AutoCADを使いこなしたいなら、何度も練習を重ねることが重要です。
しかし、どのようにAutoCADを練習して良いのかイメージできないという人も多いでしょう。
そこでこの記事では、AutoCADの練習方法について詳しくまとめました。
土木・建築事業者向けの作図レッスンも掲載しているので、ぜひ練習を始めてみてください。
AutoCADの練習で必要なこと
AutoCADを練習してスキルアップを目指しているなら、あらかじめ計画を立てたうえで動き始めることが欠かせません。手探り状態で練習をする人もいますが、それだと膨大な時間がかかってしまうためです。
まずはAutoCADを効率よく練習したい人向けに抑えておきたい練習のポイントを紹介します。
使ったことがない機能にチャレンジする
AutoCADの練習では、なるべく使ったことがない機能に触れてみてください。
例えば、AutoCADの操作に慣れてくると、同じ機能ばかり使用して一部重要な機能をスルーしてしまう人がいます。ですが、使っていない機能のなかには、次のように今よりも作業を効率化できるものが含まれているかもしれません。
クセづきやすい操作 | 効率的な操作 | |
線を引く | 線分ツールを使って1本ずつ書き込む | ポリラインやオフセットを駆使して作図する |
曲線を描く | 円ツールを使ってからトリムで形を調整する | フィレットや曲線ツールを活用する |
人間だれしも新しいことに挑戦することには抵抗を感じます。
そのため、最初に覚えた操作だけに凝り固まってしまい、作図の手段が狭まってしまうという人も少なくありません。
よって、AutoCADの練習をする際には、まんべんなく業務と関わりのある機能に触れてみてください。さまざまな機能の使い方を覚えておくことにより、今よりも効率よく作図作業を進められるようになります。
実務に当てはめて練習をする
AutoCADの練習は、実務でよく使う図面などを活用しながら練習を進めましょう。
なぜなら、土木事業者が建築事業者向けの図面を使って練習をしても、それが自身の業種のどのような場面で活用できるのかイメージできないためです。実際に練習をしても「便利な機能があることはわかったけど、それが何の役に立つのか理解できなかった」となるかもしれません。
もしすでにAutoCADに触れる機会があり、完成した図面が手元にあるという人は、ぜひ実務で使う図面などを使いながらAutoCADの練習をしてみてください。
なお記事の後半では、土木事業者向け・建築事業者向けの作図レッスンを掲載しています。
同業種向けの図面を使ってAutoCADを練習したい人はぜひ参考にしてみてください。
新機能が登場するたびに練習する
AutoCADは毎年のようにバージョンアップが実施されており、その都度新たな機能などが追加されていくため、練習するベストなタイミングだと言えます。
AutoCADの作図を効率化できる新機能が搭載されることも多く、新機能を理解しておくことで今よりもさらにすばやく作図ができるようになるかもしれません。
なお、新機能の情報はAutoCADのホーム画面にも掲載されます。
追加機能の情報が掲載されたタイミングなどに練習をしてみてはいかがでしょうか。
もしAutoCAD初心者向けの練習やノウハウについて学びたい方は、以下の記事がおすすめです。基本操作や図面の書き方についてわかりやすく解説しています。
AutoCADを無料で練習する方法
AutoCADの練習を始めたいという方のなかには、なるべくお金をかけることなくスキルアップしたいと考える人も多いでしょう。参考として、無料で始められる練習方法を以下にまとめました。
- 国土交通省などの公開マニュアルなどを使って練習する
- ノウハウを発信しているWebサイトを見ながら練習する
- 動画配信サイトを見ながら練習する
上記の図面や作図ノウハウをチェックすることで、練習のヒントが見つかります。
また、本サイトではほかにもAutoCADの練習に役立つコンテンツを多数配信しています。
以下の記事ではAutoCADのチュートリアルを練習できるため、ぜひチェックしてみてください。
無料でAutoCADを学ぶことに限界を感じたらセミナー講習に参加しよう
AutoCADは無料で学ぶことができますが、それは普段から独学の習慣がある人だけです。
もし独学をするのが苦手な人やAutoCAD未経験の方が練習を始めても、次のような結果になるかもしれません。
- 時間をかけて練習をしたけれどスキルが身につかなかった
- 覚えた機能をどのように活用できるのかわからなかった
- わからないポイントが出てきて挫折した
もし、着実にAutoCADの練習を進めてスキルを身につけたいなら、プロの講師からAutoCADを学べるセミナー講習に参加するのがおすすめです。例えば「AutoCAD基礎セミナー講習」では、2日間という短期間で、AutoCADの基礎・応用知識を学べます。
会場受講はもちろん、ウェビナー、eラーニングにも対応しているため、無料の独学に限界を感じた人はぜひ参加を検討してみてください。
AutoCADの操作は自動化することで、業務の効率化が図れます。プログラミング言語やスクリプトを活用することで、繰り返し行う作業を自動化して時間の短縮ができるのが魅力です。
AutoCADの基本操作を習得したら自動化して業務を効率化してみてはいかがでしょうか。自動化の学習は「AutoCAD自動化セミナー」をおすすめいたします。
土木事業者向けのAutoCAD作図レッスン
土木事業者向けに、近畿地方整備局が公開している土木工事標準設計図集を利用し、河川設計でよく登場する「河川護岸天端コンクリート」の作図レッスンを紹介します。上画像で掲載した図面の作り方を説明しているので、ぜひ練習してみてください。
まずは参考図面を見ながら外観を作成していきましょう。
主に使う機能は次の通りです。
- 線分
- オフセット
- 延長・トリム
- ハッチング
まずは天端の部分から作成していきます。
線分ツールを利用して、コンクリート上面の水平部分、そして右側の垂直部分を作図してみてください。
次に天端の下面と斜め部分を作成します。
今回、参考の図面では「b=200」として設定し、修正タブのオフセット機能を使って、500mm(200mm+300mm)分をオフセットしておきます。
最後にオフセット下部分の交点から、天端上面までを線分ツールで結べば、天端部分の図面が完成します。なおはみ出た線は修正タブのトリムを使って削除できます。
続いて、護岸部分ですが今回は1:2.0の角度で勾配をつけたいと思います。
1:2.0勾配は200mm横に移動した場合、100mm下がるというイメージです。
そのため、線分ツールを使って下画像のように作図したうえで、天端から斜め向きの線を追加してみてください。
続いて護岸裏側の線については、護岸表面の線をオフセットするだけで簡単に作図できます。
この際、オフセット線が天端に接しないため、修正タブの延長ツールを使って下画像のように調整しましょう。
最後に見本の画像と同じようなデザインとするため、天端の一部に砕石模様を追加します。
線分ツールを使って形状を合わせたら、作図タブのハッチング機能を使って範囲内に模様を追加しましょう。
これで見本と同じ護岸天端コンクリートが完成しました。
条件によって形状が異なるため、寸法情報を変えながら作図を練習してみてください。
建築事業者向けのAutoCAD練習レッスン
建築事業者向けに国土交通省が公開している建築工事標準詳細図のなかから、上画像と同じトイレ施設における作図レッスンを紹介します。なお使う機能は次の通りです。
- 線分
- 曲線
- オフセット
- トリム
- フィレット
まずは見本の画像を見ながら、線分ツールやオフセットを使ってトイレの屋内壁を作成しましょう。壁厚は建物によって異なるため、今回は壁軸から片側25mmで線を引いています。
続いて、トイレの扉を作成します。
まずは扉を設置する範囲を決めるために修正タブのオフセットでドアの位置を調整しましょう。
続いて扉の形状を挿入します。
扉は入り口と同じサイズであるため、作図タブの線分ツール・曲線ツールを使い、見本を見ながら扇形の図を挿入してみてください。
最後にトイレ設備を追加しますが、トイレ設備はメーカーによってサイズが異なります。
一般的にはメーカーカタログなどをもとに作図をするため、今回はおおよその推定で配置決めをしてみてください。
以上で建築事業者向けのAutoCADの作図レッスンの完了です。
ほかにもさまざまな図面が公開されているので、複数の機能を使いながら練習してみてください。
AutoCADの練習についてよくある質問
AutoCADの練習についてお悩みの方向けに、よくある質問をまとめました。
AutoCADの練習についてまとめ
AutoCADの操作を覚えスキルアップしたいなら、積極的に練習を進めることが重要です。
無料で練習できるコンテンツが豊富にあるほか、動き方がわからないという方は、プロの講師からAutoCADのノウハウを学べるセミナー講習を利用できます。
AutoCADはバージョンアップとともに新機能が追加されていくため、今よりも効率よく操作をしたいと考えている方はぜひ練習を始めてみてください。