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【2024】MacでRevitは使える?Macに対応させる方法と代用ソフト

BIMソフトの導入を検討している企業が、導入を優先的に進めたいと考えるソフトがAutodeskのRevitです。BIMソフトの代名詞とも言えるほど広く普及しているRevitは、その汎用性の高さや信頼性の高さから、世界はもちろん日本国内においても高い人気を誇ります。

ただ、懸念点となるのがRevitはiMacやMacbookなどのApple製のMac PCで動作するのかという問題です。設計事務所などではMacを導入しているケースも多く、WindowsとMacが混在する企業も増えてきました。

この記事では、そんなRevitがはたしてMac環境でも使えるのか、そしてMacユーザーにぴったりのBIMソフトは何かについて、解説します。

まず「Revit」とは

revitの公式画像

出典:公式サイト

Autodesk社が手掛けるRevitは、世界で最もポピュラーなBIMソフトとして知られている製品です。建築物はもちろん、土木インフラやプロダクトデザインのBIMモデリングにも対応しており、あらゆるものづくりのBIM運用において効果を発揮します。

Revitを使った業務の刷新は、設計の効率化を推進するだけでなく、その後の行程である施工や維持管理における生産性の向上にも貢献します。Revitが持つ高度なBIMモデリング機能とコラボレーション機能によって、設計業務における手直しや情報共有の負担を解消し、施工や維持管理の段階における設計負担を解消できるからです。

Revitを使って作成したBIMモデルを設計図面をとして運用すれば、今後図面作成を新たに行う必要はありません。さらにRevitは他のAutodesk製品との互換性にも優れているので、AutoCADやCivil 3Dなど、これからAutodesk製品を導入する、あるいはすでに導入しているという方にとって、より大きな導入効果をもたらすでしょう。

MacでRevitは使えるのか?

Revitは優れたBIMソフトとして知られていますが、導入に際しての課題として一つ挙げられるのが、対応OSの問題です。結論から言うと、RevitをMac環境でWindowsと同じような手順で導入・運用することはできません。Macでも運用することは可能ですが、スマートな導入や実装は叶わないということを知っておきましょう。

Revitは基本的にWindowsユーザーを対象としたBIMソフトであるため、Macユーザーが同ソフトを利用することは想定されていません。実際のところ、MacでもRevitを動作させることは可能ですが、Macのインターフェースや操作感に最適化はされていないため、RevitをMacで動かすと違和感を覚えるという場合もあり得ます。

そのため、Mac環境でBIMソフトを運用したい場合には、Mac対応のソフトを購入するか、動作環境をMacからWindowsに移行しRevitを導入するという手順を踏むのがベターです。

RevitをMacで動かすための主な方法

RevitをMacで動かすための主な方法

ただ、マシンや予算の都合上、どうしてもRevitをMacで動かしたいという人は少なからずいるでしょう。Autodeskは公式サイトにて、

  1. MacでBootcampを使用しRevitを動かす
  2. Macで仮想化ソフトを使用しRevitを動かす
  3. MacからリモートアクセスでRevitを運用する

とRevitをMacで動かすための方法を3つ紹介しています。今回はこの3つについて詳しくやり方を解説していきます。

参考:Autodesk公式サイト

MacでBootcampを使用しRevitを動かす

Revitを含め、Windows向けソフトをMacで動かすための最もポピュラーな方法は、Bootcampというソフトの活用です。

Bootcampとは、Appleが公式に提供しているWindowsを動作させるためのツールで、Windows OSをインストールするとMac環境でWindowsを立ち上げ、Windows向けソフトを動かすことができます。

Macが持つマシンスペックをフル活用しながらRevitを動かせるので、既存環境を大幅に変更する必要がありません。ただRevitはあくまでWIndows向けソフトであるため、Bootcampの下では正常に動作しない可能性もあることに注意しましょう。

Macで仮想化ソフトを使用しRevitを動かす

VMwareやParallelsなどの仮想化ソフトを使った運用も一つの手段です。仮想化ソフトとは、既存のMac OS上に仮想的なWindows環境を構築し、WIndows向けソフトを動かす手法です。

Bootcampの場合はMacというマシンの下、Mac OSとWindowsを切り替えて使用するものですが、仮想化ソフトはBootcampとは異なり、OSを切り替える手間がかからないメリットがあります。

ただ、Macの仮想化ソフトはいずれも有料製品であり、導入にはコストがかかります。Bootcampは無料で使えるという点で、仮想化ソフトよりはコストパフォーマンスに優れているでしょう。

MacからリモートアクセスでRevitを運用する

上記2つの方法とは少し系統が異なりますが、リモートアクセスで運用するという方法でMacからRevitを動かすこともできます。Mac上からリモートアクセスソフトを使い別のWindowsマシンにアクセスし、Mac上でWindowsマシンをリモート運用するというものです。

Revitを最も安定してMac上から運用するための方法ではあるものの、Macとは別にWindows対応のマシンを用意する必要があり、リモートアクセス環境も整備しなければならないため、リモートワークなどでしか活躍の機会は得られず、MacでRevitを動かす効率的な運用方法とは言えないでしょう。

Macで動くBIMソフト「Archicad」

Macで動くBIMソフト「Archicad」

BIMソフトは必ずしもRevitだけというわけではなく、他にもさまざまな選択肢があります。ただ、多くのBIMソフトはWindows環境を想定して作られており、Macで動くものは限られています。
そんな中で最も信頼性が高く、Revitレベルのスペックを期待できるソフトが、Graphisoft社が開発したBIMソフト「Archicad」です。

Archicadは、主に建築業界における意匠設計に強みを持ったBIMソフトで、大手建築事務所などでの導入実績があるMac対応のBIMソフトです。一番の特徴は、ユーザービリティに優れたインターフェースにあります。

誰でも直感的に設計やモデリングを行える仕様となっており、ユーザーのクリエイティビティや作業効率を損なうことのない、Macでの効率的な業務遂行を実現しています。

曲線を多く扱う設計のように、Macによる先進的で複雑なプロジェクトに携わっている場合、Archicadの操作性の高さは特に活躍するでしょう。

Mac非対応のRevitとMac対応のArchicadを比較

ArchicadはMacに対応していますが、Revitとどのような点が違うのか気になる人も多いと思います。
そこでRevitとArchicadの違いを徹底的に比較してみました。

比較対象 Revit Archicad
価格
(税込)
42万7,900円/年〜 41万8,000円/年〜
無料利用可能期間 30日 30日
特徴 ポピュラーなBIMソフト。
単体での運用はもちろん、Autodeskの各種製品との互換性にも優れる。
意匠設計に強いBIMソフト。
直感的な操作が可能なユーザーインターフェースで、短期間でBIM運用のスキルを身につけられる。
対応OS Windowsのみ Windows/Mac OS
どんな企業向けか 設備設計や土木領域の業務も発生する場合 主に建築領域
アトリエ系事務所など意匠設計に力を入れたい場合

上でも紹介していますが、RevitはWindowsユーザー向けで、ArchicadはMac向けのBIMソフトです。価格はほぼ同じですが、Revitの方が豊富な業務に対応している分、やや高くなっています。

どちらも無料体験期間を設けており、その期間は30日です。Revitは比較的ポピュラーなソフトであり、Autodesk製品との互換性も備え、併用によって相乗効果が期待できます。
設備設計や土木向けのBIM運用にも強く、頼もしいソフトと言える
でしょう。

対するArchicadは、Revitほどの汎用性はないものの、意匠設計分野で優れた効果を発揮します。
直感的な操作性という点では同じくユーザビリティに力をいれるMacとの相性がよく、ユーザーの創造性を損なうことがありません。

使用しているマシンがMacの場合はArchicad一択ですが、Windows環境でも使用可能な場合は、上記のような違いを頭に入れておくと良いでしょう。

【2024】ARCHICADとはどんなBIMソフト?導入メリットやRevitとの違いを解説

Macでも動くRevit以外のソフト

Macでも動くRevit以外のソフト

RevitをMacで動かすには少々骨が折れますが、Autodeskの他の製品についてはMacで動くものも少なくありません。代表的な例としては、

  • AutoCAD
  • MAYA
  • Autodesk Fusion

が挙げられます。AutoCADは、言わずと知れた2D・3DCADソフトの代表格で、Mac対応が完了しています。MAYAは3Dグラフィックデザインに特化したMac対応ソフトで、建設業界はもちろん、エンターテイメント業界でも重宝されているソフトです。

Autodesk Fusionは、製造業界向けのMac対応CADソリューションです。
モデリングだけでなく、データの統合やシミュレーションなど、製造業界が必要とする機能をMac対応でワンパッケージにまとめています。

必ずしもRevitにこだわらない、あるいは他のソフトで代用できる業務がある場合、上記の製品も試してみることをおすすめします。

RevitをMacに対応する方法についてまとめ

この記事では、Windows向けBIMソフトのRevitを、Macでも使えるのかどうかについて解説しました。残念ながらRevitはMacに対応しておらず、Bootcampなどを使って少し遠回りに使わざるを得ないのですが、ArchicadのようなMac対応のBIMソフトを使うことで、MacにもBIM導入を進めることができます。

RevitもArchicadもポピュラーなBIMソフトとして肩を並べており、Mac対応の可否の様に想定する運用用途はやや異なるものの、どちらも高度なBIMモデリングに対応していることは変わりありません。

自社の必要に応じて、Macへの対応状況を考慮してRevitの代わりにArchicadを導入するか、Revitを使えるようマシン環境をアップデートするか、柔軟に対応すると良いでしょう。

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