これからAutoCADを使い始める初心者の方も多いのではないでしょうか。
しかし、初めてAutoCADを操作するため、すべてが手探り状態だという人も多いでしょう。
そこでこの記事では、AutoCADの入門知識として初心者が覚えておきたいポイントをわかりやすくまとめました。基本コマンドや学習の方法も詳しく解説しているので、AutoCADの入門知識を知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
AutoCADを操作するなら入門知識が必要
初めてAutoCADに触れる人という人は、まず簡単な操作方法やよく使う機能(コマンド)など、次のような入門知識を抑えておくことが大切です。
- AutoCADの仕組み
- AutoCADを使う手順
- 基本コマンド
- 操作方法
なぜAutoCADを使うのかといった入門知識はもちろん、すべての業務にあてはまるAutoCADの利用手順、そして基本コマンドや学習方法を覚えておけば、その後の作業がスムーズ化します。
上記の項目についてひとつずつ解説しているので、ぜひAutoCADに入門したばかりの人は、気になる項目をチェックしてみてください。
入門者が覚えておくべきAutoCADの仕組み
入門者にまず覚えてほしいのが、AutoCADの仕組みです。
まず、AutoCADは2D・3Dの図面を作成する作図ソフトウェアであり、製品などを制作する前に必要な「設計」のために利用します。2DCADは紙やPDFに図面を出力することが目的であり、3DCADは、データをそのまま3D出力することなどに利用します。
またAutoCADは、dwgやdxfといったデータに情報を記録しながら設計業務を進めていきます。
図面にオブジェクト(線や円、数値情報など)を挿入したら保存し、時間をかけてひとつの図面をつくり上げていくのが主な仕組みです。
さらに入門者は、AutoCADの搭載されている「レイヤー」の仕組みを理解しておくことが欠かせません。オブジェクトなどを挿入する際には層(レイヤー)を分けられることから、次のように図面情報を自由に表示・非表示できるのが特徴です。
- メインのオブジェクトだけに触れられるようにする(フリーズ)
- 印刷の邪魔になるレイヤーを見えないようにする(非表示)
また線の太さや色をレイヤーごとに設定できるため、図面をより見やすくするのがレイヤーの便利な機能です。AutoCAD入門者は、ぜひ上記で説明した仕組みを念頭に、操作をスタートしてみてください。
入門者が覚えておくべきAutoCADの操作手順
初めてソフトを導入したAutoCAD入門者は、ソフトウェアを起動してから図面作成を終えるまでの手順を理解したうえで、操作をスタートすることが大切です。参考として、すべての業種にあてはまるAutoCADの操作手順をまとめました。
AutoCADを起動する
まずは自身のパソコン等に導入されているAutoCADの起動してください。
AutoCADはインストール時にデスクトップにショートカットアイコンが追加されるため、ダブルクリックしましょう。
なお、デスクトップにアイコンがないとお悩みの入門者は、パソコンのホーム画面を開き検索バーに「AutoCAD」と入力することでアイコンを探せます。
新規作成・既存ファイルを開くを選択する
AutoCADを起動したら、以下の2つの選択をしなければなりません。
- 新規作成
- 既存ファイルを開く
まず新規作成は、新しく図面を作成する場合に利用します。
新たに業務を開始する場合や、データを分けて作成する場合などは新作成を選ぶのが一般的です。
つづいて既存ファイルを開くは、保存していたdwg・dxfといったデータを開いて、追加で作図・修正をする場合に利用します。今回は、入門者向けですので、新規作成を選択しましょう。
作図・修正する
AutoCADを新規作成したら、実際に図面の作図・修正を進めていきます。
なお、図面を作成する際には、画面左下に表示されている「モデル空間」で対応するのが一般的です。
初期設定では新規作成をした後、モデル空間が開くように設定されているため、そのまま作図をして問題ありません。
ちなみに、作図や修正をする際には、AutoCADに搭載された基本コマンド(機能)を利用します。入門者がよく使う基本コマンドを後述しているので、あわせて参考にしてみてください。
印刷をする
AutoCADで図面を書きあげたら、データとして出力をするために印刷をします。
参考として、図面完成から印刷までの手順を以下にまとめました。
- レイアウト空間を開いて印刷したい図面をカスタムする(ビューポート)
- 印刷ボタンを押してプリンターやPDF出力を選択する
- 保存先を選んで出力する
なお、印刷をするレイアウトには、AutoCADに搭載されているテンプレートを挿入できます。
さまざまなデザインの図面枠が用意されているほか、自社用にテンプレートを科すまい図して流用することが可能です。「レイアウト空間>レイアウト>新規作成(プルダウン)>テンプレート」から反映ができるので、ぜひ利用してみてください。
また、より詳しく操作手順を学びたい入門者は、以下の記事がおすすめです。
AutoCAD入門者がよく使う基本コマンド
AutoCADを操作する際には、必ず基本コマンドと呼ばれる機能を利用します。
基本コマンドとは、上画像のような場所に表示されているアイコンのことであり、クリックをすることで使いたい操作を起動できる便利機能のことです。
しかし、AutoCADには100種類以上の基本コマンドが用意されているため、どの機能を使えばいいのかわからない入門者も多いのではないでしょうか。そこで、以下に入門者がよく使う基本コマンドをまとめました。
作図に関わる基本コマンド
作図コマンドは、オブジェクトを配置し、図面を作成する際に欠かせない重要な機能です。
以下に、入門者がよく使うコマンドと利用シーンをまとめました。
作図コマンド | 利用シーン |
線分・ポリライン | 図面に直線を引く |
円 | 円形を書く場合に用いる |
四角形 | 四方に囲まれた枠を書きたい場合に利用する |
ハッチング | 図形の必要な範囲を色づけする |
ほかにもさまざまな作図コマンドが用意されていますが、特に頻出するのが上記の4つです。
なかでも入門者の方は、線・円・四角を駆使することで、自身の好きな図面を描けるようになります。
修正に関わる基本コマンド
修正コマンドは、作図したオブジェクトを調整したり加筆したりする場合に利用する機能です。以下に、入門者が覚えておきたい便利なコマンドと利用シーンをまとめました。
修正コマンド | 利用シーン |
オフセット | 作図したオブジェクトに平行線を設けられる |
フィレット | 線と線の交点を丸く調整できる |
結合 | バラバラのオブジェクトをひとつにまとめる |
分解 | 四角形など線がまとまったオブジェクトをバラらにできる |
延長・トリム | はみ出した線や長さが足りない線を任意の長さに調整できる |
部分削除 | 線を任意の位置で分断できる |
上記の修正コマンドを活用すれば、細かな図面調整に対応できます。
作図とうまく組み合わせれば作業効率化を図れるため、入門者は上記の使い方を学び始めてみてください。
注釈に関わる基本コマンド
注釈コマンドは、作成した図面をわかりやすくするために欠かせない機能です。
以下に入門者がよく使う注釈コマンドを整理しました。
注釈コマンド | 利用シーン |
寸法記入 | 指定の位置間の長さを数値として表示できる(直線・直径など豊富な記入方法あり) |
引出線 | 矢印付きで位置の名称などを記入する |
表 | 図面の数量を掲載したい場合などに表を挿入する(作図ツールでつくる必要がない) |
なかでも寸法記入・引出線は、図面を作成するなかでよく利用します。
入門時点からよく利用するので、使い方を覚えておきましょう。
入門者におすすめのAutoCADの学習方法
AutoCADを始めたばかりの入門者のなかには、自身でAutoCADを学習したいと考える人も多いでしょう。参考として、効率よくAutoCAD入門者からランクアップする勉強を以下にまとめました。
- 参考書を購入して学習する
- 動画配信サイトを見て学ぶ
- 学習サイトを利用して入門知識を身につける
紹介した方法は、独学としてすぐに始められるものばかりです。
参考書を電子書籍として購入すれば、AutoCADの画面と横に並べがながら学習を進められるほか、動画配信サイト・学習サイトも同様の方法で学べます。
より詳しく勉強の方法について知りたい入門者は、以下の記事がおすすめです。
それぞれの学習方法の動き方も説明しているので、チェックしてみてください。
AutoCAD入門向けのセミナー講習もおすすめ
AutoCADの入門向けに学習を始めるながらセミナー講習に参加してみるのがおすすめです。セミナー講習では、講師が実際にAutoCADを操作している様子を見ながら操作方法や機能の使い方の練習ができます。
また、AutoCADのノウハウがまとめられている教材なども配布されているので、講習を受講した後の復習が可能です。しかし、豊富にあるセミナー講習のなかからどれに参加してよいのか選べない入門者も多いでしょう。
それならまずは「AutoCAD基礎セミナー講習」に参加してみてください。
2日間でAutoCADの基礎・応用を学べるため、入門者からすぐにランクアップできます。
AutoCADの操作の自動化して業務を効率化したいと考えている方は、プログラミング言語やスクリプトの活用した自動化を学ぶことをおすすめします。
「AutoCAD自動化セミナー」は、2日間で、図面作成や要素配置、表作成などを自動化したり、VBAとユーザーフォームを使った自動作図、複数ファイルの一括追加などの方法を学習することができます。
AutoCADの入門知識についてまとめ
AutoCADの勉強を始める入門者の方は、まずAutoCADの全容を把握したうえで学習を進めるのがおすすめです。何もわからない状態で勉強を始めても「結局、何の勉強だったのかわからない」と混乱してしまうかもしれません。
本記事のような入門知識を身につければ、次に何をしていいのか見えてきます。
学習方法も豊富に用意されているので、ぜひ今一度入門知識を読み返してみてください。