2D・3DCADソフトは今や建設や建築業界では欠かせないソフトですが、最近では広く普及したこともあり、多様なソフトが東條しています。
SketchUpもそんな人気の高いCADソフトの一種で、国内外を問わず多くのユーザーから支持を集めています。
この記事では、そんなSketchUpがどのようなソフトなのかを解説しながら、SKetchUpの人気の秘密について紹介していきます。
SketchUpとは
SketchUpはアメリカのTrimble社が提供している、3DCADソフトの一種です。
以前はGoogleがWebサービスの一環として提供しているソフトでしたが、2012年にTrimble社が買収し、今に至ります。
デバイス上で擬似的に3D空間を作り出し、3Dモデルを感覚的に組み立てていく事ができる操作性の高さが評判を集めており、クリエイティブなアイデアをすぐに具現化できるのが特徴です。
もちろん、正確な寸法に基づく数値ベースの設計にも対応しているので、プロトタイプの設計から本番の設計に至るまで、幅広いシーンでの活躍が期待できます。
また、現在は目的やユーザーの状況に応じてさまざまなプランを使い分ける事ができるよう、派生型が次々と登場しており、自分にぴったりフィットするCADソフトとして活用できる点も魅力です。
SketchUpの対応OSや日本語対応状況
SketchUpが高い評価を集めている理由の一つに、OSがWindowsとMacに対応している事が挙げられます。多くのCADソフトはWindowsユーザーを想定して開発されており、Macでは動かす事ができないというケースが珍しくありません。
一方でSketchUpはWindowsで使用できるのはもちろん、Mac対応のバージョンも存在するので、ユーザビリティの面で優れた能力を発揮します。最近ではMacを導入する設計事務所や企業も増えているため、こういった企業との互換性を確保する上でも重要です。
SketchUpはアメリカの会社が運営するCADソフトですが、日本でのユーザーが多いことからも分かる通り、基本的な日本語対応は完了しています。
利用にあたって言語の壁に阻まれてうまく導入を進められない、という心配はないので、日本語での利用を必要条件としている企業にもありがたいソフトです。
SketchUp活用のメリット
SketchUpは他のCADソフトと比較して、どのようなメリットを有している製品なのでしょうか。
ここではSketchUpの人気の理由でもある主な活用メリットについて、紹介します。
無料で利用ができる
SketchUpは高機能でユーザビリティに優れるCADソフトでありながら、無料で利用ができるという強みを持っています。
多くのハイエンドなCADソフトは便利な反面、ライセンス料金や購入費用が高額で、なかなか大規模に導入する事が難しいという懸念点もあります。
一方のSketchUpは基本機能を無料で使用する事ができるため、お試しでの利用やシンプルな機能のみを使いたい時に、気軽にインストールが可能です。
もちろん、全ての機能を無料で使えるわけではないので、本格的な運用には有料版の購入が必要ですが、それでも試しに導入ができるというアドバンテージは魅力的と言えるでしょう。
Webから利用ができる
SketchUpのユニークなメリットとして、Webブラウザから利用ができる点が挙げられます。
多くのCADソフトは基本的にPCにインストールして使用するのが一般的で、インストールのための時間がかかりますし、インストールしていないデバイスから使用することはできません。
一方でSketchUpは無料で利用ができるWebプランを備えているため、インストール版と大差ない機能をブラウザから利用可能です。SKetchUpのWebプランも無料と有料を選んで利用でき、有料版ならより充実の機能を実現します。
また、WebブラウザからSketcuUpの利用ができるということは、PCに限らずスマホやタブレットなどでも利用ができるということです。
iOSやAndroidを問わず、手持ちのモバイルデバイスからSketchUpを使用する事ができ、いつでも図面を確認したり編集したりができます。
建設現場でCADデータを展開したい時など、重宝する機能となるでしょう。
拡張性が高い
SketchUpはデフォルトでもユーザビリティと機能性に優れるソフトですが、専用のプラグインを使ってさらに機能を拡張することも可能です。
拡張機能の大半は無料で使用する事ができ、デフォルトの機能では使えなかった、あるいは少し使用には面倒がかかっていた使い方を、プラグインの導入によって解消する事ができます。
デフォルトの機能だけでは物足りなくなった時でも、SketchUpならわざわざCADソフトを移行する手間を省く事ができるため、長きにわたって使い続ける事ができるでしょう。
SketchUpの主な機能
続いて、SketchUpの有する主な機能について解説します。
ポイントとしては、モデリング機能とレンダリング機能、そして拡張機能によって得られる様々な機能の追加です。
モデリング
SketchUpのモデリングは、基本的な図形の描画から複雑な構造設計に至るまで、幅広く運用可能なプロ仕様の機能となっています。線や面を描くための平面描画ツールと立体描画ツールを使い分けながら、思いのままにモデリングが可能です。
立体描画ツールにおいて特徴となるのが、プッシュ・プルツールです。
最初に平面を描き、そこでプッシュ・プルツールを使用することで、長方形なら直方体を、円なら円柱を出力できるという便利な機能が使えます。
また、曲面を自在に表現できるサンドボックスツールも、SketchUpの特徴的なモデリング機能の一種です。細かなディテールを再現したい場合、重宝することとなるでしょう。
レンダリング
SketchUpではモデリングだけでなく、レンダリングについても豊富な機能を備えています。
SketchUpではモデリングとレンダリングは全て同じモデルで実行されるので、他のCADソフトのようにバラバラに実行する手間がかかりません。
ただ、ディテールの細かい大きなプロジェクトを実行する場合、必然的にマシンにかかる負荷は大きくなってしまうため、リソースには余裕を持たせておく必要があるでしょう。
SketchUpのレンダリング機能は実に豊富です。
「スタイル」で管理される画面表示の中でワイヤーフレームやシェーディングを自在に設定し、好みのモデルへと仕上げる事ができます。また、フォトリアルなレンダリングだけでなく、手書きのような描写に仕上げられるトゥーンレンダリングにも対応しているので、多用途に作成したモデルを仕上げられるのが強みです。
拡張機能
SketchUpの既存機能に限界を感じたり物足りなさを感じている場合、プラグインを活用してみましょう。SketchUpは「Extension Warehouse」と呼ばれる公式のプラグインサイトを完備しており、SketchUpの操作画面から直接アクセスする事ができます。
大半の拡張機能は無料ですが、中には有料で公開されているものもあります。
拡張機能はSketchUpの公式のものだけでなく、サードパーティによって開発されたものも含まれており、有料設定にすることで開発費を賄えるのが特徴です。
買い切り型のプラグインにするもよし、サブスクリプション形式にするもよしの柔軟な料金設定で、他のユーザーへのサービス提供が行えます。
SketchUpのプラン比較
SketchUpは豊富なプランを有しているCADソフトのため、それぞれを比較しながら自分に最適なプランを選ぶのが理想です。有償のプランは主に
- SketchUp Go
- SketchUp Pro
- SketchUp Studio
の酸種類となっており、以下は上記のSketchUpの有償プランをまとめた比較表です。
SketchUp Free | SketchUp Go | SketchUp Pro | SketchUp Studio | |
オフライン利用 | 不可 | 不可 | 可 | 可 |
2D設計 | 不可 | 不可 | 可 | 可 |
XR対応 | 不可 | 一部可 | 可 | 可 |
高度なレンダリング | 不可 | 不可 | 不可 | 可 |
料金 | 無料 | $119/年 | $349/年 | $749/年 |
まず無料で利用ができるSketchUp Freeですが、こちらはオンラインでの利用を前提としたソフトです。基本機能を使った3Dモデリングに対応こそしていますが、2D設計には対応していない、VRやARのビューアで使用ができないなどの制限が多く、注意が必要です。
有料版の中で最も安価なのは、SketchUp Goです。
こちらもオンライン限定のソフトとおなっていますが、XR関連の機能が一部開放されているなど、SketchUpの機能性の高さを体験する上では十分な性能を発揮します。
本格的な商用利用を検討している場合、SketchUp Proの導入を検討しましょう。
こちらはオフライン作業や2D設計にも対応しているほか、ほぼ全てのSKetchUpの機能を使用する事ができます。
SketchUpの全ての機能を活用したい場合は、SketchUp Studioの契約が必要です。
こちらではモデリング機能に加え、高度なレンダリング機能も実装されているだけでなく、BIMソフトであるRevitとの互換性にも優れているので、ハイエンドな業務環境を整備できます。
SketchUp まとめ
この記事では、SketchUpとはどのようなCADソフトが、具体的にどんな強みを備えているのかについて解説しました。SketchUpはオンラインでの利用ができるWebサービスとしても強力なCADソフトで、OSやデバイスを問わない柔軟性の高い運用が期待できます。
ハイエンドプランとなると高度なレンダリング機能も実装しているため、別途レンダリングツールを用意する必要もなくなります。
これから3DCAD環境を一から構築しようとしている場合、積極的に活用を検討したいソフトと言えるでしょう。