作図に利用できるソフトに「AutoCAD LT」というものがあると気になっていないでしょうか。
しかし、そのようなサービスを利用できるのかわからない、また、類似ソフトとの違いがわからないとお悩みの方もいるはずです。
そこでこの記事では、ソフトの特徴や現在のサービス提供の状況を紹介します。
ライセンス提供の情報をまとめていますので、CADソフト導入の参考にしてみてください。
AutoCAD LTとは?
AutoCAD LTとは、文字通りAutoCADの機能をライト(軽く)にした作図ソフトです。
AutoCADから一部機能を削ったことによって、お得な価格で提供されていました。
また、個人や一部の製図作業だけを行う建築事務所・個人企業向けのAutoCADとしてもよく利用されていました。しかし2023年現在、AutoCAD LTはすでに提供が停止しています。
AutoCAD LTの現状について詳しく見ていきましょう。
- AutoCAD LTはすでに契約プランから除外
- AutoCAD LTは永久ライセンスも販売終了している
- AutoCAD LTの中古版なら購入できる
AutoCAD LTの現状1.AutoCAD LTはすでに契約プランから除外
Autodesk社が提供するAutoCAD LTは、2021年5月に新規サブスクリプションとしての提供が終了しています。現在では、AutoCAD LTを契約できないことを覚えておきましょう。
保守プランは2021年5月7日に終了し、マルチユーザー サブスクリプションの提供は2022年8月7日に終了します。保守プランまたはマルチユーザー サブスクリプションを現在ご契約の場合は、下取りによる移行プログラムをご利用いただけます。
また、2023年現在で利用できるのは「AutoCAD」と「AutoCAD Plus」の2プランです。
AutoCADは2D・3Dの作図を行える標準プラン、AutoCAD PlusはAutoCADと業種別の多彩な機能をまとめて利用できるプランとして提供されています。
各種プランについて詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事をチェックしてみてください。金額についてもまとめています。
AutoCAD LTの現状2.AutoCAD LTは永久ライセンスも販売終了している
AutoCAD LTは、買い切り型として提供されていた永久ライセンスの販売も終了しています。
Autodesk製品はすべて永久ライセンスからサブスクリプションへと移行し終わっているため、今後はAutoCADのプランも同様に月額制・年額制の支払いが必要です。
AutoCAD LTの現状3.AutoCAD LTの中古版なら購入できる
非公式ですが、フリマアプリやオークションサイトといった場所で中古版のAutoCAD LTが販売されています。販売されているのは永久ライセンスのAutoCAD LTであり、一度購入すれば、永続的に利用できるのが特徴です。ただし、中古版のAutoCAD LTを購入することには次のリスクがあります。
- サポートを受けられない
- 最新のAutoCADに比べて機能が乏しい
- 偽物や不良品を購入してしまうケースがある
初めてAutoCAD LTを操作する人、業務として利用したい人にとってネックな項目です。
本格的に作図ソフトを利用するのならAutoCADもしくはAutoCAD Plusを導入するのが良いでしょう。
作図ツールをお探しならAutoCADがおすすめ
建築・土木・機械関連の業務で利用できるCADソフトをお探しなら、すべての機能が揃ったAutoCADをおすすめします。ここでは、AutoCADを導入する魅力を解説しているので、導入の参考にしていただけると幸いです。
AutoCAD LTよりも機能が豊富
AutoCAD(またはPlusプラン)は、AutoCAD LTと比べて豊富な機能が搭載されています。
2D作図のみ対応していたAutoCAD LTよりも機能の幅が広がっているほか、最新の公式サポートを利用できるのが魅力です。
便利な拡張機能、業種別で利用できる機能が用意されているのもAutoCADだけです。
商用目的でCADソフトをお探しなら、ぜひAutoCADのプランを契約してください。
サブスクリプションとして最新機能を利用できる
AutoCADは、月額制・年額制として支払うサブスクリプションが提供されている分、充実したサポートを受けられます。その中でも魅力的なのが、バージョンアップに伴う最新機能の追加です。
業務を便利にする機能が追加されていくほか、電話やメール、チャットを利用したサポートを受けられます。わからないことを相談できる環境が整っているため、中古版のAutoCAD LTではなくAutodesk公式のプランを契約しましょう。
CADソフト「AutoCAD」について詳しく知りたい方は、以下の記事がおすすめです。
AutoCADの概要や活用事例を詳しく解説しています。
AutoCAD LTの販売時の価格はいくら?
参考として、AutoCAD LTの販売時の価格を整理しました。
契約期間 | AutoCAD LTの契約価格 |
1年契約(LTの機能のみ) | 64,900円/年 |
1年契約(CALS Toolsの機能含む) | 82,500円/年 |
※現在は販売が終了しています
2D作図などに特化したCADソフトであったため、お得な金額で販売されていたのが特徴です。
AutoCADの価格はいくら?
AutoCAD LTに対して、AutoCADは以下の価格で販売されています。
契約期間 | AutoCADの契約価格 |
1ヶ月契約 | 8,800円/月 |
1年契約 | 71,500円/年 |
3年契約 | 214,500円/3年 |
金額を比較して分かるように、AutoCAD LTとの契約費用の差はそこまで大きくありません。
3Dモデリングといった機能が必要な方にとっては、お得に利用できるプランだといえます。
AutoCADとAutoCAD LTの違い
AutoCADとAutoCAD LTの違いを整理しました。金額差の小さい2つのプランのうち、なぜAutoCADをおすすめするのか参考にしていただけると幸いです。
3Dモデリング機能
AtuoCADでは、2D作図だけでなく3Dモデリングを行えるのが特徴です。近年の図面作成業務では、3Dデータを用いた案件も多く、納品物として3Dデータを求めてくる発注者も大勢います。
また機械関連の業務では、作成した3Dデータを使ってそのまま製品を出力することも増えている状況です。3Dモデリングのニーズが高まっていることから、最新の業務状況に合わせてAutoCADを活用してみてください。
ユーザーインターフェースをカスタマイズ可能
AutoCADは、ユーザーインターフェース(使いやすさ)を自由にカスタマイズできるのが特徴です。使いたい機能やお気に入りの機能を整理できるのはもちろん、ショートカットキーやコマンドを自由に調整できます。
よく使う機能をひとまとめにしておけば、わざわざリボンをクリックして機能を探す必要がなくなります。機能を探す時間を大幅に削減できることから、効率的に2D・3D作図を進行できるのが魅力です。
AutoCAD LTをお持ちならAutoCADへの移行がおすすめ
すでにAutoCAD LTを所有しており、LTのまま使い続けているのなら、このタイミングでAutoCADに移行するのがおすすめです。
例えばAutoCAD LTは次の手順で移行できます。
- AutoCAD LTをアンインストールしない状態でAutoCADをインストールする
- Autodeskアカウントの管理者権限をAutoCAD LTからAutoCADに移行する
- 設定が完了したら、AutoCAD LTをアンインストールする
詳しい移行方法はAutodesk社が公開している「AutoCAD インストールガイド」で説明してあります。興味がある方は、ぜひチェックしてみてください。
AutoCAD LTに関するよくある質問
CADソフト「AutoCAD LT」について、よくある質問を整理しました。
気になる項目、疑問に思っている項目をチェックしてみてください。
すでにAutoCAD LTをインストールしていた、永久ライセンスを所有していた人のみ継続して利用できますが、2023年現在では、新規サブスクリプション契約を行えません。
中でも教育機関に属する学生や教員であれば、AutoCADを無料で使い続けることも可能です。ただし企業や個人は学生版を利用できないので注意してください。
AutoCAD LTについてのまとめ
今回は「AutoCAD LT」のことが気になっている、利用してみたい人向けに、現在のサービス提供の状況、AutoCADやAutoCAD Plusとの違いをわかりやすく解説しました。
2023年現在、AutoCAD LTはすでに保守が終了しています。契約形態もサブスクリプションのみに移行しているため、AutoCAD LTを新規で契約することはできません。
もし2D・3Dの作図機能を利用したいのなら、AutoCADを契約しましょう。
また、AutoCADについて、使い方や初歩的な知識・ノウハウを学びたい方も多いでしょう。
それならまずはAutoCADのセミナーを受講して、AutoCADの特徴や操作方法を学んでみてはいかがでしょうか。気になるセミナーをリサーチしてみてください。
既にAutoCADを利用していて日々の業務を効率的に進めたい方には、AutoCAD自動化セミナーをおすすめします。このセミナーは2日間でプログラミング言語やスクリプトを利用したAutoCAD操作の自動化を習得することが可能です。