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【2024】ReCapとは?点群処理に使えるAutodesk製品の魅力や料金情報を解説

撮影した写真から3Dモデルを生成したい、測量データを点群として処理したいと考えている方は、Autodeskが提供しているReCapを導入するのがおすすめです。しかし、ReCapの概要を把握できていない方も多いでしょう。

そこでこの記事では、ReCapの製品概要や料金情報、主な機能をわかりやすくまとめました。
写真や測量データから3Dモデル・2D平面図を作成したいと考えている方は、ぜひ製品の魅力をチェックしてみてください。

ReCapとは

ReCapの概要

ReCapとは、エンジニア向けのソフトウェアを提供するAutodeskが開発したBIM製品です。
リアリティキャプチャや3Dスキャニングとして利用し、写真測量によるデータを3Dモデル化したり、レーザースキャンデータの点群処理ができたりと、現況地形の書き起こしに使えます。

また、ReCapは次の用途で利用するのが特徴です。

  • 撮影した写真から3Dモデルを書き起こして現地状況を疑似的に共有する
  • BIMソフトに読み込ませる現況地形を作成する

点群での出力はもちろん、メッシュデータに加工して出力できるのがReCapの魅力です。
ほかにも膨大な点群データを軽量に処理したうえで出力ができるため、設計検討の効率化にも役立ちます。

ReCapとReCap Photoとの違い

ReCapは点群処理やメッシュ生成などに対応できるReCap Proと、写真から3Dモデルを書き起こすReCap Photoという2種類のソフトウェアに分かれています。

まずReCap Proは、測量などをして、点群のデータを取得しておかなければデータ処理をできません。一方でReCap Photoは、撮影した写真から3Dモデルを生成できます。

以上より、外部に測量を委託している会社の場合はReCap、自社で測量をせずに点群や3Dモデルを作成したい場合にはReCap Photoを使うのが一般的です。ReCapを導入すると2つのソフトウェアがまとめてインストールされるので、用途に合わせてソフトを使い分けてみてください。

また、ReCapで処理したデータはAutodesk製品以外にもさまざまなBIMソフトで活用できます。
興味がある方は、以下の記事から気になるBIMソフトを探してみてください。

【2024】BIMソフトを徹底比較!価格や特徴を比較表で比べてみた

ReCapの料金情報

ReCapの料金
出典:Autodesk公式サイト

ReCapは、継続的な支払いを必要とするサブスクリプション形式、また1日単位でソフトウェアを利用するFlex形式で提供されています。以下にそれぞれの条件における料金情報をまとめました。

サブスクリプション Flex
仕組み 月、年単位で購入ができ、期間が長いほどお得になる トークン購入数が多いほど単価が下がる
料金体系 1ヶ月7,700円
1年60,500円
3年181,500円
年間100トークン42,900円
年間500トークン214,500円

例えばサブスクリプションの場合、1か月単位の契約と1年・3年単位の契約で、35%程度のトータルコストが変化します。もし1年以上の長期利用を検討している方は、契約期間が長いプランを選択するのがよいでしょう。

ReCap以外も導入にするならAECCがおすすめ

ReCapのみならず、Autodesk社が提供しているBIMソフトを導入する予定がある方は、AECCと呼ばれるセットプランを購入するのがおすすめです。例えば、AECCは次のソフトウェアをお得な料金でまとめて導入できます。

  • ReCap(点群処理・写真3Dモデル化)
  • Revit(3Dモデルの設計)
  • Civil3D(土木設計)
  • Infraworks(景観検討・プランニング)
  • AutoCAD Plus(2DCAD・3DCAD)
  • Navisworks Manage(干渉チェックや施工ステップ)
  • Insight(建物性能解析)
  • 3ds Max(3Dモデリング・アニメーション)
料金情報
1ヶ月 69,300円
1年 554,400円
3年 1,663,200円

導入したい製品にもよりますが、AECCを導入することで1年間のトータルコストを数十万~100万円程度抑えられる場合があります。あわせて導入したいソフトウェアが含まれている場合には、ぜひReCap単体ではなくAECCのプランを契約しましょう。

また上記のなかでも3Dモデリングや設計に利用できるRevitに興味がある方は、以下の記事をチェックしてみてください。単体でのライセンス価格やAutoCADとの違いを比較しています。

【2024】Revitの最新ライセンス価格はいくら?Revit LTやAutoCADとの比較も

ReCapの動作環境

ReCapは3Dモデルや数億点にもおよぶ点群を処理することから、ある程度ハイスペックなパソコンに導入しなければ読み込みや処理に時間がかかってしまいます。

参考として、以下にReCapで利用できる2つのソフトウェアの動作環境の情報を整理しました。

ReCap Pro ReCap Photo
OS Windows10(64bit)以降 Windows10(64bit)以降
CPU 2.0GHz以上の64bit(x64)プロセッサ 複数のi7またはIntel Xeonプロセッサ
メモリ 16GB 32GB
解像度 1600×1050以上
(True Color対応)
ディスプレイカード OpenGL 3.3 対応のワークステーションクラスのグラフィックスカード(1GB 以上のグラフィックス メモリを搭載) Nvidia GFX ビデオカード(1つまたは複数のNvidia Quadro M6000カード、Nvidia GeForce GTX 970 以降

上記の数値や条件は、Autodesk公式が提示している推奨値です。
もう少しスペックを下げた最小値のパソコンでも動作しますが、効率よく処理を進めたいなら、ぜひ上記の条件に合うハイスペックパソコンを用意しましょう。

ReCapの主な機能

ReCapをどのような目的で利用できるのか気になっている人向けに、主な機能を紹介します。
業務で利用する具体例も解説しているので、ぜひ参考にしてください。

点群データの読み込み・書き出し機能

ReCapの読み込みデータ

ReCapでは、以下に示す豊富な点群データファイルを読み込み、点群処理やメッシュ化が可能です。

  • las
  • e57
  • txt
  • xyz
  • cl3

なお上記のファイルは一例です。
座標として認識できるデータなら、豊富な種類がReCapに対応しているので、事前変換などの必要なく読み込ませられます。また、出力データとしては以下の4種類に対応しています。

  • e57
  • pts
  • rcpおよびrcs(ReCapのデータ保存形式)

測量したデータを3D化したい場合などには、一度ReCapを通すことで手早くAutodesk対応の形式へと変換できます。読み込んだデータは点群の間引きといったフィルタリングにも対応しているので、誤差や余計な点を減らした現況データの作成が可能です。

点群データのビューア機能

ビューア機能

ReCapでは読み込んだ点群データのビューア機能を利用できます。
参考として、ソフトウェア内で利用できるビューアの項目をまとめました。

  • 画面移動
  • オービット
  • 見回し
  • フライスルー

ビューアの項目

画面上でクルクルと回転・移動させながら点群データを閲覧できるのはもちろん、フライスルーという機能を使えばクリックしている間、紙飛行機のように3Dモデル内を移動できる機能が備わっています。

まるで現実のような3Dモデルを生成できることから、景観検討や現況地形(施設)の把握に役立つのがReCapの魅力です。出力前の確認にも使えるので、ビューア機能を業務に活用してみてください。

距離・範囲の計測機能

3Dモデルの計測

ReCapでは、読み込んで処理した3Dモデルの距離や範囲を手軽に計測できます。

表示されている3Dモデルの任意箇所をクリックするだけで簡単に長さや面積がわかるので、現地の状況把握として役立つでしょう。

例えば、現場では写真撮影や測量だけを済ませ、ReCapにデータを反映してから計測をするといった業務スタイルを確立できます。作業効率化にもつながるため、現地踏査・調査時に活用してみてはいかがでしょうか。

データ共有機能

クラウド共有機能

ReCapは、作成したデータをクラウドを通じて簡単に共有できるのが魅力です。

離れた場所で働いているチームメンバーにデータをすばやく届けられることはもちろん、ReCapを導入していない発注者や協力業者に閲覧データのリンクを提供するといった使い道があります。

オンラインで業務を進めることが増えた近年の設計スタイルに対応できるので、すばやいデータ共有をお求めなら、Recapの共有機能を活用してみてください。

ReCapと連携できるAutodesk製品

ReCapは単体利用だけではなく、Autodeskが提供している他製品と連携することで作業効率化やBIM設計の効率化を図りやすくなります。参考として以下に、ReCapと組み合わせられるAutodesk製品と活用例をまとめました。

ReCapと連携できるAutodesk製品 活用シーン
Civil3D 土木設計における現況地形の書き起こし
Revit ReCapの点群データを背景として活用し、施設内の構造検討・インテリアの配置検討をする
Infraworks 点群データを読み込ませて景観検討や設計プランニングを実施する

ReCapを含め、BIM業務に対応する目的でソフトウェアの導入やトレーニングの検討にお悩みなら「BIM/CIM研究所 無料相談窓口」にお問い合わせください。必要なソフトウェアやセミナー講習などの提案が可能です。

ReCapについてまとめ

点群データや写真データを使って点群処理や3Dモデル生成を実施できるReCapは、3次元モデルを使ったBIM設計に欠かせないソフトウェアです。また、現況地形や施設の形状などを寸分違わず再現できることから、踏査段階の状況把握にも役立ちます。

他Autodesk製品との連携もできるので、BIM業務への対応を検討している方や、点群処理・3D生成のソフトウェアを探している方は、ReCapを導入の候補に加えてみてはいかがでしょうか。

ReCapのアイキャッチ
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