Autodesk社が提供しているソフト「Revit」に興味をお持ちの方も多いのではないでしょうか。しかし、具体的に何ができるソフトなのか、他製品との違いは何なのか分からず、導入に進めないとお悩みの方もいるはずです。
そこでこの記事では、Autodesk社が提供するRevitの概要や機能ついてまとめました。また、Revitと似たソフトAutoCADとの違いや、Revitをお得に利用するコツも解説しているので、Autodesk製品の利用やRevitを活用する参考にしていただけると幸いです。
Autodesk社が提供するRevitとは?
Autodesk社が提供している製図ソフト「Revit」とは、2D図面の作成・3D図面の作成をまとめて行えるBIMソフトです。Revitは主に、設計・施工分野で活用されることが多く、建築・土木業界の必須ツールとして人気を集めています。
3Dモデルをベースとして数量・金額・データ解析を実施できるBIMソフトは豊富にありますが、その中でも多機能性に優れるのがRevitです。Autodesk社が提供する以下ソフトと連携することにより、さらに業務の幅を広げられます。
- Civil3D(地形データの作成・調整・解析)
- Infraworks(3Dモデルの統合による合意形成)
- Navisworks(施工ステップや交通解析)
- Recap(点群データ生成・編集)
例えば、Revitで作成したデータを他のソフトに反映できることはもちろん、他のAutodeskソフトで作成したデータをRevitに読み込むことも可能です。Autodesk社が提供するソフトを組み合わせることによって、Revitの能力を最大限に引き出せます。
さらに詳しくRevitのことを知りたい方は以下の記事がおすすめです。あわせてご参考ください。
Autodesk社とは?
Revitを提供しているAutodesk社は、主に3D技術を使ったデザイン・設計・エンジニア向けのソフトウェアを開発している会社です。その中でも、建築・土木業界向けに提供されているのがRevitを含むBIMソフトとなります。
またAutodesk社は、CAD製品のパイオニアとしてその名を知らしめているアメリカの企業です。2D図面作成に利用するCADソフト「AutoCAD」の登場を筆頭に、1997年頃からRevitといったBIMソフトの開発・提供もスタートしました。
2023年現在においては、BIMソフトの大手企業として約40%の世界シェアを獲得しています。また国内シェアとしては、約60%のユーザーがRevitを活用していることが分かっています。
Revitと似たソフトAutoCADとの違い
Autodesk社が提供するRevitと似た製図ソフトとして、AutoCADという製品があることをご存じでしょうか。
AutoCADとは、Revitと同じくAutodesk社が提供する製図ソフトです。本項では、大きな違いを「機能」「価格」の面から比較しています。具体的に何が違うソフトなのか詳しく見ていきましょう。
- 機能の違い
- 価格の違い
- AutoCADからRevitへ移行すべき理由
機能の違い
Autodesk社が提供するRevitとAutoCADは、製品の機能が異なります。
まずAutoCADは2Dモデルを作成するCADソフトであり、製図に特化した機能を利用できます。一応、3DCADの機能も提供されていますが、機能数や自動化の能力に劣るのが特徴です。これに対し、Revitは3DモデルをベースとしたBIMソフトです。製図の機能はもちろん、次のような機能を利用できます。
- 製図
- 数量作成・管理
- ドキュメントの作成
- プロジェクト管理
豊富な機能をまとめて利用できるほか、業務適用範囲がAutoCADよりも優れています。作業効率にも大きな差が生まれるため、機能面は「AutoCAD<Revit」という関係が成り立つと覚えておきましょう。
価格の違い
Autodesk社が提供するRevitとAutoCADは、金額面が異なります。以下にそれぞれの契約プランを整理しました。
Autodesk社の契約期間 | Revitの契約金額 | AutoCADの契約金額 |
1ヶ月契約 | 53,900円/月 | 8,800円/月 |
1年契約 | 427,900円/年 | 71,500円/年 |
3年契約 | 1,283,700円/3年 | 214,500円/3年 |
金額としては機能面が多い分、Revitのほうが高額となります。ただし、適用できる業務範囲や機能面に差があるため、作業効率化の観点から比較することが重要です。
またRevitの価格について詳しく知りたい方は以下の記事をご参考ください。
AutoCADからRevitへ移行すべき理由
もし「Autodesk社の製品の導入を考えている」「Autodesk社のAutoCADを利用している」という方がいるのなら、今後はRevitの導入・以降するのがおすすめです。その理由を以下に整理しました。
- 国土交通省からBIM導入が推奨されている
- BIM関連業務の発注が一般化してきている
- 業務効率化や生産性向上を期待できる
現在、少子高齢化の対策として国を挙げた建築・土木業界の改善が目指されています。その対策のひとつにBIMソフトの原則導入があり、CADソフトからBIMソフトへと移行する計画が進んでいます。
将来的にも、Autodesk社が提供するAutoCADからRevitへ移行が進んでいくと予想できます。効率よく建築・土木の業務を進めるためにも、ぜひRevitの導入を検討してみてください。
Autodesk製品のRevitの主な機能
Autodesk社が提供しているRevitは、主に次の機能を利用できます。
- 3Dモデル(BIMモデル)の作成
- 数量の自動算出
- モデルデータの解析
具体的な使い方を画像付きでご紹介します。
3Dモデル(BIMモデル)の作成
Autodesk製品のRevitは、3Dモデル(BIMモデル)の作成に利用できます。例えば、以下の3DモデルはRevitによって制作されました。
3Dモデルは、ただ3Dという目的だけでなく、数量産出や情報整理に役立つ「属性情報」の付与やテクスチャ設定が可能です。また、3D図面の任意箇所を切り取り、3Dモデルとリンクした2D図面を作成できます。
3Dモデルを修正するだけで2D図面が自動で修正されるため、整合性確認の手間を大幅に削減できます。
数量の自動算出
Revitで作成した3Dモデルはすべて寸法や面積の情報が与えられているため、数量を自動算出できます。数量は集計表にまとめることが可能です。
また、対象オブジェクトのプロパティから、それぞれのパラメータを確認できます。正しい数量になっているのか個別確認もできるため、ミスの少ない図面作成が可能です。
モデルデータの解析
Autodesk製品のRevitは、3Dモデルを活用して、モデルデータの解析を実施できます。例えば、ヒートマップ化した構造解析ができることはもちろん、鉄筋・配管の干渉チェックとしても利用可能です。
また、Revitは解析用のプラグイン・アドオンをダウンロードすれば、次のような解析も実施できます。
- 日照解析
- 照明解析
豊富な自動解析機能が準備されているので、ぜひ業務に活用してみてください。
Autodesk製品Revitをお得に利用するコツ
Autodesk社が提供するRevitといったBIMソフトは、豊富な機能そして3Dモデルを使った高性能なデータが使われているため、高額な費用がかかります。そのため、費用負担を不安視する方も多いのではないでしょうか。
それならAutodesk社が提供する「AECC」というパッケージを契約してみてください。AECCとは、複数のBIMソフトがまとまった契約プランのことです。単体契約より少し高い金額で複数のBIMソフトを自由に使えます。参考としてRevitとの価格比較を整理しました。
Autodesk社の契約期間 | Revitの契約金額 | AECCの契約金額 |
1ヶ月契約 | 53,900円/月 | 64,900円/月 |
1年契約 | 427,900円/年 | 522,500円/年 |
3年契約 | 1,283,700円/3年 | 1,567,500円/3年 |
AECCには「Revit」「Civil3D」「AutoCAD」「Navisworks Manage」といったソフトがまとまっています。「BIMソフトとAutoCADを使いたい」「複数のBIMソフトを使いたい」という方は、ぜひAECCの契約を検討してみてください。
AutodeskのRevitに関するよくある質問
Autodesk社が提供するRevitについてまだ気になるポイントがあるとお悩みではないでしょうか。最後によくある質問を3つまとめました。疑問解決の参考にしてみてください。
Autodesk製品のRevitについてのまとめ
今回は、Autodesk社が提供するRevitの特徴や機能、お得な利用方法についてご紹介しました。
Autodesk社のRevitを含め、BIMソフトは今や建築・土木業界になくてはならない設計・施工ツールです。図面作成や数量作成を効率化できることはもちろん、プロジェクト管理にも活用できます。AECCを利用すればお得にRevitを利用できるため、予算に合わせて最適なプランを契約してみてください。
また、Autodesk製品やRevitについて詳しく学びたいのなら、セミナーに参加してみてはいかがでしょうか。