無料で使えるCADソフトとして高い知名度を誇るJw_cadは、その使い方を学ぶことで、基本的な2DCAD操作を簡単に行うことができます。プロの現場でも採用されているJw_cadの使い方を学べば、本格的なプロジェクトにおいても確かなスキルを発揮することができるでしょう。
この記事では、そんなJw_cadの使い方について、初心者が覚えておくべきポイントを解説します。
Jw_cadとは
Jw_cadはWindows向けに開発・提供されている2D専用のCADソフトです。高度なCAD操作が可能な製品でありながら、すべての機能を無料で利用ができるということで高い人気を誇り、組織的なCAD導入が必要になった場合でも、コストを抑えて実装ができます。
3Dモデリングには対応していないものの、2.5次元設計が可能であるなど立体性を確保した操作も可能であるため、幅広い現場での運用に応えられるソフトと言えるでしょう。
Jw_cadのダウンロード方法
Jw_cadの使い方を覚える前に、まず必要なのがJw_cad本体のダウンロードです。Jw_cadをダウンロードするためには、Jw_cadの公式サイトにアクセスする必要があります。
公式サイトを訪れると、最新バージョンであるVersion 8.25aがダウンロード可能となっているので、これをクリックしましょう。するとEXE形式のファイルのダウンロードが自動で始まり、これを展開してインストールを行えば、Jw_cadの利用準備は完了です。
Jw_cadの図面枠の使い方
Jw_cadで作図を行う際、まずやっておくべきなのが図面枠の作成です。図面枠の作成とはどの部分に図面を作成するのかを定義することを指し、あらかじめ図面枠を定めておけば、印刷などを実行する際の工程が効率化されるので、非常に便利です。
図面枠がなくても作図自体は実行できるものの、遅かれ早かれ日常的に実行することになる操作であるため、早いうちに慣れておくと良いでしょう。
Jw_cadで図面枠を作成するには、まず右側のツールバーにある「印刷」をクリックします。その後プリンター印刷の設定画面が表示されたら「OK」をクリックすると、印刷範囲がどのあたりにあるのかを示す枠が図面上に表示されます。
基本的に作図は横向きの図面を使って行うので、表示された縦向きだと使いづらい問題が出てくるでしょう。そこで画面上部にある「回転」タブをクリックして、図面枠の90度回転を実行します。
最後に画面右にある「枠書込」タブをクリックし、図面枠は完成です。図面枠を指定しておくと、印刷の時に作図したものが出力されないようなトラブルを回避することができます。また、右側のツールバーにある「線属性」タブから枠線のビジュアルや属性を変更することも可能です。
Jw_cadの描画ツールの使い方
図面枠が完成したら、実際にJw_cadを使って作図作業を進めてみましょう。作図における基礎の基礎となるのが、描画ツールです。描画ツール使用にあたって、使い方を覚えておきたいのが
- 直線の描画方法
- 円の描画方法
- 曲線の描画方法
の3つです。これらを覚えておけば、基本的な図形であれば難なく作図することができるでしょう。順に方法を解説します。
直線の描画 | ツールメニューの「/」アイコンをクリック |
円の描画 | 「中心線」タグを操作後「○」アイコンをクリック |
曲線の描画 | 上部ツールバーの「曲線」をクリック |
直線の描画方法
まずは、Jw_cadの直線ツールの使い方です。直線は極めて基本的な描画ツールですが、使い方としては左側のツールバーにある「/」をクリックすることで展開するところから始めましょう。
「/」をクリックしたら、直線描画の始点を定めます。直線のスタート地点となる場所をマウスで左クリックしましょう。するとクリックした部分を始点に直線が引かれるので、終点にしたい部分をクリックすることで、直線を描画できます。
直線を含め、以下の円や曲線を描画する場合も、クリックで始点を指定、再度クリックで終点を指定という操作は変わりません。ペンを持って線を引く感覚とは大きく異なるので慣れるまでに時間がかかるかもしれませんが、感覚的に操作を行えるように慣れておきましょう。
円の描画方法
続いて、Jw_cadを使った円ツールの使い方です。円を描画したい場合、左側ツールバーの「中心線」タグをクリックすれば、円を描くことができます。
「中心線」タグをクリックしたら、まずは図面枠の上下左右の辺を一回ずつクリックしましょう。これで縦線と横線が交差する十字が描かれ、その中央に中心点が現れるはずです。
続いて、左側のツールバーにある「○」アイコンをクリックしましょう。そして先ほど作成した中心点付近で右クリックすると、中心点を軸とした円が描かれます。
円が描画されたら、マウスを操作して円の大きさを調整することができます。円の大きさが定まったら左クリックを入力し、円の作図を確定できます。
曲線の描画方法
次は、Jw_cadの曲線ツールの使い方です。曲線を描きたい場合は、上部ツールバーにある「曲線」タブをクリックしましょう。するとコントロールパネルが表示され、
- サイン曲線
- 2次曲線
- スプライン曲線
- ベジェ曲線
といった4つのタグを選ぶことができ、それぞれの種類に応じて豊富な曲線を描くことができます。基本的な曲線の描き方は、直線を描く時と同じプロセスで進められます。
曲線の生成のされ方が上記の4つのタグによって異なるので、まずは実際にどのように曲線が描かれるのかを操作して確かめ、それぞれを使い分けられるように慣ればベターです。
Jw_cadの消去アイコンの使い方
描いた線が思ったように仕上がらなかった場合、Jw_cadでは消去アイコンを操作することで指定した線を消去し、描き直すことができます。
消去の使い方ですが、まずは左ツールにある「消去」アイコンを選択しましょう。その上で消去したい線にマウスポインターを合わせ、右クリックすると、クリックした線がそのまま消去されます。
線を丸ごと消したい場合はこの操作で問題ありませんが、線の一部分だけを消去したい場合は「消去」アイコンを左クリックした後、線の上で再び左クリックします。
すると消したい線の範囲を手動で選択できるようになるので、消したい部分の先端を右クリックして指定し、反対側の先端を左クリックで範囲を確定させると、その部分だけ線が消されるようになります。
Jw_cadの拡大と縮小の使い方
図面作成が進むと、複数の線などが重なり、ディテールを把握することが難しくなってきます。そこで活用したいのが拡大・縮小を切り替えるツールで、必要に応じて図面の縮尺を自由に切り替えることができます。
Jw_cadを使って図面を拡大・縮小する場合、上部ツールバーから「設定」を選び、「基本設定」をクリックして「一般」タブを開きます。そこから「マウスホイール」を選択し「+」あるいは「-」にチェックを入れてください。
再び図面に戻り、マウスポインターを図面枠に合わせてマウスホイールを操作すると、拡大・縮小を自由に操作することができます。
Jw_cadのレイヤー設定の使い方
Jw_cadには、図面作成をレイヤー化して効率的に編集が行える機能が備わっています。レイヤー機能を使用するには、まず上部ツールバーの「レイヤ」を選択し、レイヤーダイアログを表示させます。
レイヤーは数字とアルファベットを割り当てることで作成することでき、全部で256層ものレイヤー構造に仕上げることも可能です。図面の各部位に対してレイヤーを割り当て、パーツ単位で図面を管理できるようになれば、強力な業務効率化が期待できます。
また、レイヤーごとに表示非表示を切り替え、ディテールの確認を容易にすることも可能です。レイヤーごとに名前を設定することもでき、確認のしやすさをさらに高められます。
Jw_cadで図面を保存するには
Jw_cadを使って図面を保存するための使い方も確認しておきましょう。作成した図面の保存には、まず画面左上の「ファイル」を選択します。そこから「名前をつけて保存」を選ぶと、図面に任意の名前をつけた上で、所定のファイルに図面を保存することができます。
保存した図面を呼び出す場合は「ファイル」から「開く」を選択し、ファイルリストから開きたい図面を選び、クリックすれば展開可能です。
Jw_cadの使い方を学ぶポイント
Jw_cadの使い方を効果的に学ぶ上では、以下の3つのポイントを上手く取り入れることが大切です。
参考書籍を手元に用意する
Jw_cadは日本では知名度の高いCADソフトということもあり、関連書籍が販売されています。書籍の購入は有料となるものの、Jw_cadを扱う上での基礎や覚えておきたい小技が丁寧に紹介されているため、非常に便利です。
また、困ったときにネット検索をしなくともその場ですぐ調べられるため、リファレンスとして手元に置いておくと活躍の機会は多いでしょう。
YouTube動画を参考にする
Jw_cadの使い方を学ぶ上で役に立つのが、YouTubeです。実際の動作画面を用いた丁寧な解説を受けられるため、実機を操作しながら使い方を覚えることができます。
YouTube動画は書籍とは異なり無料で視聴ができ、すぐに手元に用意できるという点も魅力です。
多くの図面を作成する
Jw_cadの使い方を覚える上で有効なのが、やはりとにかく数をこなすことです。Jw_cadの使い方を頭で覚えても、手が動かなければソフトをコントロールするための技術は身につきません。
色々なタスクを自分に与えたり、実践での活用機会を増やすことをおすすめします。
Jw_cadの使い方のまとめ
この記事では、Jw_cadの使い方について、初心者が覚えておくべきポイントを解説しました。Jw_cadはさまざまなタスクに応用ができる便利なフリーのCADソフトで、その分使い方を覚えるのにも相応の時間がかかります。
まずは基本的な操作方法を覚え、そこから派生させるような形で高度な操作方法を身につけていくと良いでしょう。