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【2024】建築家の年収はいくら?一級・二級建築士による年収の違いも解説

建築家の仕事を始めたいけれど、いったいどれくらいの年収を稼げるのかわからないとお悩みではないでしょうか。また、初任給から専門資格を取得したときの年収の違いを気にしている人も多いでしょう。

そこでこの記事では、建築家の年収についてわかりやすくまとめました。
一級建築士・二級建築士の年収の違いなども解説しているので、建築関係の仕事に就きたい人は、ぜひ参考にしてみてください。

建築家の平均的な年収

建築家の年収

厚生労働省が公開している職業情報提供サイトによると、建築家全体の平均年収は632.8万円です。また、都道府県別の平均年収を以下に整理しました。

都道府県 建築家の人数 平均年収
北海道 8,570名 654.1万円
福島県 2,880名 526.2万円
東京都 34,190名 713.5万円
愛知県 12,540名 647万円
大阪府 17,260名 643.3万円
広島県 4,730名 617.2万円
香川県 1,900名 581.6万円
福岡県 10,050名 578.2万円

引用:厚生労働省「職業情報提供サイト jobtag」

上表からわかるように、活動しているエリアによって平均年収が100万円程度変化しています。
地域によって落差はあるものの、月収換算をすると全国平均で月額52.7万円(内ボーナスを含む)を得られているのが建築家の年収の傾向です。

年齢別にみる建築家の年収

年齢別の年収
引用:厚生労働省「職業情報提供サイト jobtag」

続いて建築家の年齢別の平均年収を整理しました。

年齢 平均年収 平均月収(内ボーナス含む)
~19歳 284.1万円 約23.7万円
20~24歳 372.9万円 約31.1万円
25~29歳 510.3万円 約42.5万円
30~34歳 593.1万円 約49.4万円
35~39歳 686.5万円 約57.2万円
40~44歳 690.5万円 約57.5万円
45~49歳 723.9万円 約60.3万円
50~54歳 771.7万円 約64.3万円
55~59歳 795.9万円 約66.3万円
60~64歳 641.4万円 約53.5万円
65~69歳 559.6万円 約46.6万円
70歳~ 459.7万円 約38.3万円

引用:厚生労働省「職業情報提供サイト jobtag」

以上より、定年間近までの59歳までは年収が伸び続け、最終的にはおよそ800万円ほどの年収を得られるのが一般的な建築家です。

なお19歳未満の平均月収は約23.7万円となります。
入社して数年間は、ほかの業種と変わらない給与体系であると覚えておきましょう。

一級建築士・二級建築士の平均年収

一級建築士の年収

建築家が仕事を行ううえで欠かせないのが「一級建築士」「二級建築士」という資格です。

どちらも国に認められている専門資格であり、必要な経験年数と知識、実績がなければ取得できないのが特徴です。なお、一級建築士については政府が公表する「政府統計の総合窓口e-Stat」より、次のように平均年収が公表されています。

年齢 一級建築士の平均年収 二級建築士の平均年収
~19歳 取得条件に満たない 284.1万円
20~24歳 同上 372.9万円
25~29歳 1184.4 万円 510.3万円
30~34歳 1700.9万円 593.1万円
35~39歳 1649.2万円 686.5万円
40~44歳 2208.4万円 690.5万円
45~49歳 1860.4万円 723.9万円
50~54歳 1743.6万円 771.7万円
55~59歳 1758.1万円 795.9万円
60~64歳 678.8 万円 641.4万円
65~69歳 609万円 559.6万円
70歳~ 719.7万円 459.7万円

引用:総務省統計局「政府統計の総合窓口e-Stat」

二級建築士の年収は、前述した一般的な建築家の平均年収と相違ありません。
対して一級建築士の資格を取得すると、1,000万円以上の年収を獲得できるのが魅力です。

大企業顔負けの年収を得られることから、いわば勝ち組と言ってもよいでしょう。
その分一級建築士の資格は難易度が高く、合格率も1割程度と低めに設定されています。

とはいえ、資格さえ取得してしまえば大幅な年収アップにつながるのも事実です。
建築家として高い年収を獲得したいなら、ぜひ入社してから経験を積み、一級建築士の資格取得を目指してみてください。

日本全体と建築士との年収の違い

多業種との年収の違い

建築家の年収が高いのか、それとも低いのかを判断する参考として、日本の平均年収を紹介します。

まず国税庁が公開している日本全体の平均年収は461万円となります。
なお上記の年収は男女の平均であるため、男女別で整理すると次の通りです。

  • 男性567万円
  • 女性280万円

建築業界は男性の比率が多いことから、男性の平均年収である567万円を基準に考えてよいでしょう。対して、建築家の平均年収と632.8万円であり、60万円以上の差があるとわかります。

ここから判断できるように、建築家の年収は他の業種よりも高く設定されています。

建築家の年収が高い理由

なぜ建築家の年収が日本全体の平均よりも高いのか、具体的な理由を解説します。
仕事内容についても触れているため、求職先のイメージを知る参考にしてみてください。

専門性の高い仕事をするため

建築家は家やビルといった建築物をつくるために、次のような専門性の高い業務を進めていくのが一般的です。

  • 提案資料の作成といったコンサルティング業務
  • 図面作成や数量算出といった設計業務

建築という専門分野の知識が必要なことはもちろん、CAD・BIMといった製図ソフトを使いながら、図面を作成していかなければなりません。また、図面や数量を作成する際には、国や自治体、都道府県などが定めている条件や法律などに準拠する必要があります。

一般の人では対応できないような難しい業務も多く、長い経験を積まなければ思うように進められないのが建築家の仕事です。非常に難易度が高いことから、工業系の高校や、建築系の大学を卒業していなければ建築家として働くのが難しいと言われています。

なお、建築家がどのような仕事をするのか気になっている人は、建築設計の仕事内容を解説している以下の記事をチェックしてみてください。

【2024】建築設計とは?利用するツールや必要な資格も紹介

国家資格が仕事に必須であるため

建築家の年収が高い理由として挙げられるのが、国家資格である一級建築士です

一級建築士とは、国土交通大臣から免許を受けて、建築物の設計・工事監理およびそのほかの業務を行える人のことであり、国に認められている資格のことを指します。

一級建築士の資格がなければ受注できない案件なども多く、さらには建築事務所を立ち上げるためにも一級建築士という資格が必要です。合格率も10%程度と低く、何度も試験に落ちるという人もいます。

そのため、国家資格としての価値が高く、その分だけ年収が高く設定されやすいのが特徴です。
もちろん資格を所有していない場合でも年収は高めですが、一級建築士を取得すれば年収1,000万円以上を目指せます。

1件当たりの単価が高額であるため

建築家の仕事は家やビルといった建築物を設計することであるため、1件当たりの単価が高額であることも年収が高い理由です。

何千万円もする家を設計するうちの2~3割程度が設計費用だと言われており、短期間で高品質な建築物を設計できれば、それが収入として返ってきます。

もちろん継続的に仕事を獲得できることが条件となりますが、安定的に仕事を獲得できる建築事務所などで働けるのであれば、本記事で紹介した平均年収を稼ぐことも難しくはないでしょう。

建築家の年収アップに必要な知識・技術

建築家のスキル・知識

建築家としてスキルを高め、年収アップを目指したいのなら、紹介する知識・技術を身につけるために動き出すことをおすすめします。

基準・マニュアルの読み込み

建築家として仕事に慣れ、年収アップを目指したいなら、まずは建築に必要な知識として基準やマニュアルを読み込むことが大切です。参考として、以下に建築家の仕事に関わる基準・マニュアルをまとめました。

  • 建築基準法
  • 標準仕様書
  • 道路構造令
  • CAD製図マニュアル

なかでも優先的勉強しなければならないのが、業務に直接かかわりのある建築基準法です。
建築基準法には、建築物を設計するうえで確保しなければならない条件が詳しくまとめられています。数値情報なども掲載されているので、確実に内容を理解しておきましょう。

建築家としての勉強を始めたいなら、おすすめの本について解説している以下の記事をチェックしてみてください。

【2024】建築のおすすめ本10選!初心者から読める面白い本を紹介

製図スキルの向上

建築家の必須スキルとして挙げられるのがCAD・BIMといった製図スキルです。

自分で図面を作成することはもちろん、図面から数量を拾い出し、お金についての情報をまとめる積算資料を作成するために、CAD・BIMソフトを使いこなす必要があります。なお、製図は次のようなソフトで実施できるのが特徴です。

  • Revit
  • AutoCAD

上記のソフトはあくまで一例ですが、まだソフトを操作したことがないという方は、操作練習から始めることが重要です。とはいえ、1から独学する時間がないとお悩みの方もいるでしょう。それならぜひ、スキルアップに役立つセミナーに参加してみてください。

以下に紹介するセミナーは2日間という短い期間で、作図にかかわる基本操作・応用操作をまとめて学べるのが魅力です。復習用の学習教材も手に入るため、短期間で知識や技術を身につけたい方は、セミナーで作図を学んでみてください。

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建築家の年収についてまとめ

建築家の年収は他の業種と比べても高額であり、さらには専門資格である一級建築士を取得すれば年収1,000万円以上を目指すことも可能です。

もちろん、専門性が高く難しい業種ではありますが、建築系の仕事に興味がある方は、今のうちに基礎知識や製図スキルを身につけ、求職活動を始めてみてはいかがでしょうか。

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