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【2025】ライノセラスでの建築モデリング基礎を紹介!

ライノセラスを使って、建築モデリングの基礎を学びたい方もいるでしょう。しかし、ライノセラスは建築向けの3DCADソフトで、業務で使いこなして応用を身につけるのは大変です。そこで、本記事は、ライノセラスを使った建築モデリングの専門知識とあわせてモデリングの使い方の基本を紹介します。

ライノセラスの使い方

ライノセラスは、建築モデリングにおいて使いやすいツールです。そこで、建築モデリングで必要となる基本的な操作や建物の基礎設計の部分に関わる作成について解説します。

1.ライノセラスの画面立ち上げ

まず、ライノセラスを起動します。デスクトップのアイコンやスタートメニューからライノセラスを選択し、プログラムを開きましょう。起動後、ライノセラスのインターフェースが表示されます。

2.作成開始前のよくある設定

ライノセラスが起動したら、新しいファイルを作成します。画面上部の「File」メニューをクリックし、「New」を選択です。すると新しい3D作業空間が開かれます。これで、新しいプロジェクトを開始する準備が整います

ライノセラスでは新しいプロジェクトを作成する際、最初に設定を行います。プロジェクトの設定単位決めは、建築設計において欠かせない作業です。具体的には、メートルやミリメートルがよく使用されます。その際、コマンドバーに「Units」と入力することで単位設定を変更可能です。単位設定を行わずに作業を進めると、後で寸法の調整やスケールの変更が必要となるので注意してください

3.ライノセラスの基本操作となる3

まずは、ライノセラスを使うための基本操作を覚えていきましょう。覚えておきたいのは、次の3つです。

  • 移動
  • 回転
  • 拡大縮小

3Dモデリングでは、簡単な2D図形を作成し、それを基に立体的なモデルを作り上げます。例えば、直線や長方形を使って平面図を作成し、その後、高さを加えることで立体的な形状を作成します。そのため、オブジェクトを作成した後は、移動、回転、拡大縮小といった基本的な編集操作が必要です。

移動

移動操作では、オブジェクトを移動するため、Move」コマンドを使用します。まず、移動したいオブジェクトを選択し、Moveコマンドを実行します。次に、オブジェクトの基準点を指定し、移動先の位置を指定します。

回転

次に、回転操作では、Rotate」コマンドを使用します。まず、回転させたいオブジェクトを選択することです。その後、回転軸となる基準点を指定し、回転角度を入力します。回転角度は数値で指定することができるため、「30度」や「45度」など、任意の角度で回転させる可能。

また、回転軸を特定の軸(X軸、Y軸、Z軸)に傾けて固定することも有効です。この機能で、オブジェクトを正確に回転させることができます。

拡大縮小

3つ目の拡大縮小操作は、Scale」コマンドの使用が基本です。まず、拡大縮小したいオブジェクトを選択し、Scaleコマンドを実行します。次に、拡大縮小の基準点を指定し、拡大縮小の比率(数値)の入力です。

比率を変更することで、オブジェクトのサイズを大きくしたり、小さくしたりすることができます。また、拡大縮小を特定の軸に沿って行うことも可能です。

4.建物の基本形状の作成

ライノセラスで建物の形状を作成する際には、基本的な形状を作ることから始めます。例えば、長方形や円を使って平面図を作り、その後で高さを加え立体的な構造を作成します。

Rectangle

Rectangle

建築モデリングでは、例えば10メートル×15メートルの長方形の建物を作る場合、まずRectangle(長方形)」ツールを使って平面を描き、その後Extrude」コマンドを使って高さを5メートルに設定します。その結果、長方形の平面が5メートルの高さをもつ立体が完成です。

Boolean

次に、ブール演算のBoolean(ブール)」を使って、必要ない部分を削除したり、ドアや窓を開けることができます。Boolean演算とは、2つ以上のオブジェクトを組み合わせたり、差し引いたりする操作です。これを使えば、簡単に複雑な形状を作成することができます

Extrude

そして、今度は壁・柱・床の作成、窓やドアの配置です。建築設計のモデリングで建物を作るためには、構造的に壁や柱、床の作成が必要となります。ライノセラスでは、先程のExtrude」コマンドで壁を立ち上げ、柱や床も同様に作成可能です。

Cylinder

柱はCylinder(円柱)」ツールを使って作成し、高さを設定することで立体的に仕上げる操作で簡単に行なえます。Cylinder(円柱)ツールは、円形の断面を持つ円柱を描くことに優れているでしょう。

BooleanDifference

また、壁を作成した後はBooleanDifference(ブール差)」を使って、窓やドアの開口部を作る作業です。ブール差は、2つのオブジェクトの交差部分を取り除く操作となります。簡単に壁を抜いて窓やドアの型穴を開けることが可能です。

もし窓を作りたい場合、「Rectangle(長方形)」ツールを使って窓の位置を決め、その後、「BooleanDifference(ブール差)」で壁に穴を開けます。次に、「Rectangle(長方形)」ツールは、窓の枠を描くために使用します。こうして窓枠を作成するためには、「Extrude」や「Sweep」コマンドを使って、枠の形を作り上げます。

Sweep、Sweep2、Loft、Rotate3D

Sweep」コマンドは、指定した断面を軌道に沿って動かして形状を作り出すツールです。使いこなせれば、精密な建物をモデリングすることができます。

さらに、その次は屋根の作成です。屋根の断面をまずは作り、その後LoftSweepを使って形状を作り上げます。「Loft」コマンドは、複数の断面を指定することで、2つの断面を滑らかに繋げて立体的な形状を作成することが可能なツールです。

例えば、切妻屋根を作る場合、ポリラインで屋根の形を描き、その後Loftコマンドで屋根を立体的に作成できます。また、屋根の傾斜を調整するためには、オブジェクトを回転させる「Rotate3D」機能です。

おおまかな手順としては、まず「10メートル×15メートル」の建物に30度の屋根を作成する場合を想定し、ポリラインで屋根の断面を作成。その後、Rotate3Dで傾斜をつけます。

次に、Sweep2コマンドを使って、屋根の形状を完成させます。ちなみに、「Sweep2(スイープ2レール)」は、2本のレールを指定し、その間にある断面で複雑な形状を作り上げるツールです。建築設計で使われるリアルで精度の高いツールとして、思い通りの屋根を作ることができます。

5.建物の内部構造の作成

建物の内部構造を作成する際は、まず間取りや部屋の仕切りを決定します

Rectangle

このとき、「Rectangle(長方形)」ツールを使って間仕切りを設定し、リビング、寝室、キッチンといった部屋を分けて配置することが可能です。

Polyline、Extrude、BooleanDifference

Polyline、Extrude、BooleanDifference

その後、Polyline」ツールを用いて壁の位置を決め、再び「Extrude」ツールで内側の壁を立ち上げます。今回は、壁の高さを2.5メートルに設定する仮定の大きさです。さらに、「BooleanDifference(ブール差)」ツールを使ってドアの開口部を作成できます。するとドアの幅は0.9メートル、高さは2メートルくらいに設定することが可能です。

Block、Fillet、Bevel

家具や設備の配置は、「Block」機能を使うことで作成可能です。これで同じデザインの家具やオブジェクトを一度に配置できます。配置した家具を必要に応じて変更することも簡単です。

さらに、建物内の装飾や細かいパーツの追加も進めます。建物の外観や内部にリアリティを加えるためには、装飾や細かいパーツを追加することです。モールディングや手すりを作成する際は、「Fillet」や「Bevel」ツールを使って、エッジを丸めるとより洗練された仕上がりになります。

Sweep、NetworkSrf

階段やスロープを作成する場合には、「Sweep」や「NetworkSrf」ツールを使用しましょう。このツール使用で滑らかな形状を作りやすくなります。

Material Editor、Wood

次に、材質を選んで、レンダリングの設定を施す操作も覚えましょう。材質選択には、「Material Editor」を使って、表面の質感を設定可能です。例えば、木材やコンクリート、ガラスといった材質を選んで、反射や透明度を調整すれば、リアルな質感を表現することができます。

その際、木製の床には「Wood(木材)」の材質を選び、スケールを2メートル×2メートルにまずは調整することです。また、コンクリートの壁に関しては、適切な質感を設定して、窓ガラスの透明度を70%に調整すれば、現実的な仕上がりになります。

Sun、Point Light、Spot Light

Sun、Point Light、Spot Light

レンダリングの際、自然光と照明設定は、自然光の設定に「Sun」ツールを使うのが便利です。太陽光の位置や強さを調整することで、異なる時間帯の明るさを再現できます。例えば、「14:00」に設定すれば、午後の明るい時間帯に影が落ち、自然な見た目の仕上がりに落ち着くのです。

室内の明るさは、「Point Light」(点光源のこと)や「Spot Light」を使って調整できます。その後、レンダリングを行うためには、「Render(レンダー)」コマンドを使用して、操作が完了となるのです。

6.完成した建築モデルをエクスポートして終了

完成した建築モデルは、用途に応じてエクスポートが可能です。例えば、CADソフトで使用する場合は「DWG」や「DXF」形式で保存することができます。3Dプリント用には「STL」形式が適していますし、プレゼンテーション用の高解像度画像も保存可能です。

AutoCADDWG形式を使用する際には、「Export Selected」オプションで「.dwg」形式がよいでしょう。今回は、3Dプリント用にSTL形式でエクスポートすると想定します。この形式なら、後々のプリントアウト作業をスムーズに進められます。

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建築モデリングでのライノセラスの勉強方法

設計しているイメージ

ライノセラスを使って建築モデリングを学習する際は、まず基本的な操作をしっかりと理解することから始めます。一般的には、公式のチュートリアルや書籍を参考に、最初はシンプルな建築形状を作成しながら操作に慣れることです。

次に、建築用プラグインの活用を覚えます。例えば、「Grasshopper」というツールは、ライノセラスの拡張機能です。パラメーターや数値で形状を自動で変えられます。初心者には難しい機能ですが、シンプルな数式から始め、徐々に複雑な形状を作れるようになることでスキルアップが図れます。

また、さまざまなプラグインを活用することで、モデリングからできることを増やしスキルを向上を目指しましょう

建築設計事務所ですでに働いている方は、実際のプロジェクトに取り組むことも学習に効果的となります。例えば、小さな建築モデルを作ることで、実際の設計プロセスを学ぶことが可能です。また、すでにある建物をよく使うライノセラスでモデリングする機会を得られます。

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ライノセラスを使い方はセミナーで学ぼう

設計しているイメージ

ライノセラスの勉強方法はさまざまなものがありますが、独学で学習することには限界を感じる方もいるでしょう。そこで、Rhinoceros基礎セミナー」の短期集中セミナーなどを活用して、実践的に学んでいきましょう

セミナーが終わった後も、効率的にライノセラスのスキルやノウハウを積み上げることができます。初歩を学んで実務に活かしたい方は、ぜひセミナー受講を検討してみてください

まとめ

本記事では、ライノセラスを使った建築モデリングの基本操作を解説しました。その中で、ツールの使い方やビューの活用で建物の基本形状を作成する手順を身につけることが最初のステップです。今回紹介した手順を繰り返して身につけることで、効率的に建築モデリングを学ぶことができます。

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