Revitを導入したけれど、使い方がわからず困っている方も多いでしょう。
それならまずは、基本操作やトレーニング方法といった入門知識を理解してくことをおすすめします。
この記事では、Revitの入門知識についてわかりやすくまとめました。
Revitを操作するうえで覚えておきたい情報を詳しく解説しているので、業務に活用する参考にしてみてください。
Revitとは
Revitは、エンジニア向けのソフトウェアを提供しているAutodesk社のBIMソフトです。
主に建築物や構造物、設備といったモデルデータの作成を得意とし、設計を効率化できる作図ツールが豊富に搭載されています。
またRevitは、BIMモデルとして属性情報をもつ3Dモデルを作成できるのが魅力です。
入門者でも直感的に操作ができるのはもちろん、入門者向けのコンテンツや学習教材が豊富に提供されています。
より詳しくRevitの概要を知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。
Revitの購入価格や他製品との違いについて解説しています。
Revitの入門知識
Revitの入門者にまず覚えてほしいのが、Revitを使ううえで欠かせないソフトウェアの操作に関する情報です。
初心者向けの基礎として必須の情報ですので、Revitを導入したばかりでまだ詳しい使い方をわかっていないという方は、紹介するそれぞれの入門知識を把握していきましょう。
画面構成
Revitの入門者は、まずRevitのどこにどのような機能が備わっているのか、画面構成を把握しておくことが大切です。参考として上画像の画面構成の情報を表に整理しました。
画面構成 | 配置 | 概要 |
タブ・リボン | 画面上側(赤枠) | コマンドがまとまっている項目であり、タブをクリックすることによりアイコンが表示されているリボン内のコマンドが変更される |
プロジェクトブラウザ・プロパティ | 画面左側(青枠) | Revit で作成するBIMモデルの情報を管理する項目であり、画面表示や凡例、数量集計表、ファミリ(部品)などを管理できる |
ワークスペース | 画面中央(緑枠) | BIMモデルを視覚的に表示する空間であり、タブ・リボンから選択したコマンドを使って作図をしたり、プロジェクトブラウザを使って表示方法を変更したりできる |
入門知識と覚えておきたいのは、上記の3項目です。
機能を使いたいときは「タブ・リボン」、情報を管理したいときは「プロジェクトブラウザ」、BIMモデルの作図や修正をしたいときは「ワークスペース」を使います。
操作方法
Revit は、マウスおよびキーボードを利用して操作します。
以下に入門知識として、各操作方法の概要をまとめました。
まずマウスの操作方法は大きく分けて次の通りです。
マウスの操作 | 用途 |
左クリック | コマンド選択、オブジェクト選択 |
右クリック | オプションの表示 |
ホイール(回転) | ワークスペースの拡大・縮小 |
ホイール(クリック) | ワークスペースの平行移動 |
続いてキーボードの操作用途は次の通りです。
- ショートカットキーによるコマンド起動
- コマンドを挿入する条件の設定
例えば、マウスを使ってコマンドを選択したら、ワークスペース上に右クリックをして挿入位置を決めます。次に、キーワードで挿入するオブジェクトのサイズを決めてエンターキーを押せば、選択したオブジェクトの挿入が完了するというイメージです。
ほとんどのコマンドは同じ流れで操作できるため、入門知識として覚えておきましょう。
BIMの考え方
Revit 入門者はただBIMモデルを作成できるのではなく、BIMモデルを作成したのちにさまざまな用途に利用できることを覚えておきましょう。まずBIMモデルを作成する流れとしては次の通りです。
- ファミリ(部品)を用意する
- ひとつのBIMモデルに統合する
次にBIMモデルを作成した後は、作成した1つのBIMモデルをもとに次のような用途として利用できます。
- 数量集計表の自動作成
- 2D図面として反映(平面図や断面図など)
- 3Dモデルとしての景観検討
BIMモデルを1つ用意すれば、多様な目的で出力できるのが魅力です。
入門者のなかには、上記の用途を知らないまま使い方を学び始めようとする人も多く、後からRevit の操作につまずいてしまいます。
効率よく入門者から中~上級者になるためにも、Revit のBIMという要素を理解したうえで入門知識を学んでいきましょう。
また、Revitの使い方を詳しく知りたい入門者は、以下の記事をチェックしてみてください。
入門者向けにわかりやすく使い方を解説しています。
Revit入門者向けのトレーニングテキストや動画
Revit入門者は、まずトレーニングテキストや動画を利用しながら学習をスタートするのがおすすめです。参考として入門者におすすめの教材をまとめました。
Autodeskコンテンツライブラリ

無料でRevit入門知識を学びたい方は、Autodesk公式サイトで利用できるコンテンツライブラリを使うのがおすすめです。コンテンツライブラリには、主に建設業者、設備業者向けの学習教材が用意されており、次のような入門知識を学べます。
- 企画設計
- 確認申請図の作成
- 作図の設定
- 出力やレンダリング
また、コンテンツライブラリ用に学習用のRevitのデータが用意されているなど、参考となるBIMデータを使いながら学習を進められます。日本語仕様コンテンツとしてファミリやテンプレート、サンプルモデルもダウンロードできるため、入門者におすすめの学び方だと言えるでしょう。
BIMオープンカレッジ

文章や画像を見ながら学習するのが苦手なRevit入門者におすすめなのが、BIMオープンカレッジという学習教材を利用する方法です。こちらもAutodesk公式サイトで公開されている入門者向けの教材であり、以下に示す4つの教材を使って入門知識を学べます。
BIMオープンカレッジの動画 | おすすめの人 | 学習時間の目安 |
Revit 初級編 | 入門者や基礎の基礎から学びたい人 | 15時間半 |
Revit 中級編 | 初級編をクリアして応用を学びたい人 | 4時間半 |
Revit 上級編 | 実践的な操作を学びたい人 | 2時間 |
Revitの使い方 | 入門者や使い方に不安がある人 | 4時間半 |
特に入門知識を学べる「初級編」のボリュームが大きいです。
学習内容に分けて動画が分けられているので、自分が学びたい入門知識だけを学べます。
Autodesk Revit公式トレーニングガイド
「Autodesk Revit公式トレーニングガイド」は、Autodesk社公認の学習教材です。
有料の学習本ではありますが、設計業務の起承転結の流れを画像付きで詳しく解説されています。
また、上下巻に分かれているほか、Revitの機能を拡張する際に役立つアドオンの知識を学べる教材も販売されているのが魅力です。手元に参考書を置いておきたいという方は、入門者向けの教材として選んでみてはいかがでしょうか。
Revit入門者向けチュートリアル
Revitを実際に操作してみたい入門者向けに、建設業向けに下部工(逆T式橋台)を作成するチュートリアルをまとめました。まずは上画像のように、Revitを起動したら「プロジェクトの作成>建設テンプレート>OK」をクリックして、プロジェクトを起動しましょう。
続いて、下画像と同じように、プロジェクトブラウザから立面図を表示して、下部工の高さ条件を決めていきます。なお今回は、基礎高1,000mm、フーチング(躯体)高3,300mm、パラペット高1,000mmで設定しました。
次に、Revitの「構造タブ>基礎or構造」を利用して、各部品を配置していきます。
今回は「基礎>スラブ」で基礎部分、「構造>壁」でフーチングとパラペット部分を作成します。まずはプロジェクトブラウザの平面図のビューを起動して、各部品を配置しましょう。
続いて、各オブジェクトの厚みなどを調整します。
厚みの調整は左クリックでオブジェクトを選択したのちに、プロパティにある「タイプ変更>タイプパラメータの構成編集」から変更できます。
以上の作業を経て完成したのが下画像のBIMモデルです。
入門者向けの教材では下部工を使った設計手順が説明される場合が多いため、ぜひ参考にしてみてください。
Revitの入門知識はセミナー講習で学ぼう
Revitの入門知識の学習につまずいている方は、プロから使い方を教えてもらうのがおすすめです。例えば、プロからRevitの入門知識を教えてもらえるセミナー講習に参加すれば、次のようなスキルが身につきます。
- Revitの全体像
- 業務での用途やできること
- 設計業務における全体の操作の流れ
- 作図の基礎・応用知識
自分では理解ができない部分でも、プロから使い方を学べば短期間で学習を終えられます。
「実践的に学べるBIM・Revitセミナー講習」では、2日間のうちに入門知識を学び終えるため、興味をお持ちの方は、以下のリンクから詳細情報をチェックしてみてください。
受講方法 | ・会場受講 ・ライブウェビナー ・eラーニング |
参加費用(税込) | 58,300円 (eラーニング41,800円) |
参加会場 | ・東京 ・名古屋 ・大阪 |
学習期間 | 2日間 |
Revitの入門知識についてまとめ
Revitの入門知識を理解すれば、業務に適用しやすくなるのはもちろん、効率よく建築物や構造物、設備をモデル化できるようになります。ただし、入門知識を覚えずに学習しはじめる人も多く、途中で挫折してしまう人も少なくありません。
もしRevitを効率よく学びたいなら、本記事で紹介した基本操作といった使い方はもちろん、トレーニング教材を使って学ぶのがおすすめです。セミナー講習に参加するという方法もあるので、自分好みの方法で入門知識の学習をスタートしてみてください。
