Navisworksを利用して、施工ステップのアニメーションを作成したいと考えていないでしょうか。しかし、具体的な操作方法や利用するツールのことが分からず、うまく作成できないと悩む方もいるはずです。
そこでこの記事では、Navisworksを使ってアニメーションを作成する方法をわかりやすくまとめました。また、Navisworksでアニメーションを作成する目的、アニメーション学習に役立つマニュアルについても解説しています。
Navisworksでアニメーションは作成できるの?
結論として、Navisworksを用いれば3Dモデルのアニメーションを作成できます。
例えば、次のようなアニメーションを作成可能です。
- 視点移動を中心としたアニメーション
- 施工ステップを基準としたアニメーション
- 3Dモデルに移動を加えたアニメーション
統合データを使ってアニメーションを作成するため、打合せ資料やPR動画の作成など、さまざまな用途でNavisworksが役立ちます。使い方を覚えてしまえば、報告書・提出資料の品質UPにも役立つのでぜひアニメーション作成を覚えてみてください。
また、Navisworksの概要を詳しく知りたい方は、以下の記事がおすすめです。
Navisworksの特徴や機能について詳しく解説しています。
Navisworksでアニメーションを作成する方法
Navisworksのアニメーションは、ホームリボンにある「ツール>Animator」を使って作成します。6つの手順でアニメーションの出力まで進めるので、1項目ずつ流れをマネしてみてください。
①アニメーションを付与したいBIMデータを統合する
まずは、アニメーションを作成したいNavisworksのモデルを用意してください。
今回は参考として、建物と駐車場、そして樹木や自動車といった3Dモデルがまとまったデータを利用します。
もしNavisworksのモデルが手元にないのなら、以下の方法で用意しましょう。
- RevitやCivil3DといったBIMソフトを用いて作成する
- Autodesk公式サイトのトレーニングデータを利用する
※本記事ではトレーニングデータをベースとして作成しています。
②Animator(アニメーター)機能を起動する
3Dモデルの準備が終わったら、ホームリボンにある「ツール>Animator」のボタンをクリックしてください。
Animator機能は、アニメーション作成に欠かせないツールです。
今回のアニメーション作成は、Animatorツールを基本として操作していきます。
ボタンをクリックすると、次のウィンドウが表示されます。
Animatorウィンドウは、左側の「シーン構成の画面」、右側に動画の流れを表示する「タイムライン」で構成されています。動画にしたいシーンを増やしていくことによって、アニメーションの見栄えや動き方を細かく調整できるのが特徴です。
③シーンを追加する
それでは、実際にアニメーションを作成していきます。
まずは、Animatorウィンドウの左下にあるプラスボタンを押して「シーンの追加」を選択してください。
シーンが追加されるとウィンドウ左側の枠に「シーン1」という項目が追加されました。
次に、ワークスペースもしくは選択ツリーから、アニメーションを付与したい3Dモデルを選択します。選択が終わったら表示された「シーン1」を右クリックして「アニメーションセットを追加>現在の選択から」をクリックしてください。
クリックすると、次の項目が追加されました。
④オブジェクトに動きをつける
アニメーションにしたいオブジェクトの準備が完了したら、実際に動きをつけていきます。
まずはAnimatorウィンドウの右側にあるタイムラインの赤い縦線を任意の位置に持ってきましょう。
次に、上記画像の一番左側の十字マークをクリックします。
すると、オブジェクト上に以下のマークが反映されました。
ここでは、建物を浮かび上がらせるアニメーションにしたいため、以下のように3DモデルをZ軸の下側に沈めた状態にして、再度カメラマークを押して表示条件を追加します。
⑤タイムラインを追加していく
ここまで、次のタイミングにてカメラマークをクリックしました。
- 建物が浮き出ている状態
- 建物が沈んでいる状態
この2つの条件は、それぞれタイムラインの「ひし形」に反映されています。
最後に、それぞれの位置を任意で調整して再生ボタンを押せば、アニメーションが表示されます。
もし複数のシーンを1つの動画にまとめたいのなら、シーンの追加を行いつつ、さまざまな画面表示を設定してみてください。自由自在に動画に動きをつけることができます。
⑥作成したアニメーションを動画出力する
Navisworksで作成したアニメーションの出力は、出力リボンの「ビジュアル>アニメーション」から実施できます。出力する形式はWindows AVIを選びましょう。
また、動画サイズや画質、動画処理にかかわるFPSの設定も実施できます。
表示したい画質や見栄えに合わせて、必要な動画設定を選択してください。
Navisworksでアニメーションを作成する3つの目的
Navisworksのアニメーションは、見栄えの良い動画を作成できる便利な機能です。
しかし、どういった目的でアニメーションを作成すべきか分からないと悩む方もいるでしょう。
そこで、NavisworkSでアニメーションを作成する理由を3つに分けて紹介します。
どのようなシーンで利用できる機能なのか、ぜひ参考にしてみてください。
①施工ステップの検討として
Navisworksのアニメーションは、施工ステップの共有に役立ちます。
例えば、施工ステップの手順をすべてアニメーションにすれば、視覚的に工事手順を伝えられるでしょう。
図面情報だけではイメージしにくい施工ステップを見える化できるため、担当者・作業員の知識や経験量の差を問わず利用できる便利な機能だといえます。
また、社内でアニメーションを共有すれば「その流れを現実で実施できるのか」を分析可能です。
②打合せ資料として
Navisworksのアニメーション機能は、発注者との打合せ資料として役立ちます。
3Dモデルの外観や見た目、そして施工の流れを動画として伝えられるため、説明の手間を削減できるのが魅力です。
また、発注者の中には工事関連の知識をもたない人、経験に乏しい人も大勢います。
そういった方たちの理解の差を埋めること、効率よく情報を理解してもらうことに、Navisworksのアニメーション機能が役立つのです。
③PR動画として
Navisworksのアニメーション機能は、ただ説明のために用いるのではなく、PR動画としても活用できます。施工ステップのアニメーションはもちろん、完成した3Dモデルを360°自由に動画化できるのが魅力です。
「現在の計画を動画としてPRしたい」「一般公開資料のために動画制作が必要だ」という際には、Navisworksのアニメーション機能を活用してみてください。
アニメーション以外でNavisworksにできること
Navisworksは、3Dモデルのアニメーションを用意できるほかにも、次の機能が搭載されています。
機能 | 概要 |
3Dモデル統合 | 複数の3Dモデルをまとめて表示できる |
レビュー | コメントや計測を実施できる |
数量算出 | 各モデルの情報をもとに、面積や長さといった情報を出力できる |
レンダリング | 材質や日照を意識した高画質画像を出力できる |
また、Navisworksは提供されているプランごとに利用できる機能が異なります。
Navisworksにできることを詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事をチェックしてみてください。
アニメーションを学べるNavisworksのマニュアルを紹介
Navisworksのアニメーションを学びたいのなら、以下のマニュアルを活用するのがおすすめです。
- Autodesk公式サイトのトレーニング資料
- Autodesk公式のYouTube講習動画
実際にツールを使いながら操作方法を学べます。
ぜひマニュアルを用意して学習をスタートしてみてください。
また、Navisworks関連のマニュアルについて詳しく知りたい方は以下の記事がおすすめです。
マニュアルの情報を詳しくまとめています。
https://bimcim-kenkyujo.com/navisworks/navisworks-manual/
Navisworksのアニメーションでよくある質問
Navisworksのアニメーション機能のことを詳しく知っていただくために、よくある質問を整理しました。気になる項目を見つけて、疑問を解決してみてください。
統合した3Dモデルのアニメーションを作成可能です。
ただし、施工ステップの作成や細かい動きのある動画には対応できないので注意してください。
Navisworksのアニメーション まとめ
今回はNavisworksのアニメーション作成方法、手順、その他便利な機能のことをわかりやすく解説しました。
Navisworksはただアニメーション作成できるだけでなく、統合やレビュー、数量算出といった便利な機能が豊富なBIMソフトです。設計・施工の検討にも役立つソフトですので、ぜひインストールしてみてください。
もしNavisworksを導入したいと検討しているなら、まずは無料体験版を利用して機能をチェックしてみるのがおすすめです。トレーニングマニュアルも充実しているので、目的に合うBIMソフトなのか確認してみてください。