「Copilotとは?」「BIM設計では、Copilotをどのように活用できる?」と疑問を持つ方も多いでしょう。最近では、BIM設計において生成AIを活用する方も増えてきており、なかでもCopilotは「Microsoft製品との連携」「情報の正確性が高い」という2点から注目を集めています。
そこで本記事では、Copilotの概要をはじめ、活用方法、使い方、注意点についても詳しく解説します。Copilotを活用してBIM設計業務を効率化しようと考えている方は最後までご覧ください。
Copilotとは?

出典:Copilot
Copilotとは、Microsoftが提供するAIアシスタントで自然な対話を通じて質問に答えたり、文章作成や要約、画像生成、プログラミング支援などさまざまな業務を代行・補助してくれます。
一見するとChatGPTと似ていますが、CopilotはMicrosoft製品と連携ができるため、普段Word、Excelなどを使用している方は、Copilotを活用することで生産性の向上が期待できるでしょう。
Copilotの料金
Copilotには、無料で試せるプランから、個人利用向け、法人・企業向けまで複数の料金体系が用意されています。プラン名が似ているため違いが分かりづらい印象がありますが、「どこで使えるか」「誰向けか」という視点で見ると整理しやすくなります。
| 区分 | プラン名 | 料金 |
|---|---|---|
| 個人向け | Copilot 無料版 | 無料 |
| Microsoft 365 Personal | 約2,130円/月 | |
| Microsoft 365 Family | 約2,740円/月 | |
| Microsoft 365 Premium | 約3,200円/月 | |
| 法人向け | Microsoft 365 Copilot Chat | 追加料金なし |
| Microsoft 365 Copilot Business | 約3,148円/月 | |
| Microsoft 365 Business Standard | 約4,541円/月 |
出典:Microsoft
Copilotは、利用人数が増えるほど、また業務への組み込み度合いが高まるほど料金が上がる設計になっています。個人で情報収集や文章作成を試す程度であれば、無料版やPersonalプランでも十分対応できます。
一方で、社内資料の活用や業務効率化を目的とする場合は、法人向けプランの導入がおすすめです。
BIM設計におけるCopilotの活用方法
BIM設計・業務でも、Copilotはさまざまな形で支援してくれます。ここではBIM設計でCopilotを活用する主な方法を3つ紹介します。
- BIMソフトの操作・設定方法を調べる
- 設計ルール・BIMガイドラインの策定
- 設計検討・代替案の壁打ち相手として活用
①BIMソフトの操作・設定方法を調べる
BIMソフトを使っていると、「この操作はどこで設定するのか」「前はどうやって変更したのか」と迷う場面があります。Copilotを活用すれば、ネットの情報からすぐにBIMソフトの操作や設定方法が調べられます。
たとえば、「Revitで壁の厚みを変更する方法を知りたい」と聞くと、関連する操作手順や設定ポイントを要点ごとに整理して教えてくれます。マニュアルを開いたり、検索結果をいくつも見比べたりする必要がなく、設計作業を中断せずに疑問を解消できる点がメリットです。
特にBIMソフトは情報量が多く、必要な操作にたどり着くまで時間がかかりがちですが、Copilotなら必要な部分だけを抜き出して確認できます。
②設計ルール・BIMガイドラインの策定
Copilotは文章作成も得意としているため、社内向けの設計ルールやBIMガイドライン作成にも活用できます。過去のプロジェクトで決めてきたルールや注意点を箇条書きで整理し、「これを基にガイドライン案を作成して」と指示すれば、読みやすい文章としてまとめてくれます。
一から文章を考える必要がなく、ガイドラインのたたき台を短時間で用意できるため、ルール整備のハードルが下がります。また、若手や新入社員向けのマニュアル作成にも有効です。専門用語や操作内容を整理して説明させれば、初心者にも理解しやすい表現に変換できます。
③設計検討・代替案の壁打ち相手として活用
Copilotは、設計案を検討する際の壁打ち相手としても活用でき、考えているプランについて「この案の良い点と課題点を整理してほしい」と投げかけると、客観的な視点でメリット・デメリットを整理してくれます。
たとえば、建物配置案について質問すれば、採光や動線、コスト、将来の拡張性など、複数の観点から検討材料を提示してくれます。さらに、「別案を考える際の着眼点は?」と聞けば、新たな視点や検討軸を提示してくれるため、発想の幅を広げることができます。
Copilotを活用することで、一人で考えているだけでは気づきにくい改善点やアイデアを得やすくなり、設計検討の質を高めることが可能です。
CopilotをBIM設計で活用したい方は以下の記事で生成AIとCADの連携で業務効率化について紹介しています。あわせてご覧ください。
Copilotのはじめ方・使い方
ここからはCopilotのはじめ方と使い方について解説します。Copilotはウェブ版の場合、登録などが必要なく、すぐに使用できるのも特徴です。
- Copilot公式サイトを開く
- BIM/CIMについて聞いてみる
①Copilot公式サイトを開く
初めにCopilotの公式サイトを開きます。先述した通りウェブ版で利用する際は、登録が不要で公式サイトに移動すると、下記画面が表示されます。ただし、ログインをしない場合はチャット履歴を残すことはできないため、注意しましょう。

②BIM/CIMについて聞いてみる
まずは操作に慣れるため、BIM/CIMについて聞いてみましょう。簡単に「BIMとは何ですか?」と入力してみます。かなりわかりやすく回答してくれました。

では、ここでよりわかりやすく回答してもらうために回答精度の変更を行いましょう。プロンプトの赤枠をクリックして、Think Deeperを選択してみます。


同じようにBIMとは何ですか?と聞くと以下の回答が返ってきました。

まずは操作に慣れて、徐々にCopilotの扱いに慣れていきましょう。また、Copilotについて短期間で実務レベルのスキルを身に付けたいという方もいるでしょう。そこでおすすめなのが「生成AIセミナー」です。
生成AIセミナーでは、Copilotの基礎的な使い方だけでなくChatGPTの基礎も学習できるため、比較しながらどちらが最適かを知ることもできます。また、AIの使用する上での注意点もわかるため、詳細をチェックしてみてください。
| セミナー名 | 生成AIセミナー |
|---|---|
| 運営元 | GETT Proskill(ゲット プロスキル) |
| 価格(税込) | 27,500円〜 |
| 開催期間 | 2日間 |
| 受講形式 | 対面(東京・名古屋・大阪)・eラーニング |
BIM設計にCopilotを導入するメリット

次に、BIM設計の現場にCopilotを取り入れることで得られるメリットを3つ紹介します。
- BIM設計の属人化を防げる
- 自動化・高度設計へのステップアップがしやすくなる
- BIM導入・DX推進を現場レベルで前進させられる
①BIM設計の属人化を防げる
BIM設計にCopilotを導入することで、これまで担当者の経験や勘に依存しがちだった操作方法や設定の考え方、設計上の判断基準を言語化・整理しやすくなり、BIM設計の属人化を防ぎやすくなります。
たとえば「なぜこのファミリ設定にしているのか」「このルールはどの案件から適用されたのか」といった情報も、Copilotを通じて文章としてまとめたり共有したりできるため、口頭説明や個人メモに頼らずチーム全体で同じ理解を持てるようになります。
②自動化・高度設計へのステップアップがしやすくなる
Copilotを活用することで、設計者はより付加価値の高い業務に取り組みやすくなります。資料作成や定型的な作業をAIに任せることで、人は設計の工夫や意思決定といった本質的な部分に時間を使えるようになるからです。
たとえば、これまで時間で挑戦しにくかったパラメトリック設計や、設計プロセスの自動化にも踏み出しやすくなります。コードやスクリプト作成の補助を受けながら試行錯誤できるため、「プログラミングで設計を効率化する」という一段上のスキルにも取り組みやすくなります。
③BIM導入・DX推進を現場レベルで前進させられる
BIM活用やDXを現場に浸透させる上でも、Copilotはおすすめのツールです。AIというと難しそうな印象を持たれがちですが、Copilotは普段使っている業務ツールの中で動くため、現場の担当者でも抵抗感なく使い始められます。
最初は、文章の要約や資料整理といった小さな業務から導入できるため、「まず試してみる」という形で活用が広がりやすいのも特徴です。その結果、中堅社員や若手社員が自発的に業務へ取り入れ、BIM活用や業務のデジタル化が徐々に定着していくことが期待できるでしょう。
また、以下の記事ではCopilotを活用できる人材を育成するための方法についても紹介していますので、併せてご覧ください。
CopilotをBIM業務に導入する際の注意点

便利なCopilotですが、BIM業務で活用するにあたっては留意すべきポイントもあります。最後に、Copilot導入時の主な注意点を2つ解説します。
- 設計判断をAIに任せすぎない
- 情報漏洩の取り扱いには注意する
①設計判断をAIに任せすぎない
Copilotは便利なツールですが、最終的な設計判断までAIに委ねてしまうのは避けましょう。あくまで設計者の判断を補助する存在であり、すべてを正しく判断できる万能なツールではありません。
特に、構造計算の特殊な条件や法規解釈のグレーゾーンなど、高度な専門知識や実務経験が求められる領域では、AIの回答が不十分だったり、的確でない可能性があります。また、Copilotが提示する提案も、前提条件の読み違いや情報の古さによって、実務にそのまま使えないケースも考えられます。
②情報漏洩の取り扱いには注意する
Copilotを利用する際は、社内の機密情報や個人情報の取り扱いに十分注意する必要があります。最も確実なのは、機密性の高い情報や個人データをCopilotに入力しないことです。
社内プロジェクトの詳細や未公開の設計資料をそのまま貼り付けて質問すると、外部サービスを経由する以上、情報漏洩のリスクが完全にゼロとは言い切れません。企業でCopilotを導入する場合は、
- 入力してよい情報・禁止する情報のルールを明確にする
- 機密部分はマスキングして扱う
- 社員向けにAIリテラシー教育を行う
といった運用ルールの整備をしましょう。法人向けプランではデータ保護に配慮された設計がされていますが、それでも「AIに渡す情報」と「人だけが扱う情報」を明確に分ける意識が重要です。
Copilotについてのまとめ
Copilotは、BIM設計における操作確認や情報収集、設計ルールの整理、設計案検討の壁打ちなどを幅広く支援できる、実務向けのAIツールです。Microsoft製品と連携できるという強みを活かすことで、日々の設計業務における時間を削減できます。
その結果、設計者は本来注力すべき検討や意思決定に集中しやすくなります。一方で、最終的な設計判断や機密情報の取り扱いは、人が行う必要があります。段階的に業務へ取り入れていくことで、BIM設計の効率化とDX推進を無理なく両立できるでしょう。
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