生産性向上につながるレンダリング機能を備えたTwinmotionは、他にもさまざまな機能を実装している分、その使い方を身につけるのにも苦労する人も多いかもしれません。
この記事では初心者に向けてTwinmotionの基本的な使い方と、使い方を身につけていく上で知っておきたいポイントを解説します。
Twinmotionについて
TwinmotionはEpic Games社が提供している、レンダリングなどの操作が可能なビジュアライゼーションソフトです。プロの現場でも通用するような高度な機能を複数備えており、使いこなせるようになれば3DモデリングソフトとTwinmotionだけで、オールラウンドな業務環境を整備できるでしょう。
さまざまな大人気ゲームを開発してきた会社のサービスということもあり、信頼性や知名度の面から豊富な導入実績を持ち、国内外で多くのユーザーを抱えています。日本においても多くのデザイナーやクリエイターがTwinmotionを採用し、日本語の情報も豊富なため、使い方の検索などに困る心配もありません。
Twinmotionの導入メリット
Twinmotionの導入は、以下のようなメリットが期待できることから高い人気を誇ります。
Unreal Engineとの相性が良い
TwinmotionはEpic Games社が提供する人気ゲームエンジン「Unreal Engine」との相性が非常に良いことで知られています。3Dモデルデータは両サービスの間でシームレスに共有ができ、Unreal Engineで作ったものをTwinmotionで加工する、あるいはその逆も可能という便利な代物です。
Unreal Engineはゲーム開発以外の現場でも導入が進んでおり、無料で利用可能なため、興味がある場合はこちらも触ってみることをおすすめします。
無料で使用できる
また、Twinmotionは無料での利用ができる点も高い評価を集める理由の一つです。基本機能については無料版で十分賄うことができ、操作方法も有料版と同じであるため、使い方を学ぶ段階であってもコストの心配が必要ありません。
Twinmotionをプロレベルで使用したい場合には有料版の購入が必要ではあるものの、近年はやりのサブスクリプション形式ではなく、買い切り型のプランであるため、継続的に課金が発生するわけではない点もメリットです。
Twinmotionをダウンロード・インストールするやり方
ここではまず、Twinmotionを使うにあたって必ず必要なダウンロードの手順について、その方法を解説します。
Twinmotionをダウンロードするには、まず専用プラットフォームである「Epic Games Launcher」のインストールが必要です。これはEpic Gamesが提供する各種アプリケーションを利用する上で使用するサービスで、Unreal Engineを使用する際にも、このプラットフォームをインストールする必要があります。
Epic Games Launcherをインストールするには、公式サイトへアクセスすることで簡単に実行が可能です。Epic Games Launcherをインストールした後はそのままアプリを起動し、Epic Gamesアカウントにログイン、またはアカウントを新規作成しましょう。
アカウントへのログインが完了したら、Twinmotionのダウンロードを行います。プラットフォームにはTwinmotionのタブがあり、選択するとダウンロード実行ボタンがあるので、これをクリックしてダウンロードを実行します。
Twinmotionは無料で利用ができるため、ダウンロードに伴う決済情報の入力などは必要ありません。有料の製品版をインストールしたくなった場合、決済情報の登録が必要です。
Twinmotionの使い方
それでは、Twinmotionのさまざまな使い方について解説していきます。
新規プロジェクトの立ち上げ
Twinmotionのインストールが完了したら、続いてプロジェクトの立ち上げ方を身につけましょう。Twinmotionでプロジェクトを立ち上げるには、まずTwinmotion本体を起動します。するとテンプレートを選択してプロジェクトを立ち上げるか、全くの新規でプロジェクトを立ち上げるかを選ぶことが可能です。いずれかをクリックすると、プロジェクトの立ち上げが実行されます。
任意の方法でプロジェクトを立ち上げたら、最初に目に入るのがビューポートと呼ばれる画面です。ビューポートはTwinmotionの操作におけるスタンダードな画面表示で、3Dオブジェクトの表示や編集の際に用います。以下の表は、ビューポートにおける基本的な操作コマンドをまとめたものです。
左クリック | オブジェクトの選択 |
右クリック | オブジェクトの選択解除 |
W・S・A・Dキー | W:前へ移動、S:後ろへ移動、A:左に水平移動、D:右に水平移動 |
Q・Eキー | Q:上昇、E:下降 |
左クリックしながらカーソル移動 | クリック箇所を中心に移動 |
右クリックしながらカーソル移動 | 自分視点を中心に移動 |
ホイールクリックしながらカーソル移動 | 画面上を並行移動 |
Fキー | 選択オブジェクトに視点移動 |
上記のコマンドは、Twinmotion使用時の基本的な使い方となるため、早い段階で身につけておくのがベターです。
Twinmotionの基本的なツール
続いて、Twinmotion上で使用機会の多い編集ツールの使い方を紹介します。Twinmotionを使った基本的な編集操作は、ビューポートの左側にあるパネルを操作することで実行可能です。パネルが見つからない場合、ビューポート左上にある三角のアイコンをクリックすると、展開することができます。
パネルを展開すると、
- マテリアル
- 植栽
- オブジェクト
- ライト
といった項目が現れます。マテリアルは、ビューポートにあるオブジェクトの質感を自由に選ぶことができる項目で、ガラスや木材、金属など豊富な種類が揃っています。これらをドラッグ&ドロップでオブジェクトに適用することで、マテリアルがそのまま反映されるため感覚的に利用できるでしょう。
植栽は、ビューポート空間に木々や植物を追加するための項目です。3Dオブジェクトの周辺環境を整備し、公園や庭のような空間を構築するのに使います。植栽をうまく活用すれば、よりプロジェクトの完成系のイメージを具体的に固めることができます。
オブジェクトは、インテリアなどの置物を設置することができる項目です。建物の内装を手がける場合などの際に使用する項目で、通常であれば何もなかったはずの3Dモデルの内部をオブジェクトで彩り、内装のイメージをわかりやすくクライアントに伝えられます。
ライトは、光源の設置などを行える項目です。ビューポート内に光の概念を与え、ライトや街灯などを設置した際、どのように空間が照らされるかのイメージを固める上で役に立ちます。
いずれの機能も、ドラッグ&ドロップ操作で簡単に扱うことができます。まずはそれぞれを一度触ってみながら、具体的な操作感やプロジェクトの印象の変化を体験してみることが大切です。
Twinmotionの使い方をより深く理解するためのポイント
Twinmotionは便利なツールで、それぞれの使い方を覚えることでどんどんそのポテンシャルを引き出すことができます。Twinmotionの使い方を学ぶ上で便利な方法としては、
- Twinmotionの公式チュートリアルを参考にする
- 関連書籍を手元に置いておく
- YouTubeを参考にする
といったものが挙げられます。それぞれ解説します。
Twinmotionの公式チュートリアルを参考にする
Twinmotionは大手企業が提供しているビジュアライゼーションソフトということもあり、公式のチュートリアルが非常に充実しています。テキストや動画を使った、初心者向けのノウハウをいつでも無料で参考にできるので、困ったことがある時や、一から体系的に使い方を学びたい場合には、こちらを参考にするのが効果的です。
また、Twinmotionは業種ごとのテンプレートも豊富に揃っているので、それらを開いて、どのように構築されているのかを触りながら確かめてみるのも有効です。どこでどのようにそれぞれのツールを使用しているかの参考になるため、活用してみましょう。
関連書籍を手元に置いておく
Twinmotionは知名度の高いサービスであるため、日本語での関連書籍も書籍も登場しています。わからないことがあった際にはネットで調べることで解決することもできますが、紙で手元に置いておけば、検索の手間がかなり省けます。
まずは一冊便利そうな書籍を購入し、適宜それを使って調べる癖をつけておくことがおすすめです。
YouTubeを参考にする
最新の情報や映像でわかりやすく知識を学びたい時には、YouTubeを使いましょう。多くのクリエイターが日本語でわかりやすくTwinmotionの使い方や、最新機能の紹介をしてくれているため、新しいノウハウを学ぶ、あるいはあまり知られていないテクニックを身につけるのに役立ちます。
本や公式チュートリアルよりも情報の登場が早いこともあるので、お気に入りのクリエイターなどを探し、こまめに確認してみましょう。
Twinmotionの使い方についてまとめ
この記事では、Twinmotionの機能や主な使い方を紹介しました。Twinmotionは多くの機能が備わっており、使い方を一度に身につけるのは至難の業です。インストールしたての場合、まずは基本的な操作方法を覚え、実際にマテリアルの設置などを試してみたりするなどして、Twinmotionそのものに馴染むところからスタートしましょう。
また、基本的な操作方法から小技に至るまで、多くの情報を公式チュートリアルやYouTube上で知ることもできます。自分の必要に応じて最適な情報源を探し、有効活用することが大切です。