「BIMを導入したいが、何から始めればよいのか分からない」「DXを進めたいものの、自社に合った進め方が見えない」という方も多いでしょう。DXは単なるシステム導入ではなく、業務プロセスや意思決定の仕組みまで見直す取り組みであり、学習におすすめなのがDXセミナーです。
DXセミナーに参加することで、最新のDX動向や成功事例を体系的に理解できるだけでなく、BIM導入をどのように業務改革へつなげるべきかというヒントを得られます。そこで本記事では、DXセミナーの概要をはじめ、おすすめのDXセミナー5選、BIMを導入する企業がなぜDXセミナーを受講するべきなのかを分かりやすく解説します。
DXセミナーとは?

DXセミナーとは、単なるデジタルツールの操作方法を学ぶセミナーではなく、データとデジタル技術を活用して企業の価値創出や業務プロセスをどのように変革していくかという考え方を体系的に理解できるものです。
多くのDXセミナーでは、DXの基本概念から推進手順、企業が陥りやすい失敗パターンまでを整理して解説するため、参加者はセミナーを通じて自社が「どこを変えるべきか」「何から着手すべきか」を具体的に見極められるようになります。また、実務に近い内容を扱うセミナーであれば、学んだ知識をそのまま社内施策へ展開しやすく、DXを構想段階で終わらせない判断軸を持てる点もメリットです。
DXセミナーの費用相場
DXセミナーの費用は、学習内容や研修形式によって幅はありますが、主に無料・中価格帯・高価格帯の3段階で費用相場があります。それぞれの違いは以下の表を参照ください。
| 費用帯 | 金額目安 | セミナー内容 | 向いている企業 |
|---|---|---|---|
| 無料 | 0円 | DXの基礎理解、最新動向の解説、短時間のセミナー | まず情報収集をしたい企業、DXの全体像を把握したい担当者 |
| 中価格帯 | 約5,000円〜/人 | BIM・DXツールの操作演習、実務を想定したセミナー | 導入を検討しており、現場で使えるスキルを身につけたい企業 |
| 高価格帯 | 約5万〜/人 | PC・ソフト・教材付きの体系講座、実践重視のカリキュラム | BIMやDXを本格導入し、失敗リスクを抑えたい企業 |
DXセミナーを選ぶ際に注意したいのは、「受講料の安さ=良い投資」とは限らない点です。重要なのは、受講後に社内へ展開できる知識や運用ルールが残るかどうかです。
BIMを導入する企業がDXセミナーを受講するべき理由
BIMを導入する企業がDXセミナーを受講するべき理由は主に以下3つです。セミナーを検討している方は参考にしてみてください。
- ソフト導入だけでは業務改革はできないため
- 属人化・人手不足を解決できるため
- 最新のDX事例から成功パターンを学べるため
①ソフト導入だけでは業務改革はできないため
BIMは3次元モデルを扱える高度なソフトですが、導入しただけで業務が変わるわけではありません。重要なのは、モデルをどの工程で活用し、誰が更新し、どのタイミングで意思決定に反映させるかという運用設計です。
こうした考え方を体系的に学べるのがDXセミナーであり、制度対応やデータ連携の前提をセミナーで理解することで、BIMを設計から施工・維持管理までをつなぐ業務基盤として活用する視点が養われます。特に実務に近い内容を扱うセミナーであれば、現場に落とし込むための具体策までイメージしやすくなるでしょう。
②属人化・人手不足を解決できるため
建設業では、特定の担当者だけがBIMを扱える状態になると、業務がブラックボックス化しやすく、担当者の不在がそのまま生産性低下につながります。DXセミナーでは、
- データの標準化や責任分界
- 承認フローの整理
といった組織的な運用ルールを学べるため、個人のスキルに依存しない体制を構築するきっかけになります。人手不足が常態化する中、DXセミナーは少人数でも成果を出せる仕組みづくりができるものといえるでしょう。
③最新のDX事例から成功パターンを学べるため
DXを推進している企業の多くは、成果を具体的な数値で示しており、その知見を効率よく吸収できる場がセミナーです。例えば、検査業務の省力化や是正指示の時間削減など、工程単位で効率化を実現した事例をセミナーで学ぶことで、「どの業務をどれだけ改善できるのか」を自社の工程に置き換えて考えやすくなります。
特に事例紹介が充実したセミナーでは、成功企業がどのような手順でDXを進めたのかというプロセスまで理解できるため、導入後の運用方針を現実的に描けるようになります。
以下の記事では、BIM導入のメリットや活用事例について詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
失敗しないDXセミナーの選び方

DXセミナーの選び方がわからないという方は以下3つの視点を重視して選びましょう。
- 目的を制度・操作・運用に切り分ける
- 形式は定着と社内展開で選ぶ
- 最新事例が紹介されているか
①目的を制度・操作・運用に切り分ける
DXセミナーを選ぶ際に重要なのは、「自社は何を解決したいのか」を明確にすることです。DXという言葉は広いため、
- 制度理解を深めたいのか
- ソフトの操作を習得したいのか
- 運用設計まで踏み込みたいのか
で、選ぶべきセミナーは変わります。例えば、BIM図面審査など制度対応を整理したい場合は制度型セミナー、Revitなどの操作を学びたい場合は操作型セミナーが適しています。これを混同するとセミナーを受講したが現場で使えないという事態になりやすくなります。
②形式は定着と社内展開で選ぶ
DXセミナーは内容だけでなく形式の選び方も重要です。オンラインセミナーは参加しやすく、複数拠点から同時に受講できるため、DXに関する共通理解を短期間で広げるのに向いています。
一方、対面セミナーは講師に直接質問できる環境が整っており、制度対応や運用設計など複雑なテーマの理解を深めやすいという強みがあります。失敗しないセミナーの選び方としては、どちらか一方に偏るのではなく組み合わせる視点が重要です。
③最新事例が紹介されているか
DXセミナーの質を見極めるうえで、最新事例を扱っているセミナーかどうかは必ず確認したいポイントです。特にBIMや建設DXの領域は制度や技術の変化が早く、古い情報をもとにしたセミナーでは実務に活かしにくい可能性があります。
質の良いDXセミナーは、成功事例を抽象論ではなく具体的な数値や成果とともに紹介しており、「どの工程がどれだけ改善されたのか」を明確に示しています。このようなDXセミナーであれば、自社の業務に置き換えて検討しやすいでしょう。
おすすめのDXセミナー・研修5選

ここではおすすめのDXセミナー・研修を5つ紹介します。さまざまな種類のセミナーがあるため、参考にしてみてください。
| セミナー名 | 運営元 | 特徴 |
|---|---|---|
| DX研修・人材育成サービス | GETT Proskill | スキル可視化から階層別教育・実践アウトプットまで一体化し、組織全体のDX人材育成を継続的に推進できる |
| 超実践DX研修 | 東成瀬テックソリューションズ | DXの基礎から業務改善の実装までを体系的に学び、自社課題をもとに実務へ直結させる実践重視 |
| 生成AI/Agentic AI時代を勝ち抜くための人材育成 | NEC | 生成AI時代に対応する人材戦略を体系的に理解し、自社に必要なDX人材像の設計まで支援するオンラインセミナー |
| DX・IT研修 | ソフトピアジャパン | 生成AIなど現場で即使えるデジタルスキルを短期間で習得し、チーム単位の実務活用まで視野に入れた実践型研修 |
| DX推進のための要件定義研修 | インソース | 業務整理から要件定義までを演習で学び、DXプロジェクトを成功に導く伝わる仕様設計力を養う実務特化型講座 |
①DX研修・人材育成サービス
DX研修・人材育成サービスは、単発の研修ではなく、DXスキルチェックテストによって社員のレベルを可視化し、その結果に基づいて階層別カリキュラムを設計する仕組みを採用しているため、組織全体の底上げと重点育成を同時に進められます。
さらに、ハンズオン形式の実践研修やワークショップを通じて、学んだ知識を自社課題に落とし込むアウトプット機会を設けており、座学で終わらせない構成になっています。LMSによる進捗管理や分析機能も備えているため、育成状況を可視化しながら継続的に改善できる点も強みです。
以下のリンクから詳細をチェックできますので、興味のある方は確認してみてください。
②超実践DX研修
東成瀬テックソリューションズが提供する「超実践DX研修」は、DXの基礎理解にとどまらず、業務改善を実務レベルまで落とし込むことを目的とした集合型研修です。経営層や管理職、DX推進担当者を主な対象とし、DXの導入ステップから業務の可視化・課題整理・定着化までを一連の流れで学べる点が特徴です。
大手コンサルファーム監修のカリキュラムに加え、グループワークやITツール演習が組み込まれているため、自社の課題を題材に具体的な改善策を検討できます。
③生成AI/Agentic AI時代を勝ち抜くための人材育成
NECが提供する本セミナーは、生成AI時代に求められるDX人材の育成をテーマにしたオンラインセミナーで、経営企画や人事、DX推進部門など組織設計に関わる層に適しています。
IPAの調査をもとに、成果を出す企業に共通する人材戦略や組織文化の特徴を整理し、自社に必要な人材像の定義から育成・配置までを体系的に解説している点が強みです。参加費は無料で事前登録のみで視聴可能なため、まずはDX人材戦略の方向性を把握したい企業の情報収集や、経営層の理解促進にも活用しやすいセミナーです。
④DX・IT研修
ソフトピアジャパンのDX・IT研修は、生成AI活用やプレゼン資料作成など、現場で即活用できるスキル習得に焦点を当てた短期集中型の講座が特徴です。例えば、生成AIをテーマにした1日講座では、コード生成支援やAIとの協働プロセスをチーム演習で学べるため、単なるツール理解ではなく実務での使い方までイメージできます。
実践比率が高く、参加者同士のディスカッションを通じてチーム単位の活用方法を学べるため、現場リーダーの育成や組織全体のデジタルスキル向上を図りたい場合に適した研修といえるでしょう。
⑤DX推進のための要件定義研修
インソースの本研修は、DXプロジェクトの成否を左右する要件定義力の強化に特化した公開講座です。ユーザ部門の担当者を対象に、現状業務の洗い出しから画面プロトタイプ作成、必要なデータ項目の整理までを演習形式で学ぶことで、IT部門やベンダーに正確な要件を伝えられるスキルを養います。
DXでは要件の曖昧さが失敗の原因になりやすい一方、現場が具体的な仕様に落とし込めないケースも多いため、この研修はそのギャップを埋める内容となっています。1名から参加できる公開形式に加えオンライン開催もあるため、DX推進部門だけでなく業務部門リーダーの実務研修としても取り入れやすく、ベンダーコントロール力の向上にも寄与します。
以下の記事では、DXの人材育成におすすめの研修・セミナーを紹介していますので、あわせてご覧ください。
建設業界のDX成功事例

最後に建設業界のDX成功事例を2つ紹介します。
- 株式会社大林組
- 株式会社安藤・間
①株式会社大林組
株式会社大林組は、災害現場の状況把握を安全かつ効率的に行うため、自動充電ポート付きドローンと衛星インターネットを活用し、現場のデジタルツイン化を実現しました。遠隔地のオフィスから1名で自動空撮を行い、取得した写真を点群データ化して設計3Dモデルと統合することで、残土量の算出や断面確認をPC上で可能にしています。
これにより危険箇所へ立ち入る必要がなくなり、安全性が向上しただけでなく、従来は測量に2人必要だった作業を1人に削減し、業務時間も90%以上短縮しました。一方で、高精度が求められる構造物を計測する場合は撮影条件の調整が必要になるため、対象物に応じた運用設計が重要であることも示されています。
②株式会社安藤・間
株式会社安藤・間では、水力発電所の導水路トンネル工事において、移動体レーザースキャナを活用した点群計測とBIM/CIMモデルを組み合わせることで、現場のデジタルツイン化を推進しました。従来の固定式レーザースキャナでは、凹凸の多い壁面に影ができて測定漏れが発生しやすいという課題がありました。
そこで移動しながら連続計測できる技術を採用したことで欠測をほぼ解消し、約2kmのトンネルをわずか2日で計測することに成功しています。さらに取得した点群データを設計モデルと合成することで、岩盤の整形が必要な箇所の特定や数量算出が可能となり、無駄な掘削を減らした結果、工程短縮にもつながりました。
DXセミナーについてのまとめ
DXを推進しながらBIM導入を成功させるためには、ツールの選定だけでなく「どの業務をどう変えるのか」という視点を持つことが必要で、その判断軸を養う手段としてDXセミナーの活用がおすすめです。DXセミナーでは制度対応の考え方や運用設計、成功事例までを体系的に学べるため、自社の課題を整理しながら現実的なDX戦略を描けるようになります。
また、DXセミナーを通じて得た知識を社内へ展開することで、属人化の解消や業務標準化が進み、BIMの価値を最大限に引き出すことにもつながるでしょう。重要なのは、費用や知名度だけでDXセミナーを選ぶのではなく、自社の目的に合ったDXセミナーを見極めることです。
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