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【2024】光造形の3Dプリンター3選!おすすめポイントや特徴も紹介

3Dプリンターは、プラスチックのフィラメントを溶かして固める熱溶解方式が主流です。
しかし熱溶解方式ばかりではなく、光造形の3Dプリンターというものも数多くあります。
では、光造形の3Dプリンターにはどのような特徴があるのか、おすすめの光造形3Dプリンターと共に確認していきましょう。

光造形の3Dプリンターとは

おすすめ光造形3Dプリンター

光造形の3Dプリンターとは、紫外線を照射して造形を進めていく3Dプリンターです。
材料となるプラスチックは液体状になっています。そして、紫外線によって固まるのが特徴です。

光造形方式の3Dプリンターはあらかじめ用意されたデータの内容に従って、その液体プラスチックに紫外線を集中させます。そうすることで液体の中の一部が固まり、データ通りの造形が可能です。

光造形の3Dプリンターには、紫外線を下から照射するタイプと上から照射するタイプがあり、どちらも基本的な仕組みは同じです。下から照射するタイプは、造形物を置いているプラットフォームが、造形と共に上昇する構造となっているのが特徴です。それに対して上から照射するタイプは、プラットフォームが下がっていきます。

光造形の3Dプリンターは、紫外線を照射する仕組みによって4種類に分けられるます。

光造形3Dプリンターの方式 特徴
DLP方式 プロジェクターを使用して、面で紫外線を照射する
LCD方式 面で照射するが、プロジェクターではなく安価な液晶パネルを使う
SLA方式 紫外線レーザーをピンポイントで照射し、より細かな造形ができる
インクジェット方式 紙に印刷するプリンターのようにプラスチックを吹き付け、その後で紫外線で硬化させる

同じ光造形の3Dプリンターでもインクジェット方式は、溜めておいたプラスチックを造形させる他の方式とは仕組みが大きく違います。

光造形の3Dプリンターを使うメリット

光造形の3Dプリンターには、他の方式とは異なるメリットが数多くあります。
その中でも代表的なものを、確認していきましょう。

  • 造形の精度が高い
  • 造形のスピードが速い
  • 美しい透明な造形物を作れる

光造形の3Dプリンターのメリット1.造形の精度が高い

光造形の3Dプリンターは、3Dデータに忠実な高精度の造形を実現できるのがメリットです。
熱でプラスチックを溶かして造形する3Dプリンターでは、冷却して固める際にどうしても材料が収縮してしまい、多少形が崩れてしまうことは避けられません。
光造形の3Dプリンターであれば、造形の際に高熱を伴わないので、収縮によって形が崩れてしまうことなく精度の高い造形ができます。

また、3Dプリンターはモデルをいくつもの層に分け、層ごとに造形したものを積み重ねていくのが特徴なため、層の境目が目立つことがあります。3Dプリンターの製品によっては、層の境目が段のような凹凸になることも珍しくありません。

光造形の3Dプリンターも層ごとに造形する点は同じですが、層の境目が目立ちにくいです。滑らかな表面になるため、仕上げの処理が少なく済みます。

光造形の3Dプリンターのメリット2.造形のスピードが速い

光造形の3Dプリンターには全体的なスピードが速いというメリットもあります。
光造形の3Dプリンターで使用する材料は、あらかじめ液体状です。
そのため、熱で溶けるようになるまで待つ必要がありません。

そして、熱で溶けたプラスチックが冷えて固まるまでの時間よりも、紫外線によって液体プラスチックが固まるまでの時間の方が短いです。
したがって、光造形の3Dプリンターでは短時間で造形を完了させられるでしょう。
特にDLP方式とLCD方式の3Dプリンターは、面で照射を行うため造形時間が短いです。

光造形の3Dプリンターのメリット3.美しい透明な造形物を作れる

3Dプリンターでは透明度のある材料を使うことも可能です。しかし、層の間に空気が入り込んで境界線が目立ってしまい、きれいな見た目になりにくいという弱点があります。半透明で濁った見た目に仕上がることもあるでしょう。

光造形の3Dプリンターであれば、液体プラスチックの中で造形を行うという性質上、空気が入り込む余地がありません。さらに層と層が強く結びつくという性質があるため、層の境界が目立ちにくく、透き通った見た目にできます。透過性が重視される部品や、宝石のように透明で美しい製品を作らなければならない場合には、光造形の3Dプリンターが適しているといえるでしょう。

光造形3Dプリンターの詳しい特徴や仕組みが知りたい方には、こちらの動画も参考にしてください。

光造形の3Dプリンター3選!

光造形の3Dプリンターには、数多くの製品があります。
その中から、知名度が高く、高性能なものを3つ紹介していきます。

Form3+

Form3+

引用:Fab mart

光造形3Dプリンターを代表するFormlabs社製の製品です。
レーザーを照射するSLA方式となっています。価格は約100万円と光造形3Dプリンターの中では比較的高めで、ビジネスで使用されることが多いです。機械のパーツや医療で使用する道具など、色々なものを作れます。

この光造形3Dプリンターは特殊な構造で造形物を簡単に取り外せるプラットフォームや、接点が少なく外しやすいサポート材構造などによって、スムーズな造形が実現可能です。
専用の周辺機器も充実していて、効率的な造形体制を作ることもできます。

Mars 4 DLP

Mars 4 DLP

引用:Amazon

ELEGOO社が製造したDLP方式の光造形3Dプリンターです。
ELEGOO社を代表するMarsシリーズの中で、初めてDLP方式が採用されています。
13層のレンズを使用して効率的な紫外線を照射でき、短い時間での造形が可能です。

耐久性が高く消費電力が低いという特徴もあります。
そのため低いランニングコストで、長期間造形を続けることも不可能ではありません。
また、本体価格10万円強とは決して高額ではないため、個人使用のための購入もおすすめです。

Photon Mono 4k

Photon Mono 4k

引用:Amazon

ANYCUBIC社が開発したLCD方式の光造形3Dプリンターです。
価格がおよそ7万円程度と安いため、個人で使用することも難しくありません。光造形の3Dプリンターがどのようなものなのかを確かめる、エントリーモデルとして取り入れるという手もあります。

Photon Mono 4kは名前の通り、4Kという高い解像度での造形を行うことが可能な3Dプリンターです。本体サイズが小さいので、フィギュアのような小さいものを造形するのに向いています。
巨大な造形こそできませんが、本体サイズの小ささを活かすことで、色々な場所での造形ができるでしょう。

コスパが良い3Dプリンターはこちらで紹介しています。

【2023】3Dプリンターの値段はいくら?相場とコスパ最強3Dプリンター5選

光造形の3Dプリンターで作品を作る手順

光造形の3Dプリンターで作品を作る手順

光造形の3Dプリンターの使い方は複数の手順に分かれます。
その手順ごとに詳しく確認していきましょう。

スライスデータを用意する

光造形の3Dプリンターではまず専用のデータを用意する必要があります。あらかじめ作っておいた3Dモデルを、スライスソフトで輪切りにして、3Dプリンターに送りましょう。

スライスソフトは3Dプリンターに付属している場合が多いです。造形時に不安定になってしまうモデルの場合は、サポート材を配置したデータを作らなければなりません。

3Dプリンターのセッティング

データが用意できたら3Dプリンターのセッティングを行います。
照射部分の軸やプラットフォームの傾きなどを、造形に適した状態にしなければなりません
3Dプリンターの中には、自動で調整できる機能が備わっているものもありますが、なければ手動での調整となります。その後、材料となる液体プラスチックを流し込めば3Dプリンターのセッティングは完了です。

造形開始

ひと通りの準備が完了したら、データを3Dプリンターに送り込んで造形を開始します。
造形は3Dプリンターが自動で行ってくれるため、ユーザーがやることは特にありませんので数時間待ちましょう。途中で造形が失敗している場合はそれ以上続ける意味がないので、順調に進んでいるかを確かめることは大切です。

造形が完了したら洗浄を行う

おすすめ光造形3Dプリンター

光造形の3Dプリンターで造形が完了した段階では、造形物の周りに液体プラスチックがまとわりついている状態となります。そのため、専用のアルコールを使用して洗浄する必要があります。

サポート材が付いている場合はそのままでまずは洗浄し、サポート材を取り除いてから改めて洗うと良いでしょう。洗浄が終われば、3Dプリンターでの造形のひと通りの手順は完了です。

必要であれば二次造形を

光造形の3Dプリンターでは、1回の造形だけでは十分に固まらないことがあります。
その場合は洗浄後に二次造形が必要です。改めて紫外線を照射して内部まで固めます。

特にサポート材が多いと、サポート材が影になって紫外線が内部にまでしっかり当たりません。
そのためサポート材を取り除いた上で、二次造形を行わなければならないでしょう。

光造形の3Dプリンターを使う際の注意点

光造形の3Dプリンターを使用する際には、いくつか気を付けなければならないことがあります。
では、何に注意すべきなのか、解説します。

事前のセッティングや洗浄を入念に行う

光造形の3Dプリンターは、軸の調整やプラットフォームの位置などがずれていると、失敗するリスクが高くなります。そのため事前の調整は入念に行わなければなりません

紫外線が照射される部分が汚れていたり、液体プラスチックを入れておく容器にゴミが蓄積していたりすると、造形の妨げになってしまいます。液体プラスチックを流し入れる前に、ひと通り洗浄するようにしましょう。

人体を保護する道具を使用すること

光造形の3Dプリンターで使用する液体プラスチックは、人体にとって有害です。
洗浄に使用するアルコールも、皮膚に触れたり吸い込んだりすると人体に悪影響を与えます。
光造形の3Dプリンターを使用する際は、人体を保護する道具をしっかり使用するようにしましょう。

液体プラスチックを流し込んだり造形物を取り出したりする際には、ゴム手袋が必須です。
気化したプラスチックやアルコールを吸い込まないよう、防毒マスクも併用しましょう。
さらに、液体プラスチックは何かの拍子で飛び散ることがあるため、保護メガネも着用した方が良いでしょう。

3Dプリンターの詳しい使い方やメンテナンス方法はこちらで紹介しています。

【2023】すぐ分かる3Dプリンターの使い方!操作のコツやトラブル対処法

光造形3Dプリンターは高精度の造形におすすめ

3Dプリンターといえば熱溶解方式というイメージを持っている人は大勢います。
けれど熱溶解方式を選ぶことが、いつでも正解とは限りません。精度の高い造形を短時間で行いたいのであれば、光造形3Dプリンターの導入を考えてみても良いでしょう。

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