です。
たとえば、部品リストを表計算ソフトに簡単にエクスポートできます。
その結果、見積もりや在庫管理などの業務とスムーズに連携できます。
AutoCADでテキストを入れる手順
ここからは、AutoCADでテキストを入れる手順や編集方法を解説します。
①テキストコマンドの選択 | テキストコマンドを選ぶ。上部のリボンメニューから「注釈」タブを開き、「文字」グループがあるので、一行テキストか段落テキストを選ぶ。 |
②テキスト挿入位置の指定 | テキストを入れたい場所をクリックする。 |
③テキストの入力 | テキストの挿入位置をクリックすると、テキストボックスが表示される。 |
④テキストのスタイル設定 | 上部のリボンメニューに設定項目が並んでいる。図面の雰囲気に合わせて調整する。 |
⑤テキストの配置調整 | テキストを選択して、青い四角いハンドルをドラッグすると、大きさを変えられる。 |
⑥テキストの確定 | 入力と調整が終わったら、テキストボックスの外をクリックする。 |
⑦複数テキストの追加方法 | 他の場所にもテキストを入れたい場合は、同じ手順を繰り返す。 |
⑧テキストの編集方法 | 入れたテキストを修正したい場合は、そのテキストをダブルクリックし、編集する。 |
⑨テキストの整列方法 | 手順はテキストを選択して、上部メニューの「修正」タブから「整列」を選ぶ。 |
⑩テキストの保存方法 | 上部メニューの「ファイル」から「保存」を選ぶ。 |
1. テキストコマンドの選択
まずは、テキストコマンドを選びます。
上部のリボンメニューから「注釈」タブを開きましょう。
そこに「文字」グループがあるので、一行テキストか段落テキストを選びます。
一行テキストは短い文、段落テキストは長文向けです。
2. テキスト挿入位置の指定
次に、テキストを入れたい場所をクリックします。
図面上のどこでも構いません。
ただし、クリックした位置が文字の始点にななるため、慎重に選んでください。
後から移動もできますが、最初から適切な位置だと作業が楽になります。
3. テキストの入力
テキストの挿入位置をクリックすると、テキストボックスが表示されます。
ここに文字を入力していきます。
キーボードから直接入力できるので、スムーズに進められるでしょう。
4. テキストのスタイル設定
文字を入力したら、スタイルを整えます。
フォント、サイズ、色などを選べます。
上部のリボンメニューに設定項目が並んでいるので、図面の雰囲気に合わせて調整しましょう。
5. テキストの配置調整
テキストの位置やサイズは調整も可能です。
その際は、テキストを選択して、青い四角いハンドルをドラッグすると、大きさを変えられます。
また、テキスト全体をドラッグして移動もできます。
6. テキストの確定
入力と調整が終わったら、テキストボックスの外をクリックします。
これでテキストが確定されます。
図面上に文字が固定されますが、後からでも編集が可能です。
複数テキストの追加方法
他の場所にもテキストを入れたい場合は、同じ手順を繰り返します。
1から6の手順を必要な分だけ行いましょう。
テキストの編集方法
入れたテキストを修正したい場合は、そのテキストをダブルクリックします。
そうすると再びテキストボックスが開くので、文字の追加、削除などの変更をしていきます。
テキストの整列方法
複数のテキストを綺麗に並べたい場合は、整列機能を使います。
手順はテキストを選択して、上部メニューの「修正」タブから「整列」を選ぶ流れです。
テキストの保存方法
一通りの編集が終わったら忘れずに保存しましょう。
上部メニューの「ファイル」から「保存」を選びます。
入力した文字が消えないように、こまめな保存が大切です。
AutoCADでテキストを入れるコツ
AutoCADでテキストを入れるコツを押さえると、完成度が向上します。
ここでは、実践的なコツを紹介します。
- 適切なフォントの選択
- テキストスタイルの活用
- レイヤーの使い分け
- 整列と配置のテクニック
- 動的ブロックの活用
- マルチテキストの上手な使い方
- テキストマスクの活用
- スペルチェックの習慣化
- フォントとサイズの調整
- カラーリング
- 下線や取り消し線
- 背景色の設定
- テキストの回転や傾斜
- フィールドの挿入
- テキストへの枠線追加
適切なフォントの選択
フォントは図面の印象を大きく左右します。
一般的に、サンセリフ体が読みやすいとされており、具体的にはArial や Helvetica などがおすすめです。
和文なら、メイリオやヒラギノ角ゴシックが人気です。
なお、フォントサイズは、印刷時に読めるよう注意しましょう。
テキストスタイルの活用
テキストスタイルを作成すると、作業効率が格段に上がります。
タイトル用、本文用、注釈用など、用途別にスタイルを作っておくと便利です。
一度設定すれば、クリック1つで適用でき、時間の節約や図面全体の統一感にもつながります。
レイヤーの使い分け
図形とテキストを別レイヤーに配置すると管理が楽になります。
たとえば、テキストだけを非表示にしたり、一括編集したりできます。
これは大規模な図面作成で特に重宝するでしょう。
整列と配置のテクニック
テキストの配置は、見た目の美しさに直結します。
「整列」コマンドを使えば、複数のテキストを簡単に揃えられます。
また、「配置」コマンドで等間隔に並べることも可能です。
動的ブロックの活用
繰り返し使うテキストは、動的ブロックにしておくと便利です。
たとえば、部品番号や規格表示などが挙げられます。
それらの要素をブロック化しておけば、挿入も編集も簡単になるでしょう。
マルチテキストの上手な使い方
長文を入れる際は、マルチテキスト(Mtext)が便利です。
マルチテキストでは、段落や箇条書きを簡単に作れたり表を挿入したりできます。
この機能は、仕様書や注意事項など、詳細な説明が必要な場合に重宝するでしょう。
テキストマスクの活用
図形と文字が重なって読みにくい場合は、テキストマスクが役立ちます。
文字の背景を不透明にして、下の図形を隠すことが可能です。
これで、文字がクッキリと見えるようになり、読みやすさが向上します。
スペルチェックの習慣化
作業の最後はスペルチェックを忘れずに行いましょう。
AutoCADには内蔵のスペルチェック機能があるので、活用してミスを防いでください。
## AutoCADのテキストを装飾する方法
ここからは、AutoCADのテキストを装飾する方法を解説します。
フォントとサイズの調整
フォントとサイズを調整する際は、テキストをダブルクリックして編集モードに入りましょう。
変更したい部分を選択し、リボンメニューの「テキストエディタ」タブを開きます。
ここでフォントやサイズを自由に変更できます。
太字や斜体の設定も可能です。
カラーリング
カラーリングの際は、テキストを選択し、プロパティパレットを開きます。
その後、「色」プロパティから好みの色を選べます。
カスタム色も設定可能なので、見やすい色使いを意識しましょう。
下線や取り消し線
下線や取り消し線を設定するときは、テキストを編集モードにし、装飾したい部分を選択します。
そして、リボンメニューの「テキストエディタ」タブにある下線や取り消し線のアイコンをクリックするだけで適用されます。
背景色の設定
背景色は、プロパティパレットで「背景マスク」を「使用」に設定します。
さらに「背景マスクの色」で好みの色を選べば、テキストが際立つでしょう。
テキストの回転や傾斜
テキストの回転は、変更したいテキストを選択したときに表示されるグリップを使って行えます。
また、傾斜はプロパティパレットで数値を入力して調整することが可能です。
フィールドの挿入
フィールドを挿入する際は、テキストを編集モードにし、「挿入」タブから「フィールド」をクリックします。
日付や図面番号など、自動更新が必要な情報を簡単に挿入できます。
テキストへの枠線追加
テキストに枠線を追加するときは、プロパティパレットで「枠」を「あり」に設定するだけで、テキストを囲む枠線が表示されます。
枠線の間隔や色も自由に調整できるので設定してみましょう。
AutoCADのテキストについてまとめ
本記事では、AutoCADでのテキスト入力について詳しく見てきました。
基本的な入力方法から装飾テクニックなどを活用すれば、図面作成スキルが向上するでしょう。
最初は難しいと感じることがあっても、実践していくとスキルを習得できます。
本記事で紹介したテキスト入力に関して確認し、ぜひ図面作成に活かしてみてください。
