BIMソフトのひとつである「Navisworks」を導入したいと考えていないでしょうか。
しかし、Navisworksでできることがよく分からず、本当に導入が必要なのか迷っている人もいるはずです。
そこでこの記事では、Navisworksでできること、活用事例、類似ソフトとの違いをわかりやすくまとめました。参考になるセルフトレーニングマニュアルも紹介しているので、Navisworksでできることを、ぜひチェックしてみてください。
Navisworksとは
Navisworksとは、エンジニア向けの設計検討ソフトを提供するAutodesk社のBIMソフトです。
建築・土木・機械業界に携わるエンジニア向けの機能が豊富に搭載されており、3Dモデルのデータを統合して、計画検討やレビュー、干渉チェックを実施できます。
Navisworksでできることは多岐にわたります。
次項から詳しく解説しているので、気になる項目をチェックしてみてください。
またNavisworksの概要から知りたい人は、以下の記事がおすすめです。
Navisworks関連のソフトの特徴、価格情報を詳しくまとめています。
Navisworksでできること・主な機能
Navisworksでできることを、主な機能とともに詳しく解説します。
画像付きで整理しているため実際にNavisworksに触れながら、できることを体験してみてください。
- 構造物の干渉チェック
- 集計表・コストの管理
- マテリアルの数量取得
- 4D・5Dシミュレーション
- 施工ステップアニメーション
Navisworksでできること①構造物の干渉チェック
Navisworksでは、以下に示す3Dモデルの干渉チェックを実施できます。
- 構造物
- 鉄筋
- 埋設物
工事ではよく、構造物・建築物を設置する場所に、埋設物が埋まっている場合があります。
つまり工事段階で「建築物を設置する場所に埋設物があった」「別の建物と干渉してしまう」と発覚すると、大幅な作業の手戻りが発生してしまうのです。
一方、Navisworksのできること「干渉チェック」を活用すれば、工事前に干渉の有無を確認できます。データが正しい位置に配置されているのか確認できるほか、既設構造物と新設構造物が干渉しないかチェックできるのが特徴です。
Navisworksでできること②集計表・コストの管理
Navisworksに搭載されている「Quantifiction」という機能を用いれば、統合したBIMモデルの数量や金額といったデータを集計表に整理できます。
Quantifictionは「ホーム>ツール>Quantificition」から利用でき、任意のBIMモデルの数量をまとめて以下のデータに出力可能です。
- XML
- Excel
出力した集計表やコストを、そのまま報告書用の資料として利用できます。
集計するファイルやデータを自由にカスタマイズして、用途ごとに集計表・コストを出力できるのが魅力です。
Navisworksでできること③マテリアルの数量取得
Navisworksの数量取得でできることのひとつに、特定のマテリアルだけをピックアップして数量表にまとめる機能があります。上記に掲載した画像では、BIMモデルに表示されているすべての窓の数量が一覧として表示してあります。
あらかじめマテリアルの情報を分類分けしておけば、手間をかけずに数量を取得して計算可能です。
Navisworksでできること④4D・5Dシミュレーション
Navisworksでは、TimeLinerという機能を用いて、設定したタスク情報をもとに4D・5Dによるシミュレーションを実施できます。時間軸に合わせて作業状況を細かく管理できるため、より現実に即した設計・施工検討を実施可能です。
工程の多い建築・土木だからこそ必要な機能だといえます。
Navisworksでできること⑤施工ステップアニメーション
同じく、Navisworksに搭載されたTimeLinerでできることとして、施工ステップのアニメーション作成に活用できます。日付や作業時間を設定し、施工するBIMモデルを当てはめていけば、打ち合わせに活用できるアニメーションを用意できるのが魅力です。
アニメーションは打ち合わせやPR動画など、さまざまな用途に活用できます。
Navisworksの活用事例
Navisworksは、実際に建築・土木といった業務に活用されています。
国土交通省が公開する「BIM/CIM事例集」を例に、Navisworksでできることを深堀していきましょう。
- 建築限界・架空線・地下埋設物の確認
- 部材の干渉チェック
- 施工シミュレーション
建築限界・架空線・地下埋設物の確認
Navisworksは、街中にある道路や橋といった既設構造物、そして新たに工事を行う構造物との接触を確認するために活用されています。
完成した構造物が正しい位置に配置できるのか、工事に用いる重機が架空線や地下埋設物に影響を与えないのかを詳しくチェック可能です。
部材の干渉チェック
Navisworksは、2D図面だけでは判断できない部材の干渉チェックに活用できます。
3DモデルであるBIMデータを統合して表示するため、リアルな干渉チェックを実施できるのが特徴です。
例えば、Navisworksでできることとして、写真のように検査路と排水管の接触状況を事前に把握できます。
施工シミュレーション
Navisworksにできることとして、ただBIMモデルを統合するだけではなく、設計対象物が完成するまでの施工ステップをシミュレーションできるのが特徴です。
実際に工事する流れをNavisworks上で検討し、施工ステップを準備することによって「本当に今の計画で工事を進められるのか」を把握できます。また、効率的な作業を実施できる重機の配置、搬入・搬出のタイミングを検討できることもNavisworksならではの魅力です。
Navisworksおよび類似ソフトのできることの違い
BIMモデルを統合できるNavisworksとは別に、Autodesk製品には同じような機能をもつ類似ソフトがあります。ですが実際にはNavisworksだけできることが複数あるのです。
具体的な違いを以下に整理しました。
Navisworks Manage でできること |
Navisworks Freedom でできること |
Revit でできること |
Infraworks でできること |
|
目的 | BIMデータ統合 シミュレーション ステップ図作成 干渉チェック |
統合データのビューワ | 構造データの作成 | BIMデータの統合 ステップ図作成 |
※メインソフトであるNavisworks Manageを中心として紹介します。
Navisworks Freedomとの違い
Navisworks Freedomでできることは、Navisworks Manageでまとめられた統合データの閲覧・レビューのみです。データの編集は行えません。
Navisworks Freedomは無料で利用できるビューワソフトですので、できることが制限されています。発注者や管理者のデータチェックとして利用できる類似ソフトだと覚えておきましょう。
Revitとの違い
Revitは主に、構造物・建築物のモデル作成に用いるBIMソフトです。
Navisworks Manageができることである、データ統合やシミュレーションといった作業には使えません。
RevitといったBIMソフトで作成したデータをNavisworks Manageに挿入して統合するのが一般的です。
また、Revitについて詳しく知りたい方は以下の記事がおすすめです。
Revitの概要やできること、価格について説明しています。
Infraworksとの違い
Infraworksでできることは、Navisworks Manageにやや似ています。
基本機能として、BIMデータの統合機能がありますが、Navisworks Manageと違い、以下の機能を使えません。
- シミュレーション
- 干渉チェック
特にシミュレーションや干渉チェックは業務検討で欠かせない機能です。
Infraworksの導入を検討しているのなら、あらかじめできることを確認してください。
また、Infraworksのことを詳しく知りたい方は以下の記事がおすすめです。
Infraworksの概要やできること、価格について説明しています。
Navisworksのセルフトレーニングマニュアルを紹介
Navisworksの操作を覚えたい、できることを詳しく学びたいと考えているのなら、セルフトレーニングマニュアルをダウンロードするのがおすすめです。
セルフトレーニングマニュアルは、Autodesk公式サイトおよび講習会で入手できます。
また、入手できるデータとしては、専用のテキストデータ、編集データが挙げられます。
操作方法やできることを学べるので、興味をおもちの方は、Autodesk公式サイトや講習会から入手してみてください。
Navisworksでできること まとめ
今回は「Navisworks」を導入することによってできること、業務に適用した事例、類似ソフトとの違いをわかりやすく解説しました。
Navisworksでできることは、データ統合、干渉チェック、数量集計、アニメーションなど多岐にわたります。特に干渉チェックはNavisworksのみできることですので、導入前に必要性を検討してみてください。