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【2024】3Dプリンターのフィラメント6選!選び方や使い方も解説

立体的な造形物を作る事ができる3Dプリンターに興味関心があるという方もいるのではないでしょうか。3Dプリンターを使用する際は、フィラメントと呼ばれる材料が必要です。

そこで今回は、3Dプリンターには欠かせないフィラメントについて、主な種類や選び方などを詳しく紹介していきます。

3Dプリンターに用いられるフィラメントとは

3Dプリンターに用いられるフィラメントとは

フィラメントとは、3Dプリンターにて造形物を作るためのデータを出力する際に使用される材料です。フィラメントは細長い糸状の材料となっており、基本的な使い方としてはリールに巻き付けて使用するケースが多いと言えます。ただ、メーカーによってはフィラメントをカートリッジなどに収納するタイプも存在しており、自社のフィラメント以外は使用できない仕組みになっているものもあるのでその点は注意が必要です。

カートリッジタイプでは情報の読み取りを付属のICチップなどで行い、3Dプリンターが純正品であるかどうかを機械が判定します。フィラメントは一般的なプリンターでいうと、インクと同じ役割を持っています。つまり、フィラメントがないとインクが切れているようなものであるため、3Dプリンターを使用する事はできません。フィラメントは3Dプリンターにとっては必要不可欠なものなのです。

フィラメントを利用して作れるものはこちらで確認できます。

【2023】3Dプリンターで作れるもの4選!作品作りの手順や注意点も解説

3Dプリンターのフィラメント6選!

3Dプリンターのフィラメント6選!

3Dプリンターに使用されるフィラメントには様々な種類があります。主なフィラメントを以下に紹介していきます。

フィラメントの素材名 原料 特徴
ABS樹脂 アクリロニトリル
ブタジエン
ポリスチレン
比較的安め
PLA樹脂 農作物 エコなフィラメント
TPE樹脂 プラスチック 強度が高い
PETG樹脂 ペットボトルの材料 耐熱性や衛生面も良い
SMP樹脂 ポリ ノルボルネン
トランスポリイソプレン
スチレン−ブタジエン共重合体
ポリウ レタン等
強度が高いのに形が変えやすい
PPGW樹脂 ポリプロピレン
グラスウール
最新技術のフィラメントで薬品にも強い

このフィラメントについて詳しく解説していきます。

ABS樹脂

ABS樹脂とはアクリロニトリルとブタジエン、ポリスチレンという3つの成分で構成されている材料です。アクリロニトリル及びブタジエンには、それぞれ耐熱性や耐衝撃性といった特徴がある他、ポリスチレンには優れた加工性を持っている成分となっています。ABS樹脂は日用品や雑貨といった造形物に使用される事が多く、3Dプリンターで壊れにくい造形物を作成したい場合に適した材料と言えるでしょう。また、サンドペーパーなどを用いた加工作業やプラスチック向け塗料などによる塗装がしやすく、比較的安価で入手できるといったメリットがあります。一方、ABS樹脂は熱収縮率が高い事から、造形物の形次第では反りが発生する可能性があり、その点は注意が必要です。

PLA樹脂

PLA樹脂とはトウモロコシなどの農作物を主な原料としており、ポリ乳酸とも呼ばれている材料です。水と二酸化炭素に分解されるため、環境に優しい材料とも言われています。熱収縮やニオイが比較的少ない点がPLA樹脂のメリットです。価格はABS樹脂と同様にリーズナブルであり、フィラメントの中では扱いやすい部類に入るため、3Dプリンターの扱いに慣れていない初心者でも使いやすいと言えるでしょう。3Dプリンターで大きな造形物を作成するのに適した材料です。

TPE樹脂

TPE樹脂は、ゴムのような弾力性を持っているプラスチック材料です。優れた伸び率と高い強度が特徴的な材料であり、柔らかく触り心地の良い造形物を作成する事ができます。他のフィラメントと比較すると価格はやや高めですが、医療の分野でも使われているほど人に対する安全性が高い材料となっています。

PETG樹脂

PETG樹脂はペットボトルに使われている材料を改良したものであり、耐熱性や透明性、衛生面に優れている点が大きな特徴である材料です。3Dプリンターによって作成したPETG樹脂の造形物は、削ったり穴を開けるといった加工も行う事ができます。ただ、プリント温度は高めである他、適切な温度に調整する事が比較的難しいと言えます。そのため、ノズルから押し出す際にフィラメントが糸引きしやすいという点は注意しておきましょう。

SMP樹脂

SMP樹脂とはお湯などで温めると柔らかくなる他、形を変える事もできる材料であり形状記憶ポリマーとも呼ばれています。一度形を変えても再び温めれば造形した時点の形に戻す事が可能です。またSMP樹脂は、強度が高い、印刷時のニオイが少ないなどの特徴があります。ただ注意しておくべき点としては、強度が高い事からサポート材などが剥がしづらい事です。尚、形を変えるために作成した造形物を温める場合、火傷をしないよう注意しながら作業を行うようにしましょう。

PPGW樹脂

PPGW樹脂とは、ポリプロピレンとグラスウールで構成されている材料です。ポロプロピレンは様々なプラスチック製品に使われている樹脂ではありますが、収縮率が高い事からフィラメントとして使うのはほぼ不可能であるとも言われていました。しかし、グラスウールを使用する事で収縮率が大きく低減し、3Dプリンターによる造形物の作成が可能となっています。酸やアルカリなどの薬品に対する耐性や耐熱性、加工性に優れている点がPPGW樹脂の大きな特徴です。

3Dプリンターに必要不可欠なフィラメントの選び方

ここでは3Dプリンターに必要不可欠なフィラメントの選び方について解説していきます。

所有している3Dプリンターに対応しているか確認してから選ぶ

フィラメントを選ぶ際、最初に考慮しなければならない点としては、使用している3Dプリンターに対応しているかという事です。フィラメントの線径が対応できないほど太すぎたり細すぎたりしていると、3Dプリンターでの造形はできなくなります。そのためフィラメントを購入する場合は、3Dプリンターのメーカーが保証・推奨している材料を事前に確認しておくようにしましょう。

十分な性能が確保されているかチェックする

強度不足によって思い通りの造形物が作成できない場合、3Dプリンターと互換性のあるフィラメントの中からより強度の強いものを選ぶようにしましょう。強度が強い材料としてはABS樹脂やASA樹脂などが挙げられます。また静電気耐性や透明性が高いフィラメントを使用する際、造形物に触れられるのであれば、忘れずに確認しておきましょう。どの程度理想的な造形物が作成されているのかチェックするためには、実際に手に取って確かめる事は重要です。

保管する事も考えてフィラメントを選ぶ事も大切

フィラメントの特徴をしっかり理解して購入しても、日本のような高温多湿な環境下では、湿気を吸ってしまう事でフィラメントの持つ特性が失われてしまうという可能性があります。例えば梅雨の時期にABS樹脂でできたフィラメントを放置しておくと、水分を吸収して反りが発生しやすくなると言われています。

尚、互換性を気にせずに様々なフィラメントを使いたいという方は、「Raise3D」を検討してみてはいかがでしょうか。Raise3Dは試作品から実際の製品まで幅広い要求に対応できる3Dプリンターです。高強度や耐薬品性など、あらゆる特徴を持ったフィラメントを使用する事が可能です。

フィラメントを3Dプリンターに使用する手順

フィラメントを3Dプリンターに使用する手順

フィラメントを使う手順としては、はじめにヘッドを加熱します。多くの3Dプリンターでは、メニューからフィラメントの交換を選択するとヘッドの加熱を自動で行ってくれます。次にフィラメントをホルダーにセットし、フィラメントの先端部分をエクストルーダに挿入します。挿入したらフィラメントをヘッドまで送り込み、ノズルからフィラメントが吐出する事を確認します。最後にノズルから吐出した余分なフィラメントを取り除けば完了です。

3Dプリンター自体の使い方はこちらを参考にしてください。

【2023】すぐ分かる3Dプリンターの使い方!操作のコツやトラブル対処法

フィラメントの特性を活かした造形物造りを心掛けましょう

3Dプリンターにとってフィラメントは、造形物の作成を行う上で欠かせない材料であると言えるでしょう。フィラメントの種類は豊富にありますが基本的な知識を押さえておかないと、せっかく3Dプリンターを所有していても造形物を上手く作成する事は難しくなるでしょう。コスパの良い造形物を作るためには、フィラメントの持つ特性をしっかり把握する事が重要です。

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